2018年05月25日

ランペイジ 巨獣大乱闘

[前半50点][後半80点]@チネチッタ

 わはははは。いやあ、爽快。

 似たシチュエーションながら、「キングコング」以上に人間がバカでザコな作品です。かの作品はその点がテーマっぽくなってて、人間の弱さに意味がありましたが、本作は違います。ただただ、人間がクソでカスでアホで無能で虫ケラ同然なのです。もう笑うしかねえ。……いやまぁ原作ゲームからしてそういうノリなんだけど。「キング・オブ・ザ・モンスターズ」とかもやったっけなぁ。

 ただし、ドウェイン・ジョンソンだけは獣側の存在です。そりゃそーだロック様だもん。あの人を、そこらの人間と一緒にしちゃいけない。そこに説得力がありすぎるのも素晴らしい。


 ひたすら人間側のクソでザコい芝居を見せられる前半は、ちょっとぬるいです。ていうか、前半でいろいろネタ振りしてくれたキャラ群が、後半には登場すらしないのも、人間がいかに役に立たないかというクソザコっぷりの一環として描写してるんだと思います。
 面白くなるのはシカゴ市街地に入ってから。クライマックスの四大怪獣大乱闘はもはや感動すら覚える域です(三大の間違い? いやいや、だからロック様は怪獣の側だってば)。何も言わんと頭空っぽにして口ぽかーんと開けて、怪獣プロレスを堪能してください、そういう映画です。

 なお、吹き替え版で鑑賞。若本規夫が若本規夫であるというだけで、人類のお間抜け感が強調されるナイスキャスティング。
 あと「雪崩に乗るようなもんだ。わかるな?」からの「全然わかんない!」がすばらしかったです。


 ……それにしてもあのワニ、どうやってメキシコ湾からシカゴに移動したんだ? と思ったら、ミシシッピ川って支流がシカゴのすぐそばまで来てて、運河で五大湖と繋がってるのか! これは初めて知りました。

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2018年05月24日

仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判

[65点]@新宿バルト9

 いやぁ……まずこの作品について言っとかなきゃいけないことはね……。
 この作品のテレビシリーズはもともと「大人向け」で企画されててね……最重要の設定が「食人」でね……グロ・残酷描写がキツいってんで、Season2は地上波放送すらされず、自分も総集編劇場版「輪廻」で補完したんですよ。

 その劇場版が、なんでレーティングG(全年齢対象)なんですか?

 よっぽど抑えて興醒めなモンになってんのかなぁと高くくってたら、直接的な表現はいちおう避けつつも、テレビ版とあまりノリは変わってませんでした。アツく激しいストーリーは、僕にとってはよかったですけど、つまりアレを「仮面ライダーの新作だ」と思って見る子供、見せる親がいる可能性が高いってことですよ。
 トラウマ確実ですよ。マジでレーティング機関って何のためにあるんですか?


 しかも、「ブレイブストーム」「マジンガーZ」と同じく、TOHOシネマズはMX4Dのみ、それも午前〜日中ばかりの上映。ユナイテッドシネマも半数が4DX。イオンシネマシアタス調布に至っては、通常上映のみなのに10時14時16時の3回上映。
 主ターゲットであろう、リーマン層が見られる時間帯の上映の方が少ない有様。ちょっとこれは関係者の見識を疑います。


 見識を疑うといえば、そういう深夜放送or配信オンリーの番組の劇場版をレーティングGやアトラクション上映でやる、つまり「観客の大半は新規顧客」と想定しているにもかかわらず、何の設定説明もあらすじ説明もなしで始めるって馬鹿ですか?
 テレビ版見てた人は、仁さんが登場した瞬間に、あ、仁さんや、なにやっとんねんあんたー! とか思ったろうけど、初見の人は、アレが何のステップも踏まずいきなりアマゾンアルファになるの、絶対ぽかーんとして見てたと思います。



 で、まぁ、内容なんですけど。
 今回は「監修」になってるけど、元々小林靖子のお仕事ですからね、エグいのはもうしゃあない。
 人間の進化形であるはずで、「別の生物」であるアマゾンが、人間に害をなすという理由で駆り尽くされた結果「家畜化」するという、なかなか衝撃の展開。
 屠殺される牛や豚がしゃべれたら何を言うか? という昔からある問題提起を、いろいろ積み上げてきた果てにこういうふうに持ち込まれると、なかなかキツいです。
 そして、69番ちゃんが、屠殺でなく生存を望む理由を、きれいごとだけでなく誰もが納得のいくところに落とし込んだのはうまかったと思います。


 そこらへんはうまかったですが、この作品って演技的には、とかく仁さんひとりの気迫で全部引っ張ってて、それにハルカくんが食らいつくようについていって、どうにかかたちになってた、っていう印象があります。
 仁さんの存在感が圧倒的なので、だからそのパートナーである七羽さんが、悲しくも「メインヒロインにならざるを得なかった」のではないですか。

