2012年01月29日

短評(ウィンターズボーン・モールス)

今週のギンレイホール。

ウィンターズボーン
[50点]

 はい、「サンダンス映画祭はハズレ」発動。
 ただこの作品の場合、文化がわからんてことのほうが、しんどいんだと思う。邦画で似た作品をあげろと言われたら「松ヶ根乱射事件」かなって気がするけど、アレを海外に持ってっても誰もわからんよね。

 ぶっちゃけ、ヒッピー文化のなれの果てにしか見えなくて、「こんな連中の子供に生まれたらそら苦労もするよね」っていう解釈だけできればいいんじゃないかと思いました。
 「この世界を懸命に生き抜く主人公」みたいな評価をされてるけど、逆に、しがらみや無能のせいで閉塞することを優先するあの大人連中どもが、どうやってこれまでこの世界を生き抜いて来れたのか、さっぱりわかりません。


モールス
[80点]

 で、おまけのつもりだったこっちの方がずっと良かった。
 監督が、個人的には大駄作だった「クローバーフィールド」の人と後から知ってビックリでした。

 ヒットガールたんことクロエ・グレース・モレッツの新作ってことでわりと評判になったはずで、「キック・アス」が気に入った人なら気に入りそうな話なのに、意外に盛り上がらなかったから、よっぽどデキが悪いのかと思ってた。
 「僕のエリ」(未見)と筋が似てるなぁと思ってたら原作が同じで、こっちがハリウッドリメイクなんですね。で、原題「LET ME IN」に対し邦題が「モールス」ってのはひどいなぁと思ってたら、原作小説がこのタイトルなんですって。なるほど。

 1983年、「アメリカの正義」がピークに達した時期のロスアラモスに舞台を置いて、正義とは何か悪とは何か、問い掛ける内容にしたのは、リメイクにおける意図的な改変でしょうね。「スーパー8」に対するカウンターだと見て取ったのは自分だけでしょうか。

 少年オーウェンの生きる世界では、神も、政府も、家族も、学校も、自分自身すらも、「正しいもの」として機能していない。どこからも「正しいもの」を提示されなかった少年がどうなるのか。
 主人公が彼女を受け入れる過程と、悪は悪をもってしか制しえないという諦念に近いラストへの流れがもう少しスマートだったらもっとよかったかも。

 正直、「僕のエリ」の方もちゃんと見てみたいですね。
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2012年01月19日

ロボジー

[50点]@チネチッタ

 えっとねぇ……点、辛いです。
 えっとねぇ……私、実は、工学部出なんです。
 かつ、こういう「ごまかし」展開を大の苦手としてるんです。


 あるていど覚悟してたけど、……ていうか、「じいさんがロボットの中に入る」などというおバカなシチュエーションは元理系としてものすごく気に入っていて、苦手展開でも見たいと思ったからこそ、公開すぐに行ったわけですよ。
 まさかこういう───あのさ、「スウィングガールズ」作った人なのだから、あの三馬鹿がちゃんとロボット作り上げて、大舞台でお披露目するってところがクライマックスになると思うじゃないですか。
 なぜそこで終わりますか。

 この作品は、どうにもならないくらい、一般人から見た「ロボットに対する憧憬や期待」からなる「ファンタジー」であることは一目瞭然です。村田製作所連れてきても、初音ミクを持ち出してもどうにもならない。
 CADも知らないレベルの知識しかないボンクラが冒頭の二足歩行ロボを作れてるとか、開発予算より飲み食いの予算が問題になるとか、理工学部生があんだけ揃っても嘘を見破れないとか、偽物疑惑が「海外の指摘」というのはいったいどんだけ日本の技術者バカにしてんだとか、もういいよ! そんなの、ファンタジーなんだから。

 でも、ファンタジーならファンタジーで、思いっきり嘘くさい感動見せてくれていいじゃん。途方もない奇跡が起きてもいいじゃん。せめて、ようこちゃんを仲間に加えて、あの記者会見までの数日で「ニュー潮風2」を完成するって展開にしてほしかった。
 なんで「偽物疑惑をかわす」「現実から目を背けさせる」なんてみみっちい部分でクライマックスになんのよ。エピローグが「一年半後」って、なんで突然「成長期間」なんていうリアリティに目覚めるのよ。「若者たちの成長を待つために、自分は文字通り身を投ずる」それは本当に、このファンタジーの終着点であるべきだったのか。