 だから、ストーリー上も演技力的にも、とりあえず綺麗どころおいときゃいいや、以外の存在理由がなく、クソの役にも立たないまんまの美月なんてさっさと切り捨てるべきだったと思うんですが、最後まででかい顔してたの何なんですかねアレ。
 マモルくんが舞台を去った以上駆除班にも存在理由ないし、「Season2 における駆除班の立ち位置」でしかない4Cも存在理由がない。なのにわざわざ目配せをしなきゃいけなくて、クライマックスにまで割り込んでくるのは邪魔でしかありませんでした。

 最後に「黒幕」を始末する顛末も、そうした目配せの結果でしかないのは残念。「一線を越えたオメガ」に介入させた方がきれいにまとまったと思います。そしてそこで、母ちゃんと何かもう一押しドラマが用意されてて欲しかったです。


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2018年05月21日

短評(ガンダムORIGIN6/ゴジラ決戦機動増殖都市)


機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI -誕生 赤い彗星-
[80点]@新宿ピカデリー
 第一章第二章第三章第四章第五章 。
 ようやく完結。面白かったです。
 いきなり、宇宙艦隊戦なのに弾丸の装填すら描き込むような緻密なクライマックスから始まって、そこからファーストにつながるよう完璧にまとめきってきました。……なればこそ、今回ばっかりは、前回と併せて2時間半一本の作品で見たかったと思いますが。
 しかし、本気で平和を希求してたのがデギン公だけというオチは滑稽でありつつ、そうした滑稽さを「戦争」に織り込んでむしろリアリティを上げてくるのが、安彦良和の手際だなぁと思わされます。


GODZILLA 決戦機動増殖都市
[65点]@ヒューマントラストシネマ渋谷
 第一部
 いよいよ虚淵玄が本領発揮で、物語のぶん回し方はめっちゃ好き。花澤さんがまさかちゃんとヒロインするとは。ただ、あのぶん回しを見て、オチは「ゴジラとナノメタルが融合して真メカゴジラになる」だと思ったんだけど、それもしかして次回?
 ひとつ言えるのは、ゴジラは三部作とかにしちゃいけないということ。だって倒せないか倒しても前回みたいなオチになるの確定してるんだもんねぇ。画面の大きさが変わらない以上、そうしたって意味ないのに(特に本作は比較となる構造物がないし)。「増殖都市」の方も「増殖」がうまく映像表現されず(都市そのものがゴジラに襲いかかるようなの想像してた)、「迫力の攻防」という点では劣化した印象です。

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2018年05月16日

モリーズ・ゲーム

[65点]@TOHOシネマズスカラ座

 あえて日比谷でなくスカラ座と書く。

s-TOHOシネマズ日比谷.jpg

 ……ホント、こんな案内をWebに出す時点でこっぱずかしい話ですよね。あの3階にある金かけたエントランス、なんなんだよ。



 さて、ポーカープレイヤー待望の映画。セレブ向け違法ポーカールームの運営に手を染めた女性モリー・ブルームの実話を映画化。

 ……だったんだけど。

 何しろ「ソーシャル・ネットワーク」脚本のアーロン・ソーキン初監督作かつメインプロットが法廷劇ってことで、「モリーと弁護士との会話をめっちゃ饒舌に見せます」という趣向でした。

 ポーカー趣味からの視点でいくと、ハーランがティルトするシーンは面白かったけど、そこまでにテキサスホールデムの手札2枚共通札5枚のルールを説明してないので、知らない人には「ふぅん、そうなんだ」くらいにしかならないと思います。
 ってか、あのシーンだけポーカー実況チックに描写するんなら、ちゃんと勝率まで表示すりゃ、あのシーンでハーランがどれだけ酷い負け方をしたか一目でわかるのに(98%勝てるシーンで残りの2%を引かれている)。

 その他、ソーキン監督的には「アホみたいにカネが飛び交う狂騒(あるいはその中で主人公だけは理性的にクレバーに立ち振る舞うこと)」が描けりゃポーカーでなくてもよかった感があって、「ポーカーは運でなくスキルゲームである」なんてセリフは「アリバイ作り」的な印象しかありません。

 しかしながら、アメリカ映画で「アホみたいにカネが飛び交う狂騒」ってわりとありふれていて、その意味ではむしろ地味で尖ったところはなく、埋没してしまったように思います。

 また、この「モリーズ・ゲーム」という作品が注目を浴びたのは実名暴露があったからで(ハリウッド俳優の「プレイヤーX」=トビー・マグワイア)、映画でそれを晒せなかったのは権利か法律かあちらの事情だと思うんですが、そこらへんのスキャンダラスなイメージにはむしろソーキン監督は抑制的で、あれだ、同様に脚本を担当したスティーブ・ジョブズ」の、「おもしろいけど見たかったのはソレジャナイ」感はここにもありますね。

 せめてヒロインが魅力的なら……と思えど、いやまあジェシカ・チャスティンには十分に魅力があって、体張った演技なさってるんですけど、失礼ながらもう40代の女性に「22歳から12年間」を演じさせるのはいかがなもんでしょうか? いやもう初っ端からトウが立ってて見ててキツかったです。絶対にこれジェニファー・ローレンスの仕事。

 あと、本作は、例によって日本公開側にやる気がない。字幕が見るからに足りてないのはソーキン節だからしかたがないかもだけど、それこそパンフレットで補足してくれ。テキサスホールデムやスポーツ賭博や、それらに対する法制度について一文字も解説がないのはどういう了見だ。

 最後に、ひとつだけ、この作品で「ああ、まったくその通り」と心底膝を打ったセリフがありまして。
 「ロシア人は超ルース」  ……ホント、ヤツらのバクチは頭おかしいんだぜ。 

 

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2018年05月02日

短評(タクシー運転手/アベンジャーズIW)


タクシー運転手 -約束は海を越えて-
[50点]@チネチッタ
 韓国にしては珍しいタイプのバディムービーのような宣伝だったし、実際作り手の意図はそうだったんじゃないかと推察するけど、先に進むほどに例によって「情に訴えるためなら史実どうでもいい」系の、いつもの韓国娯楽アクション歴史映画の様相が色濃くなっていきます。まぁご当地ではその方がウケがいいのでしょうが。
 とりわけ、「封鎖ってなんだっけ」と思わされるラストのカーチェイスはドン引くくらいの蛇足。「軍人は100%悪党」みたいなファンタジー表現をうまく切り返した直後にやらかしたので、ホントに落胆が大きかったです。ここらへん、日本にもよくある「プロデューサーが引っかき回した感」が強いです。
 80年代光州の再現に関してはすごくリキが入ってるのがわかるだけに、非常にもったいない作品に思えます。

 中盤、主人公がいったん帰途につく重要なシーンが、意図はわかるのに、凄く唐突かつ矛盾に満ちていて(アレ封鎖の内側で引き返したってことだよね? なんで電話が繋がってるの?)頭が「?」になったのは字幕のせいでしょうか。「神田外語大」って、オイ……。



アベンジャーズ -インフィニティ・ウォー-
[55点]@MOVIX昭島
 もとからあまり期待はしてませんでした。だっていくら何でも登場人物が多すぎる。あれだけのヒーローたちに、それぞれ見せ場を作って面白く仕立てようとか、無茶にもほどがある。
 で、「残念」とか「がっかり」とかいう感想が漏れ伝わってきたのでさもありなんと思っていたのですが。……全然別の方向でやらかしやがってました。
 数あるヒーローを絡め協調させるという点では、むしろうまいことやってるんですこの作品。複数のヒーロー織り交ぜてのアクションは、相変わらずキレキレですよ。
 問題は、そのうまさが、物語を受け取る悦びにつながらないって点。というかこの話、そもそも「アベンジャーズ」じゃねぇという。
 「スーパーヴィランサノス様」とその仲間たちが、故郷を捨て愛を振り払ってでも自らの正義を貫き覇道を突き進むのが最も重要なストーリーで、その過程でなんやよう知らんザコヒーローどもが姑息を弄してわらわら突っかかってきて非常に邪魔くさいです、と……。
 そんであの終わり方ですよ。どうすんのよ。
 物語上は、あんなトンデモストーンがある時点でなんとでもなるでしょうよ。でもその「なんとでもなるバッドエンド」のために、向こう数年スパイダーマンとブラックパンサーの続編は企画も立てられないってことだよね。関係者大激怒じゃないんですかアレ。

<追記>
 え、両方とも続編決まってんの? ……それでああいうことすんの? ……バカじゃねぇの? 


 ところで、今回は少し遠出してMOVIX昭島へ。
 ……なんとスタンダードな設計。駅徒歩数分に平屋で映画館だけの棟があって12スクリーンとか、敷地に十分恵まれたのが前提とはいえ、東京都下にでこんなシンプルリッチなところがあったとは。
 いちばんご近所なシネコンが強豪立川シネマシティというのが辛いところですが、がんばってほしいものです。



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2018年04月24日

レディ・プレイヤー・ワン

[75点]@新宿ピカデリー

 「俺はガンダムでいくぜ!」
 ……予告編に出てきた影、あれマジでガンダムだったんだ……アメリカだからロボテックだとばっかり……。ただ個人的には、原作では「ウルトラマン」だったそうなので(だから怪獣を倒す為に登場する&時間制限がある)、そっちがずっとよかったと思う……。でも海外では版権で揉めてて使えないんだよね(とか書いてたら円谷プロ勝訴のニュースが……もう少し早ければ映画に登場できたのに!)
 アイアン・ジャイアントも原作ではレオパルドンらしいし、これはむしろ原作を是非読んでみたいところ。

 それにつけても、日本のオタクカルチャーをクールだと親しんでくれた海外の最初期世代の人たちが、いよいよ作る側に回ってきたのだと考えると、感慨深いです。
 というわけで、デルトロ監督のパシフィック・リムに続き、今度はスピルバーグ監督がオタク魂を爆発させ、隅から隅までネタで埋め尽くした一本。「クォーター」の使い方が絶品!


 VRサイト「オアシス」の運営権の争奪戦だと聞いていたので、もう少しビジネスライクでシビアな話かと思ったら、想像よりずっとコミカルで、かつジュヴナイル寄りな内容でした。
 バーチャルサイト内部だけでなく、現実側のドラマも充実しているのがいいですね。悪役ソレント氏の、老獪のようでどこか抜けている憎めない悪辣さが、この若々しいストーリーをひときわ魅力的にしていたと思います。パスワード貼っておくなよ!