 じいさんがなぜその行動を取ったか、あるいは、ようこちゃんの気持ちとかはきちんと織り込まれていて、あの時点ですっとまとまるわけだから、人情ものとしてはクライマックスになるのはわかります。あれで「あぁよかったね」と思える人はそれでいいんすけどね。


 FACOMを開発した富士通の池田敏雄氏が、こんな言葉を残したと、プロジェクトXか何かで紹介されたことがあります。
 「感動だよ。感動からすべてが始まるんだ」
 宇宙物理とかならともかく、電子工学の技術者がこんな抽象的な言葉をさらっと言うわけないじゃないですか。
 僕は、彼がこう言いたかったのだと勝手に解釈しています。
 「完動だよ。完動からすべてが始まるんだ」

 この作品は、完動しなかった。そんな感じです。動かないテクノロジーに意味はない。
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2012年01月16日

マジック・ツリーハウス

[75点]@TOHOシネマズららぽーと横浜

 TOHOシネマズは鴨居のこと横浜っていうのやめてほしい。



 原作はもちろん未読。全然見る予定に入ってなかったんだけど、監督錦織博と聞いて興味がわきました。「ガドガード」の監督の新作と聞いては黙ってられませんて。
 ……あ? 「禁書目録」? ぜんぜん知らんなそんなのいやマジで。
 まあ、本作に関していえば、「かいけつゾロリ」の流れをくんでるんでしょう。
 しかも脚本が大河内一楼!


 楽しめたというか、なんか感心しました。
 気に入ったポイントは、「大人目線ではツッコミどころだらけ」なのに、「子供目線ではツッコミどころがない」丁寧な作り。
 主人公の兄妹は実はアレで年子で、ジャック8歳、アニー7歳の設定らしいんだけど、起きるイベントが全部、年齢に合わせて真摯なんです。大河内一楼は、どんな無茶な設定であってもキャラクターを真摯に行動させることで凄みを出す人ですが、8歳児でもそれができるのだから怖いな。

 結果、「7歳児の足に全力疾走で追いつけないティラノサウルス」とか、「演劇未経験者に向かってロミオなんて簡単と言い切るジュリエット」みたいな、大人は笑っちゃういびつなシーンも出てくるんですが、お子さんは食らいついて見ちゃうだろうな、と。

 作品内で与えられる「4つの試練」の起承転結が非常にしっかりしてて好印象なうち、その目線の違いで極めつけとなるのが、「転」にあたるローマ。

 「承」の段階で、この魔法世界に慣れた主人公のジャックは、ちょっと慢心してしまうのですね。自分の力でもう何でもできてしまうんだって。
 その状態で、「ローマ時代のポンペイ」に行く、と。

 大人から見ると、「ポンペイ」というだけで何が起きるかわかるじゃないですか。そのとおりになるわけですよ。予想通りだから別に驚きゃしない中で、あるイベントが派手な演出なしにさらっと流れます。
 でも「予想してない」子供が見たらこれ、ショックなシーンにショックなイベントが重なってトラウマ級なんじゃないかなって。さらっと流して正解。


 じゃあ大人向けにはつまらんのかというと、こちらも重要なポイントがあって、「魔女モーガンがなぜネズミにされたのか」ってところ。これも大人と子供で答えが変わる。
 というか、物語全体を「モーガン目線」で再構築すると示唆に富むと思われます。


 派手なことは何もしていない(でも地味に絵はよく動く。序盤の蛙チェイスがすばらしい)し、クライマックスったら本当に拍子抜けなんだけど、親子連れ向け作品として誰にでもお勧めできる盤石な仕上がりだと思います。
 年末にMXでやってた「おまえうまそうだな」の、絵本原作の皮を被って「恐竜ガチバトル」を好き勝手やらかしちゃいました(笑)みたいな、ヤバげなところはないのでご安心召され。


 声優の話。メインの3名に北川景子/芦田愛菜/真矢みきをあてた布陣なわけですが、芦田愛菜がいちばんうまいってどういうわけだ(滑舌を考えなければ、だけど)。
 北川景子はがんばってると思うけど、やっぱ大人の女性の声で、合ってない。同級生としゃべるシーンに違和感ありすぎ。母親(=水樹奈々)としゃべるシーンは何をかいわんやでした。
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2012年01月11日