 ……それにしても、いわゆるライフログが全部網羅されてて、何月何日にどんな映画見たかまでわかっちゃうって、その管理をしてるモロー氏はいったいどんだけストーカーやねん。


 ただ、いつも思うのだけど、こういう過去のカルチャーをネタとして消費して、それを知らないと楽しめない作品は、「ピクセル」のように完全に物語に組み込んでいるようなタイプでない限り、あまり持ち上げたくないのがホンネ。本作も、基本線は単に「ハリデーの過去の思い出をなぞる」だけでそれ自体は手垢のついたような内容だしなぁ。
 それに、仲間が全員若者で、かつ、若くてもナードだったらカルチャー全部網羅してるから(この世界では)最強キャラ、っていう設定も、ちょっと違和感があります。そのくせ最終的に「別にナードでなくたっていいんだぜ」的なエンディングは、妄想全能感が強すぎな気が。なろう小説じゃないんだからさ。


 しかし、これが出た後に、ソードアート・オンラインがハリウッドで実写化かぁ……最初から本作のコピーキャット的な狙いかもしれんけど、出遅れましたね。



 あと、恒例のベストテン企画が始まってますが、さすがに今回はムリですね……
 お酒が出る、よりも、酔っ払うと脇が甘くなるお姉さんキャラが出る映画が見たいです。

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2018年04月23日

リズと青い鳥

[80点]@新宿ピカデリー

 衝撃的。
 「たまこマーケット」から「たまこラブストーリー」への転換もすごかったけど、「響け! ユーフォニアム」のスピンオフたる本作は、もっと抑制されています。何しろ「現実」シーンはすべて「学校内の映像」で、最後まで学校の外に出ない!
 それでも90分を保たせる山田尚子監督の豪腕! 

 ファミレスに行くとかプールに行くとかお祭りに行くとか、セリフでは出てきます。しかし映像には出てこない。
 黄前・高坂コンビが主人公である過去シリーズでは、そうした「外の世界」との関わりも重要で、だからこそふたりは、本作の中盤で、本作の主役両名ができないことをいともたやすくやってのけます(このシーンは、それを聞いてる他の現三年生組の反応も含めて重要だと思うので、過去シリーズ見てないと理解しづらそう……一方でシリーズ知ってると、部長がちゃんと部長してる成長ぶりがなんか可愛い

 でも今作の主役、みぞれと希美にはそれができない。狭い世界でお互いがお互いを籠の中に閉じこめている。
 そうした「わかりやすい立ち位置」を示した後に、ほんのわずかな関係の変化を積み上げていく。それも、所作がより饒舌となるように。監督は以前から「脚」で表現するのを得意としますが、本作はもうほとんどソレといってもいいくらいのフェチッぷり。女の子のみずみずしい一挙手一投足に、まさしく目を留まらせ、きちんと伝わるように関係を編み上げていく……このこだわりは、はじめから会話なしの心情表現が主体だった「聲の形」すらも置き去りにする域に到達しています。
 しかもこういう作品につきものの「感情の爆発」がちゃんと「響け! ユーフォニアム」の強みを活かしたみごとな方法で……あぁ、そうくるか、という……。


 丁寧な作品なのでちょっとだけ引っかかった点。
 ここで使われるような「掛け合いの楽曲」って、どちらがどちらの役であるのか、きちんと把握させてから練習にかかるものじゃないでしょうか。滝先生って、そこらへんをおろそかにする人とは思えないんだよなぁ。



 日本映画界は、そろそろ山田尚子監督に実写を撮らせるべきだと思います。きっと「日本映画」を撮り切ってくれる。
 ただ個人的には、また「けいおん!」のような娯楽アニメ路線に戻ってきて欲しいとも思うのです。天才にその才を追究させすぎると、だいたい日本の映像作家はろくなことにならないので……。



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2018年04月18日

パシフィック・リム アップライジング

[75点]@ユナイテッドシネマアクアシティお台場

 いやはや今回は、バトルシーンの見映えが段違い。凄かった。
 前作と異なり、ほぼすべて陽光の下なのが素晴らしい。これだけでホント、「ごまかしがない」感じで、没入感が格段に上がった感じがします。
 バトルのパターンも多彩で、かつロボットもののツボを押さえていて、「無人機作ったら敵に乗っ取られた」「敵が合体して巨大化」みたいな王道展開が次々来るのでアガるのなんの。
 総じて「バトルの映像」に関しては、ここまでやられたら日本のアニメ・特撮かたなしだよね、という良い意味での絶望感がさわやかです。


 ただストーリーはな……前作と比べて、設定の練り上げ、伏線とその回収、どんでん返しといろいろ工夫はありますが、面白いと感じた部分はほぼすべて、前作でサブだった博士両名のパート(というかあの中国人社長か。レジェンダリーいま中国資本だもんな)にあって完全にメインを食っており、肝心の主人公の成長がイマイチくっきりしません。
 ジョン・ボイエガの過去の蹉跌も、ちゃんと映像で作り込むべきだったと思うなぁ。


 そしていちばん問題と思うのは、「キャラ増やしすぎて全員に目配せができない」という現代日本アニメの悪癖も踏襲してること。
 キャラの属性を増やしたいだけのアニメと違い、本作の場合、純粋に国籍・人種の多様性を確保したい事情はなんとなくわかるのですが、さすがにあの投げっぱなし候補生どもは擁護できない。せめてあのロシアっ娘には、きちんとサブプロットと見せ場を与えて欲しかった。
 ロボットも複数登場してるけど、中国とロシアが噛ませだった前作同様、本作もジプシー・アベンジャー1体(とスクラッパー)だけで、物語上は事足りてしまってます。

 ラストの怪獣3体に、見た目にも「性能差」をきっちり出して表現し、味方ロボット側も、それに対応する性能を持つ機体で対決する、というのがセオリーのはずなのに、そこが伝わらず双方「単に数増やしただけ」になっているのはいただけない。
 ネトフリかアマゾン行けば個別に活躍するスピンオフが用意されてるのかもしれませんが、本編のクライマックスを見ながら「そういうの作ってるんだろうなぁ」とよそごとを思わされるのは、ちょっとね……


 なお、「東京が東京に見えない」「東京と富士山近すぎィ!」という意見が散見されますが、本来の東京は芦田愛菜のときに壊滅しているはずなので、「あれは第三新東京市」という見解を自分も支持します。


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2018年04月17日

ダンガル -きっと、つよくなる-

[75点]@渋谷シネパレス

 「きっと、うまくいく」のアーミル・カーンの新作。便乗だけど、いいタイトル。
 インドの女子レスリング第一人者であるギータ/バビータ姉妹と、ふたりをスパルタで育て上げた父親の話。
 物語は英連邦限定のコモンウェルスゲームスまでを描きますが、ギータは後にインド女性初のオリンピック代表となります。「女子レスリング初」でなく「女性初」です。ふたりの活躍が、どれだけインドの女性社会とスポーツ振興に勇気と影響を与えたかって話ですね。

 序盤のスパルタは、先進国基準では「完全に虐待」なのでちょっと引いちゃうのが難点なんですが、しかしそれですら、道具扱いされるインドの農村女性にとっては「父親がそこまで娘に入れ込むこと自体がレアで、愛情のなせる行為」と明らかにして、衝撃を与えてきます。


 表現規制が厳しいインドでも、レスリングならあそこまで「男女組んずほぐれつ」を描写してもいい、というのはちょっと意外でした。史実ではあの「甥」にあたる人物は「姪」だったそうなので、これアーミル・カーンは、意図的に表現上のチャレンジとしてやってるんじゃないでしょうか(チャレンジと言えば、アーミル自身の肉体改造も凄い)

 もっとも、そのレスリング描写が迫真にして圧巻で、有無を言わせない感が素晴らしいです。投げるシーンとかホント美しく撮り上げられています。日本レスリング協会が全面的に推してるのもわかる気がする。


 姉妹が袂を分かってからの展開が、また激アツ。わかりやすく悪役に仕立てられたナショナルチームのコーチはちょっとかわいそうですが、娯楽としては実に正しい。
 逆に、「とーちゃんに頼らなくてもやれる」結論が必要だったとはいえ、ラスト直前、とーちゃんが引き離される展開は、娯楽にしてもちょっと雑だった印象。あれは騙されて閉じ込めるのでなく、本当にインドのレスリング協会の偉い人と会い、今後の振興について激論を戦わせる、というのがよかったと思います。
 遠くから「国歌が聞こえる」で勝利を知るのはうまかったですが……。




 ところで、渋谷シネパレスが閉館だそうです。あぁ、また渋谷の映画館の灯が……と思ったら、いったん閉館したシネクイントが移転してくる(つまりパルコによる買収)だそうです。シネクイントが再開する話は聞いてたけど、まさかこういう形とは。



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2018年04月11日

短評(ヴァレリアン/ジュマンジ)


ヴァレリアン -千の惑星の救世主-
[70点]
@TOHOシネマズ日比谷
 フランスでは著名な古典バンド・デ・シネSFの、リュック・ベッソンによる映像化。
 ストーリー的には変にややこしいというかツッコミどころが多いというか、特に「なぜアレが政府資産てことになってて、かつヴァレリアンが事情を理解した後になっても政府の依頼を優先しようとするのか」がまったくわからんです。ここのやりとりをクライマックスにやるので、ちょっと後味が悪いですね。
 もっとも、本作ではそれは些末で、「イマジネーションの洪水」と呼ぶべきめくるめく冒険行を楽しむタイプの作品。ここらへん、ベッソン流のハッタリの効いた映像美はまさしく円熟の域です。冒頭のいかにもアートな惑星に始まり、VR世界、宇宙空間、果ては海にも潜る縦横無尽な感覚は「ワンピース」っぽくもあります。