アーサー・クリスマスじゃなくて

破壊屋さんの誰映2011の結果が公開されました。

コメントを読みあさるうちに、はっと気になって調べてみたこと↓

アーサーとミニモイシリーズの第三部は、欧米ではとっくに公開されている。

もちろん日本未公開。DVDも出ていなくて、日本で出ているのはリュック・ベッソン本人が書いた小説本だけみたい。
なんだよ! オレだけは待ってるから早く日本公開しろよ!
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2012年01月04日

2011年ベスト&ワースト


 あけましておめでとうございます。
 今年もぼちぼち見ていきます。よろしくお願いします。


ベスト10

1位/マイ・バック・ページ
「超傑作」と評した、山下敦弘ファンの自分がいうのもなんだけど、まさかこの作品を年度1位に据えるとは思わなかった。こういう傍目に難しい作品ではなく、「単純に面白い娯楽映画」を1位にしたいのですが。

2位/ミッション:8ミニッツ
ダンカン・ジョーンズ監督2年連続2位。今後、最も期待できる映画監督なのは間違いないでしょう。と同時に、彼の「月に囚われた男」をいち早く公開した恵比寿ガーデンシネマが韓流に追い出された(毎日ガラ空きらしいね……)のは、2011年における映画界の損失のひとつだと思う。

3位/機動戦士ガンダムUC Episode 3. / Episode 4.
2010年のベストで、ほぼ等位に並べたパラノーマルアクティビティの凋落ぶり&テレビ新作の山田(笑)ひとり気を吐く惨状が無残な一方で、2011年も絶好調でした。……とはいえ、これのランクが3位に上がってるってのは、やはり全体的に低調な(ものしか見なかった)一年だったかなぁと。

4位/イリュージョニスト
ベルヴィル・ランデブーほどの衝撃はなくとも、今年のオリジナルアニメーションの中ではやはり頭ひとつぬきんでた存在。アリスが主人公を「魔法使い」と信じてしまう、スコットランドの島のシーンが好きです。

5位/映画 けいおん!
結局、特典目当てでなく3回見ました。「けいおん!」は「芸の細かさ」という点でも現在日本屈指の映像シリーズだけに、ドラマツルギーが少なくても再鑑賞に堪える良さがあると思います。

6位/アンストッパブル
大作がいっぱいあったにもかかわらず、2011年で文句なく「単純に面白い娯楽映画」だったのはこれでした。

7位/塔の上のラプンツェル
お姫さまスキーにとって至福の時間でした。公開が震災と重なって、評価の上がりようがなかったのがとても残念です。

8位/メアリー&マックス
2011年最も泣けた映画。

9位/リアルスティール
暫定のランキングでは「鬼神伝」を入れてたんだけど、かの作品の最大の評価点である「男の子がカッコイイ」ところに、2010年ラストでズドンとこの作品が入ってきて入れ替わる結果に。

10位/ゴーストライター
探偵はBARにいる」を評価している人が多い。で、評価している人と話をすると、本作は見てないという。すごく悔しい。

次点はまず「鬼神伝」。もっと評価されるべき。
その他は「ソーシャルネットワーク」「コクリコ坂から」「カーズ2」あたりか。

今年公開でない番外では、「オネアミスの翼」。あと、年末に「スティング」見たりもしてます。もっと過去の良作を見ておかなくては、と思ってます。


ワースト3

1位/アップルシード13 -遺言-
2位/パラノーマル・アクティビティ2
3位/キング・オブ・ファイターズ

今年は「2大巨悪」がいるんで、あとはどうでもいい気がします。とはいえ、パラノーマルアクティビティ2の方は別に制作者が悪いんじゃないんで、純粋に出来が悪い方をワーストに据えました。
当然ですが、「予言」は見ていません。ホント新宿が遠くなって、ダメとわかってる作品のために交通費出したくないんです。
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2011年12月25日