 あと、ヒロインのローレリーヌちゃんの絶対的ヒロイン感もすばらしい。アレは口説く。口説かなきゃ始まらない。ベッソンさん好きなんだからもう。



ジュマンジ -ウェルカム・トゥ・ジャングル-
[75点]
@109シネマズ二子玉川
 いいね! 本当に、面白いとか傑作とかそういう言葉より、「いいね!」ハートがピコーンとつくのが似合いそうな、そんな作品。
 4人の高校生が閉じ込められる「ゲーム」が、ゲームに徹しているのが良いです。最初に大雑把なゲームシステムと、各キャラの「スキル」と「弱点」が提示され、それらがいつどんな状況で使われるかがストーリーの肝で、大げさな中身はありません(それが逆に物足りない人もいるとは思いますが)。
 テキトーな導入でいきなりゲームスタート、ライフが3つ、ミスったらライフひとつ減る、復活時無敵(これ重要!)、3回ミスったらゲームオーバー、そんなファミコン時代のゲームでも、プレイを通して、僕ら確かにちょっとだけ成長できるはずなんです。そこを無邪気に信じてる感じがとても良い。
 この作品でも、4人の関係は少しだけ、物語としてはごく単純な変化をとげます。過剰な説明や深読みする部分は一切ありません。これくらいシンプルなお話こそ今は求められていると思えます。

 そしてその「高校生の初々しい変化」を、ロック様やジャック・ブラックがマジ顔でやらかすので笑えるったら。
 ホントに、ジャック・ブラックの怪演はスゴすぎですよ! あの巨体がマジで女子高生に見えてくるんだから。冗談でもなんでもなく、かの演技が賞レースに加わっていないのは、ちょっとおかしいと思えるレベル。



スクール・オブ・ロック (字幕版) -
スクール・オブ・ロック (字幕版)
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2018年04月06日

ウィンストン・チャーチル -ヒトラーから世界を救った男-

[85点]@TOHOシネマズシャンテ

 ジョー・ライト監督、渾身の大傑作。

 ……が、いかに傑作かは「解説が必要」で、必ずしも万人向けではないのは確かです。そこらへん、触れてくれるかと思ってパンフも買ったのだけど、全然書いてなかったですね。
 だとすると、「美化されすぎじゃね?」と思う人が多数派じゃないかと、少し悔しいです。


 ……ちょっとネタバレ多めなので、少し離します。



ヒトラー 〜最期の12日間〜 (字幕版) -
ヒトラー 〜最期の12日間〜 (字幕版)

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2018年04月02日

トレイン・ミッション

[65点]@TOHOシネマズ日比谷

 リーアム・ニーソン演じる主人公は、電車通勤のサラリーマン、リストラされたことを女房に言えずに毎日出勤してるフリ。そこから始まる通勤電車内限定シチュエーションサスペンス……って、これがなぜ日本映画じゃないんだよ! と叫びたくなる一本。新感染といいこれといい、日本が真っ先にやらなきゃいけないネタをよそに持ってかれるのは、どうなんだろう?(もしかしたら60年代くらいの刑事物でやってそうにも思うんですけどね)
 ……といっても、そこで「元警官、だからターゲットにされた」という設定がついちゃうのがハリウッドなんだけども。

 んで、ハリウッドなら面白くなるかというと、ストーリー的にはムリありすぎです。犯人側がなんであんな七面倒くさいことをしてるのか、またFBI側がなんであんな場所を使うのか、さっぱりわかりません。
 「ことを絶対荒立てたくないんだ!」みたいな強い意志があるならともかく、ヴェラ・ファーミガさんは「ほーらあなたのせいで人が死んだのよぉ」とかサイコなことおっしゃるわけでな……。
 「外部と連絡を取らせない」理由付けが、シンプルだけど、この限定状況にあってはなんかわざとらしいので、原作とかあるなら80年代なのかも? それくらいの古いセンスだとしたらなんとなくわかります。

 結局、電車暴走(複線ドリフト!)、黒人車掌の無駄死に、車中籠城からのSWAT登場……と、いかにもアメリカンな展開で絵面が派手になってからの方が、断然緊迫感があって面白いです。うむ、やっぱアメリカ人に「通勤電車」をネタにするのは無理なのだ、日本でリメイクしろ!

 日本なら、「Maxたにがわ」あたりを使うと、かなり似た話がつくれそうに思います。最終的なドンパチはガーラ湯沢でやるわけさ!



新感染 ファイナル・エクスプレス(字幕版) -
新感染 ファイナル・エクスプレス(字幕版)
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2018年03月30日

TOHOシネマズ日比谷


 満を持してオープンしたTOHOシネマズの新旗艦、TOHOシネマズ日比谷。初日に行ってきました。

 4階がすべてTOHOシネマズ。多層構造ではなく、1フロアで11スクリーンに行ける作りです。
 1000人収容のホール作ればいいのに、的なことを以前書きましたが、新宿もそうですが、高層ビルの下層で、複数階分の高さを使ってシネコンにする、という構造だと、「高さ的に」1000人規模のホールは作りにくい、ってことに気づきました。そう考えると、500人程度で最大、というのは、限られたスペースにきちっと収めるひとつの解なわけですね。

 そう考えると、東京ミッドタウン日比谷の4・5階をすべて使い、6階より上層への道筋も使って作り込まれたロビーは、広く、休憩場所も多く、スクリーンへの行き来もしやすく、開場案内のディスプレイもわかりやすく、超快適。
 プレミアシートとかあるスクリーン1は見てないけど、館内に限っていえば、さすがに本気で作り込んだベストオブTOHOシネマズではないかと。


 ……4・5階のTOHOシネマズフロア内に限っていえば、
な!


 それ以外の率直な印象は、出入りが最も難解なシネコンである日本橋と、最初期のダメ構造シネコンとして名高い(?)109シネマズ木場のダメさを兼ね備えており、「何も進歩していない……」と安西先生のごとき嘆きばかりです。

 何しろ、東京ミッドタウン日比谷のビルを外から見たときに、「TOHOシネマズ」の看板がない。外から見ていちばんわかりやすい大きな看板は元「スカラ座・みゆき座」側にあるので、土地勘ない人はそっち行っちゃうと思います。

 館内の案内板にはだいたいTOHOシネマズの文字があり、「チケットカウンターは4Fです」とことごとく併記されているので、日本橋みたいに「たどり着けないのでは?」と思うことはないですが、1階から4階へ向かう「いちばんわかりやすいルートがいちばん遠回り」です。
 行ってみマジで。衝撃受けるから。なんでこんなぐーるぐーる回らなあかんねんて思うから。
 で、そのぐーるぐーる回った先にエスカレータ3基も連ねた超豪華なエントランスがあるのですが、どう考えてもそこから入る人いないよね。どちらかというと、見終わった後に、レストラン街を回遊させたい、という意図だよね豪華にする必要ないよね?


 いちばん出入りしやすいのは、3基あるエレベーターで1階か地下1階から上がるルートですが、1階にも地下1階にも「エレベーターホール」と呼ぶべき空間がありません。また、他の店・料理屋と完全に共用で、直通とかありませんので映画の客が一気に乗ると超邪魔です。

 なのに、逆に4階には十分な空間があるので、「お帰りの方はこちら」状態。え、「レストラン街に回遊させたい」んじゃねぇの?
 (これは、元スカラ座・みゆき座へ行きやすいという意味では正しいです。ちょっと遠くてフードコート的なエリアを突っ切る必要がありますが、地下で直結しており、案内は比較的わかりやすく、ここはギリ及第点です。)

 地下鉄の駅は地下2階です。ミッドタウン全体として、地下2階の駅コンコース的な部分から地下1階のビル本体部分に入るルートがわかりにくいです。というか、なぜエレベーターを乗り換える構造になってるのか、意味がわかりません。
 もちろん、地下にも、「TOHOシネマズ」がある! とわかる看板は、見易いところにはありません。


 で、最大のウリのスクリーン1でこけら落としにかかってるのが、もう旬を過ぎた「グレイテスト・ショーマン」という時点で、腰砕けるわけですよ。「ミュージカルってゲージツっぽいから」以外に理由が思いつかないんですよ。

 何度か書いてますが、ショッピングセンター併設のシネコンって、だいたい出入口がわかりにくいです。
 が、ここの場合、構造がわかりにくいというより、全体の設計思想において「映画とは本来クッソダサイもの」で、今回作り上げられたオシャレスポットにそぐわないので可能な限り隔離した、としか思えないんですよ。

 「ハイソでソフィスティケイトで意識高い何かを維持すべし」みたいな強迫観念がまずあって、「デートで来て、ショッピングして、お食事して、<ついでに>映画でも見てくのがオッシャレーですよー」というコンセプトで、この建物全体が構築されているのだと確信します。
 「TOHOシネマズ日比谷ありき」が前提でこの設計なのだとしたら、設計者頭おかしいです。

 日本の映画館の象徴的存在であったTOHO日劇、その後継と信じて訪れると、ショックを受けますよ。シャンテの拡張だと思った方がいいですよ。いやマジで。



 でも自分、定期券が新橋までなので、ここがいちばん使いやすいシネコンになるの確定なんです。どうしたものか。



音楽ホール・劇場・映画館 (建築計画・設計シリーズ) -
音楽ホール・劇場・映画館 (建築計画・設計シリーズ)
posted by アッシュ at 17:24| Comment(0) | 映画館覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月25日

短評(ちはやふる結び/トゥームレイダー/ボスベイビー)


ちはやふる -結び-
[75点]
@ヒューマントラストシネマ渋谷
 前2作同様、盤石。
 真島がどんな一線を越えたか全然わからんあたりとか、粗を言い出せばなんぼでも出てくるんだろうけど、例によってキャラの立ちっぷりが激強です。彼らがわちゃわちゃなんかやってるってだけでコメディが成立して、かつ画面が締まる。
 新キャラのすみれちゃんとつくばくんも、すんなり入ってさらっと成長して。部員それぞれに確かに何かを得て前へ進んでいるのが実感できるのに、見ているこちらにはノーストレスという、シリーズ通して現代娯楽のお手本のような作品でした。