リアル・スティール

[80点]@横須賀HUMAXシネマズ

 なんで横須賀? というのはまぁ置いといて。
 ここ、なんか変な面白い構造。ショッピングセンター4階フロアを、アミューズメントエリアとシネコンが共有してるんだけど、境目があいまいなんです。シネコンロビーのコンセッションとかショップがあるのと同じようなポジションに、えらく広い面積をとってアミューズメント施設までもが放り込まれてるって感じ。
 それとも、地方のシネコンってこういうのが多いんでしょうか。


 さて本作。

 おもしろかった!
 まさしく「格闘ゲームの映画化」で、原作ゲームがあると言われても驚かない(……「カスタムロボ」?)。格闘ゲームの映画化というと惨敗続きなわけだけど、そうした映画を作ってきた人たちはこれを見て、こう作ればよかったんだ、と腰抜かせばいいと思う。
 そして「スコット・ピルグリム」が面白いとかいう手合いが見たら、どう思うのだろう。僕は、こういうのが「弱い者が力を手に入れる」展開の、実のある描き方だって、切に思うんですよ。


 この作品のすごいのは、思い切りのいいブラッシュアップ。たとえ核心部分でも、だらだらやるとつまらなくなるところを、すべてそぎ落とし、ほんの短くしかし効果的な演出で置き換えてしまうところ。

 できごとに理由はある。でも描かない。

 チャーリーの過去に何があったか、彼の妻に何が起きたか、重要だけどもあくまで物語の「部品」の扱い。何らウェットに描かれない。
 ロボットボクシングのディテールや歴史も、あるけど描かれない。敵として立ちはだかるミダスが、メトロが、ツインシティが、そしてゼウスが、どんな性能なのか、なぜ強いのかちっともわからない。でもでかくてパワーありそうだから強いのだ。高くジャンプできるから強いのだ。それを小兵がぶっ飛ばす。

 この徹底した記号化───というより、「現在見えているものだけを描く」という潔さって、なんか滅亡寸前の演出のような気がするけど、やっぱいちばん正道でしょ。見ている人の想像力を信じるって意味で。

 本作の制作者たちは、「現在見えているもの」の向こうに、少しだけ部品を配置しておけば、観客がそこからちゃんと物語を構築してくれることを信じてる。
 もっとぶっちゃけると、「つえー! かっけー!」っちゅう男心をくすぐれば、ハナシは勝手に広がり出すんだ、って感覚のままに作り込まれている。オモチャひとつあれば、男の子はいつだってヒーローだ。
 そんで、強いけど金満で高慢な敵と向かい合う。何する? タンカ切る! って展開がカッコいいったらねぇ。年齢なんて関係ねぇ。

 監督は「ナイトミュージアム」シリーズの人。なんかすっげーわかる。


 ……でもまぁ、やりすぎもあって、「闘志に満ちたロボット」「何度KOされても立てと言えば立っちゃうロボット」っていうあたりは、やっぱり人間でないと盛り上がらなくね? と思ったかなぁ。


 あと、主役ロボットの名称がATOMだったり、敵方技術者が日本人だったり、この作品は日本オマージュがいろいろ織り込まれてるんだけど、マックスのTシャツがカタカナで「ロボット」なのがいちばんウケた。君はけいおんの唯か!
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2011年12月18日

スポーツ映画ベストテン

 駆け込みですが、こちらに初参加します。
 「マネーボール」見てからにしようと思ってたら、ほんとギリギリになっちゃった。なんかすみません。

 いろいろ悩んだ結果、全部競技が別になりました。
 なお、年度は「日本公開年」で統一してます。


1位/ピーナッツ2006/野球)
 これを1位に挙げる人はたぶん世界に自分ひとりでしょうが、もっと知られるべきすばらしいスポーツ映画です。野球の試合全体をドラマに組み込むことに成功しているだけでも珍しいのに、主役チームが完全に力負けしてそれでも感動を呼ぶ希有な作品です。

2位/シービスケット(2003/競馬)
 生まれも育ちも地味な駄馬が、手の合う調教師と騎手に出会ったことで一変、急成長し活躍を重ね、一度は負けたエリートのライバルをマッチレースで打ち破る! なんと感動のクライマックスだ! と思ったらまだ話が続き、もう一段階、さらに強烈なクライマックスが待っている。あー、よくある Based on True Story、実際はご都合主義のフィクションなんだろと思うでしょ? 全部実話です。

3位/力道山(2006/プロレス)
 実際のプロレスよりはるかに迫力があるプロレス映画。

4位/少林サッカー(2002/サッカー)
 まあ、説明不要ですね。本当に面白かった。不朽の名作。

5位/クールランニング(1994/ボブスレー)
 まあ、説明不要ですね。本当に面白かった。不朽の名作。

6位/ベルヴィル・ランデブー(2004/自転車)
 厳密にはスポーツ映画とはちと違いますが、ツール・ド・フランスが登場する、自分のゼロ年代ベスト映画

7位/素晴らしきヒコーキ野郎(1965/航空レース)
 モータースポーツはどうだろうと考えているうちにふっとこれを思いつきました。夏冬の休みとかによくNHKでやってたんで、放映されるたびに見てたなぁ。江戸川番外地さんとこの「紅の豚」がアリならこれもアリだよね。

8位/リトルランナー(2006/マラソン)
 ここ数年で公開された映画のうち、「スポ根」という表現が最も似合う作品。

9位/リンガー! 替え玉☆選手権(2007/スペシャルオリンピックス)
 ちょっと毛色の違うところで。障碍者のスペシャルオリンピックスを題材にした作品。

10位/少林老女(2008/ゲートボール)
 ラクロス? と思った人、よくタイトルを見たまえ。「少林老女」だ。ゲートボール対決の熱さは、凡百のスポーツ映画など軽く蹴飛ばしている。


次点というか、登場人物は誰も競技してないので、大好きだけど「オフサイドガールズ」は外しました。「ホルテンさんのはじめての冒険」もスキージャンプが重要だけど、スポーツ映画と言うにはムリがあるな。

まっとうなところでは「ひゃくはち」が記憶に残ってます。あと、「ディセント」のケイビングもすごかった。

最近はアニメに偏ってて、全然スポーツ映画を見てません。スポーツの迫力はやはり実写ならではで、アニメでスポーツみてもしょうがない、って感覚はあります。
でも、スポーツの魅力を描けてないスポーツ映画が多いのも事実。できるだけ「競技」自体を面白く描こうとしている作品を選んだつもりですがどんなものでしょう。
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マネーボール

[65点]@109シネマズ港北

 良くも悪くもブラッド・ピット俺様映画で、彼から視点が外れるとイマイチになってしまう惜しい作品でした。

 作劇はスゴイと思うんですよ。
 理論は正しい。俺は正しい。なのにうまくいかない。当たり前ですわな、チームスポーツなんだから誰かひとり正しくたってしょうがない。理論を浸透させる必要性と、そのために主人公がどう振る舞うべきか気づく流れを、淡々としかし直球で描いているのはいい感じ。

 でも、肝心の野球やマネーボール理論の魅力、あるいは選手個人の魅力がまったく出ていないので、盛り上がりきらないんですよね。特に、本当なら主人公以上に葛藤したであろうフィリップ・シーモア・ホフマンの無駄遣いっぷりに、唖然とさせられます(監督が「カポーティ」の人ってことで、友情出演的な部分があったのかな)。


 ……あと、20連勝がかかった試合で本人登場した瞬間、いきなりギャグマンガみたいなノリになったのはちょっと笑った。でも、あの話の流れで、「ハッテバーグが先発じゃなくって代打」ってどうなん? 誰がファーストやってたのさ?
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2011年12月16日

もしかして……

今年の松竹って、「けいおん!」が最大の興収を叩き出すことになるんじゃあ……。

ここ数年のラインナップを見るだけで何か絶望的な気分になってくる。
「おくりびと」以降は「ヒットした」といえる作品もほとんどないわけだ……。
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2011年12月11日

トワノクオン 第六章 -永久の久遠-

[45点]@バルト9

 第一章第二章第三章第四章第五章

 えーーー……。
 予想が全部当たらなかった。悪い方向に。

 マジwktkしながら最終回見に行ったんです。
 時間返してください。交通費返してください。引っ越したんで新宿は遠いんです!


 えっと、五章終了時点の状況を整理しますね。
 ・上代の能力は他の能力者の能力のコピー。
 ・トワの能力は他の能力者の能力の増幅。
 ・トワの能力を得てコピーした全能力を増幅するのが上代の狙い。
 ・上代がテイとタカオを連れ去る。話の流れ的に、連れ去りの目的は能力のコピー。
 ・テイの能力は精神感応。これはトワを覚醒させるのに必要だった。
 ・タカオの能力は「テレポート」になってるけど、ここまでの描写を見る限り、対人がターゲットの、つまり、場所が具体的にわからなくても知人の居場所へ無条件に飛んでいける、という種類のテレポート。ただし使用後に体のどこかの骨が折れる。
 ・この作品に登場した全能力者のうち、能力の使用により明確に身体にダメージを追うリスクを負っているのは彼だけ。

 ……この状況でどんな最終回を想像しますか?
 上代がタカオの能力をコピーして使って、全身の骨バラバラ。以外想像できなかった。タカオの骨折設定には絶対、重要な意味があると確信してた。
 テイ連れてってんだから、第三話みたいな精神戦もアリだと思ってた。


 まさか上代さんがごくごく超フッツーの悪いボスだったとは……。
 まさかラストバトルがごくごく超フッツーの超能力合戦しかも物理ダメージ限定で終わるとは……。
 まさか、他の能力者全員、いてもいなくてもストーリー上に何にも問題なくって、誰も事後のフォローをされないとは……。



 マジでさ、タカオって何のためにいたの?
 最後の最後でクオンが上代から奪ったテレポート能力使うと、ユーマに「タカオより速かったよ」ってトドメまで刺されてるよ……。

 ウトック組はといえば、しずるは瞬をかばい、瞬はその後盛大に説教たれてから自爆という、「誰も死なせない」を基本路線にしていたはずのこのストーリーで、やっちゃいけないラストに突っ込むし……君らあの世で幸せになれたらいいんかい!
 せめて、テイは泣いてあげてください!


 キャラが立っているのが魅力だったのに、本当に立っているだけだった。主人公以外全キャラ投げ捨てで終わるって、そりゃあんまりだよ。
 もしかして飯田監督って、ここらへんきちんと構想する前に亡くなっちゃったんですかね……。


 以下、僕が考えていた最終回。


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2011年12月10日

タンタンの冒険

[75点]@TOHOシネマズ渋谷

 原作未読。
 小学生の頃は図書館のヌシだった自分が、なぜ読んだことがないか。
 マジで、常時「貸出中」だったから。憧れたのに、一度も実物を見たことがないのです。
 だから、「タンタンの冒険」を知らない人が意外に多くて驚いた。「はだしのゲン」並みの知名度じゃないの、あれ?
 まさかあの激戦週の三番手に甘んじるとは夢にも思わなかったよ……。


 バンドデシネの映画化らしく、というべきか、おそろしくテンポ早くキリキリ進んでいく展開は、「間」を重んじる日本人には確かに合わないかもしれないなーとは思います。
 でもそれに慣れてきて、物語が海へ空へと自在に動き出すと、見せ方はさすがのスピルバーグ、息つく暇も与えず次から次へ畳みかけてきて楽しいです。王宮からの坂下りはまさにスピルバーグ真骨頂って感じ。
 予告編で見た「過去の海」は、てっきりプロローグ的に置かれるかと思ったら、砂漠の絶景からつなぐ、というのは面白かったですね。さらに海上で繰り広げられる「空中戦」がカッコいい。そうだよ、これを「三銃士」で見たかったんだよ!

 これに比べると、クライマックスの「剣戟」はちと弱い感じがする……ていうか、港でクレーン使って最終決戦、って特攻野郎Aチームと同じなんだけど、海外の人には何かこう胸にくるものがあるんですかね。
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2011年12月09日

三銃士

[60点]@TOHOシネマズ川崎

 大丈夫! 予習は三谷幸喜版でばっちりだから!
 という心構えがよかったか、実にさくさく進む娯楽大作でした。
 作りたかったのは本当はルパン三世だったんじゃないか、ってノリのオープニングがステキ。

 でも後半尻すぼみの感が否めない。
 残念なのは、この物語において、「船」ではなく「飛行船」である理由が「見栄え」以外にないこと。ロシュフォールとのラストバトルも、そこが舞台である理由は「見栄え」だけです、でも、せっかく飛行船を出してんのになぜそこで決戦になるのか。アホだろあんたら。
 ここらへん、本作ならではの趣向がもう少しあれば、次作にもっと期待できたと思うんだ……。

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2011年12月03日

映画 けいおん!

[75点]@新宿ピカデリー

 本当は、2週目くらいに人の波が落ち着いてから見にいこーぜ! などと、友人と話していたのだけれど。
 なんか3日くらい前からみょーにテンション上がってきて、下のエントリ勢いで書き上げて、気づいたらピカデリーの初日、スクリーン1の初回をぽちってた。せっかく見るんだったら、でっかいとこで見たいじゃん! ねぇ!
 ちなみにその友人は、カウントダウン上映に出張っていたことがその後発覚した。


 で、見終わって、よい意味ですっかり醒めている。
 まったく望まれる姿の「けいおん!」があった。先輩組から見たアナザー最終回を、ファンが喜ぶとおりに作ってあって、最初っから最後までおっさんはニヤニヤしっぱなしである。ただ自分は、あずにゃん党員で、かつ、ゆいあずでなくマイナーなういあず派に属しておるので(汗、いちばんニヤニヤしたのが「卓球」であったことを付記する。馬鹿かオレ。

 逆にいうと、「劇場版ならではの」なんという意気込みはいっさいみられない。マクロスFみたく、映画だからできるスゴイもの、に期待すると死ぬ。映画好きとしては物足りない、アンビバレンツで立つ瀬がない感じはちょっとある。

 予告編だけだと、卒業旅行がメインでそのままクライマックスになるかにみえたのに、そんな「特別なこと」が想像以上にあっさりと終始する(スタッフが実際にした旅行をそのまんま落とし込んでいるとしか思えない!)。
 そして、その後の教室→部室と続くライブの方で「ちょっとした変化」を見せる。その方が、彼女らの生活を見届けてきた我々の心にきりっと届くのだと、作り手はちゃんと知っている。
 そして「終わり方」。映画的な作法に従うなら、「天使にふれたよ!」に重ねてエンドロールだと思うのだが、この映画はかたくなに「けいおん!」の作法を守るのだ。

 もちろん制作側が意図した造りであろうし、どっちかというとスクリーンではなく、テレビ版そのままの流れで、お茶飲みながらリビングで見ることを想定しているんだろう。
 この映画の「正しい見方」があるとすれば、DVDを1期初回から2期23話までを一気見した後に、脇目もふらず劇場に飛び込むことだ。


 小ネタはいつも通り充実。よもやの両親登場とか、予告でいちばんインパクトのあった「解散の危機」がまさかツカミとは。ちゃんちゃらおかしい(笑)ゼ!

 ……それにつけても琴吹家は、海外に別荘を買うんだったら、娘に英会話の素養くらい身につけさせるのが先ではないだろうか。つか、なぜかキーボードを据える交渉はできたようなので、「みんなに合わせてできないフリをしている」という解釈の方が面白いかもしれないね。
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タンタンvs.けいおん!

 12月初週の興行成績ランキングは、普通に考えれば、「タンタンの冒険」が「けいおん!」に差をつけて1位になるはずである。この二者のどちらが優位か、ブックメーカーがもしオッズをつけたら、1:100くらいつくだろう。
 どっちが上とか言う以前に、ご存知の方も多いと思うが、「公開初週の興行成績」には、先行上映分も含まれてかさ上げされる。1日公開の「タンタンの冒険」の方が上映回数が2日分多いのだ。
 (ちなみにこの下は、層の違うRAILWAYS と前週首位の怪物くんが争い、二者の争いには入り込めないと思われる。)

 でもちょっと気になることが。
 自分、12月1日が休みだったので、初日にタンタン見たんですよ。
 映画の日ですよ。1000円デーですよ。TOHOシネマズ渋谷、リニューアル当日ですよ。これといった特別なことはしてなくて、平常運転だったけどね。
 ちなみに、3D映画はピカデリーとバルト9が1000円デーを適用しないので、東京西部在住者がタンタンを見るならここがベストなんだ。
 びっくりした。平日昼とはいえ。3分の1以下の入り。ちなみに席数は230で、東京都心部としては心許ないレベルの箱でこのありさま。
 直感として、あれだけ宣伝を打ったわりには、「通常のハリウッド大作映画」ていどで終わりそうな感じ。「アバター」ほどのヒットにはならないとみます。
 なお、「タンタン」を作品としてくさしたいわけじゃないです。期待以上のものは見られたと思ってます。感想はまた後日。


 さて、MovieWalker の表示をそのまま信じると、タンタンの公開館数は886、けいおんの公開館数は136(ちなみに館数だけなら RAILWAYS の方が多い)。ただし、タンタンは字幕、吹替、2D、3Dの組み合わせが別カウントにされるので、実際にはこの三分の一〜四分の一。だいたい、倍の差があると思ってよさげ。

 問題は、各館で使うスクリーンの座席数と、上映回数。
 両方を上映する館での賢い対応は、席数最大のスクリーンをけいおんに割り当て、字幕/吹替/3Dで分散させられるタンタンを次善のホールを複数割り当てるというパターンだろう。

 松竹陣営は完全に、タンタンを蹴飛ばす算段。新宿ピカデリーは席数の多いスクリーン1をけいおんで独占、2と3も振り向ける体制。2と3のうち、けいおんでない時間帯は怪物くん、あと席数の多いスクリーン6は初日の RAILWAYS に。
 各MOVIXも、ちょっと話題になった京都の1日15回上映という荒行を含め、完全にけいおんシフト。

 面白いのは TOHO シネマズの対応で、ここは、怪物くんをケアしないわけにはいかないので、3D上映のできる大きめのスクリーンを割り振らざるをえない。各館で「けいおん・タンタン・怪物くん」にどう比重を置くかが違っていて、見比べると面白い。

 加えて、この土日はどうやら天候が悪いようだ。
 槍が降ろうがやってくるファンは、けいおんの方が多いのは明らか。


 そんなこんなで、土日のタンタンの稼働率が6割とか7割だったりしたら、上映日数差を覆してけいおんの大金星……なんてことがあったりなんかしちゃったりなんかしちゃったりして。
 少なくとも、本当にブックメーカーがオッズ出してきたら、けいおんにはってみたいところではあります。

 というわけで、なんかオラすっげぇワクワクしてきたんだけど、ここらへんきっちりレポートしてくれてた「映画館ブログ」が閉じちゃったんだよなぁ……残念。このためだけに文化通信の購読者になるつもりもなく、結果をソース込みで知れるサイトって他にどこかないでしょうか。


<<12/5追記>>
結果 : 怪物くん>けいおん>タンタンでした。
タンタンがコケたことより、怪物くんが初動で6億近くも稼いでいた事実の方がビビったよ!
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2011年12月01日

UN-GO -因果論-

[60点]@TOHOシネマズ川崎

 1クール13話のつもりで週アニメの準備を進めていたら、よもやうっかりで全11週のノイタミナ枠を引き当ててしまい、プロローグ2話分を劇場公開するというアクロバットに出た作品。
 ……という理解で正しいと思う。
 本放送でラスボス的なポジションに立つであろうキャラが登場したところに合わせて、「そのキャラと既にやり合ってます」という内容を公開してくるというタイミングはうまいなー。


 今期のアニメでは出来のいい部類に入ると思ってます。(いちおう)推理もので、過不足なく情報を詰め込む技術が感服するデキ。脚本の会川昇の実力でしょう。
 評価が高まってきたせいもあってか、限定2週公開で需要を満たせたのか、と思うくらいの混みっぷりでした。キャラデザの高河ゆんの威光か、客層は女性の方が多かった気がするんだけど、あの中の何人が坂口安吾を知ってるんだろうか。

 ただこの映画というプロローグがよかったかというと……ネタがここまで超能力に走ると、もはや西尾維新の世界ですな。「因果」の由来を語る単体エピソードとしては面白かったですが、本放送の今後の面白さの方を減じてしまった感が残ります。

 主人公が坂口安吾的なニヒルな魅力を持つのは、あくまで「戦争に直面した経験」というベースがあるからだと本放送で示唆しているのに、当人は実は戦争してないという超どっちらけ感をなんとかしてください。
 それに、プロローグがこれだけなんだったら、何で彼は「敗戦探偵」などという異名を持つに至ったのだ?



 ところで、勝地涼が主演のアニメ映画って……以前どっかで見たよなぁ……えぇっと……

 ああ、……これか……。

 でも勝地涼はこれからも声優で食っていけばいいと思います。あの醒めた感じの声、わりと好き。
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