 あと、サブタイトルが「結び」だけどその文字はいっさい表示されず、水引だけで表現したのすごく美しかったです。



トゥームレイダー ファースト・ミッション
[70点]
@新宿バルト9
 トゥームレイダーって、いま権利を持ってるのスクエニ海外支社なのね。だからか(いちおう)日本が舞台なんだけど、それを宣伝で隠したのなんでだろ? 戦争がらみのハクソーリッジじゃあるまいし。卑弥呼が悪の女王っていうのを嫌ったのかな? そんなのみんな鋼鉄ジーグで知ってるから(笑)、気にせんでいいのに。
 ただ、「古代日本」というのはアジア市場を考える上ではうまいな、と思えました。当時の記録や文化はあらかた中国由来なので、日本・中国両方に目配せしつつ映像表現はすべて中国風でOKという、ハリウッドにはありがたいパターンでは。

 で、作品ですが、ストーリー的には腰砕けますよ、魔の海域を越ねばたどり着けない絶海の孤島→空路ならフツーにヘリが入れて悪党側は自由自在、っていうんだから。そもそも日本の領空領海をバリバリ侵犯してんじゃネェ! というね。
 でもまぁこれは、細かいこといっても始まらない破天荒なゲームが原作なんだし、基本的に、主演のアリシア・ヴィキャンデルちゃんの超健康的肉体美と、あの手この手で彼女をイジめたおすほぼノースタントのアクションのカッコかわいさを愛でる作品です。そこはもうめっちゃエェ感じに撮っていただいてますので、我々は観音様を拝むがごとくそれらを堪能すればいいのであります。若き日のアンジェリーナ・ジョリー版も見てみたいねぇ。



ボス・ベイビー
[70点]
@チネチッタ
 FOXに見限られた(?)ドリームワークスが、ユニバーサルと組んでの久々の大作日本公開。ユニバーサルになって何が良かったって、どうやらローカライズのスタッフがイルミネーションスタジオ作品と同じになったらしく、安定の宮野真守芸」が復活したってことですかね。……アレ全部宮野真守かよ(笑)!

 で、作品なんですが、アニメーションとしてはホントすごい。超ハイテンポなのに、一部のスキもない。物語上、「リアルと空想を行き来する」シーンがたびたびあるのですが、まったく混乱しません。
 しかし、子供が喜びそうなめくるめくアニメーションなのに、物語としては、明らかに「親の世代」がターゲット……それどころかもっと狭い範囲=人の親か、「弟妹が生まれたときを振り返る余裕のある年齢の兄姉」でないと入ってこないと思うのです(自分はそのどちらでもない)。
 しかも「ボス」という愛らしいキャラに、孤独感や労働観がかなり複雑に織り込まれていて、それらを咀嚼して観賞するにはあまりに忙しい内容です。

 あと、「犬の大量生産と販売」が否定のニュアンスなしに存在していて、かつ、「それを赤ちゃんだけが敵視する」という根幹の設定に、忌避感があるのは僕だけでしょうか。



トゥームレイダー (字幕版) -
トゥームレイダー (字幕版)
posted by アッシュ at 13:13| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月22日

リメンバー・ミー

[80点]@ユナイテッドシネマ豊洲

 予告でやたら聞かされた、主人公ミゲルの声が甲高くてどうもピンと来ず、字幕版の鑑賞。そのほか、音楽主体かつメキシコ独自の文化から構築されたストーリーということで、いまひとつ期待値が上がらないまま見たのですが、その期待値を完全に上回ってきた快作です。
 隅々まで目が行き届いた、進展の丁寧なストーリーで、わかっててもラストには泣かされる盤石なデキ。

 先に難を挙げるなら、序盤の設定説明が例によって豪速で詰め込み感がある、そのわりに長い(それでもメキシコ独自の「死者の国」概念をきっちり説明できてると思う)ことと、音楽主体なのであえて抑えたのだろうけど、魅せるためのダイナミックなアニメーションには欠ける点、あとラストがアレなら、ヘクターとの交流と、逆にデラクルスとの間に生じる齟齬に、もう少し重みのあるイベントが欲しかったですね。


 「トイ・ストーリー3」のチームの最新作、という触れ込みだったけど、やっぱここのストーリーチームは一味違います。
 無駄なシーンがないのよ一個も。なので、画面に対しての集中力が切れません。

 主人公に課題を与える→結果が生じる、その結果にひねりを加え新たな情報を付加して次の課題へ……という流れの繰り返しだけで作られていると言っても、過言ではないです。かといって単調にならぬよう、別視点をうまく織り込み、その別視点でも課題とそのクリアが課せられているので、捨てられるキャラがいません。
 そのうえで、ちりばめられた伏線をビシバシあてはめてのどんでん返しとクライマックス。

 面白い、というよりは、ストーリー、音楽、美術それぞれが、スムースに体の中に取り込まれていくような、コレが本来、大衆芸術の向かうべき方向ではないかと思うような、美しい映画だったと思います。


 同時上映のアナ雪の短編についてもひとこと。単なるサイドストーリーかと思ったら、それが本編にほしかったと心底思うストーリーの補足がなされていて驚きました。そうそう、姉妹の関係にこういう描写があればもっと評価できたと思うよ!
 あと、あの話は明確に「キリスト教圏の話」としてOKなのね。クリスマスという単語を普通に出して、それに関する多様な風習の説明をする、という流れになっています。



トイ・ストーリー3(吹替版) -
トイ・ストーリー3(吹替版)
posted by アッシュ at 17:03| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする