2012年05月18日

コラム


 えーと、
 ソレなんてサマーウォーズ?

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 一般の「前売り券」というシステムが完全に形骸化している中、ムビチケってものすごくいいサービスだと思う。
 しかし、「従来の前売り券が機能してない」という現実を見据えた結果として、なぜ「従来の前売り券より高い価格設定」に落ち着くのか、小一時間問い詰めたいんだけどいいですか。

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 ガンダムUCを見に行く流れで新宿ピカデリーのサイト見てたら、
 まだ「けいおん!!」が日に2回公開であることにびびる。
 あまつさえガンダム公開中は、スクリーン3(中規模ホール)に移すことにさらにびびる。
 しかして、現時点の予約が、同時間帯のスクリーン2の「テルマエ・ロマエ」に匹敵する。
 ピカデリーの読みの正しさと、訓練されたオマエラに敬礼。

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虚構新聞問題に思うこと。

 「中身を書かず見出しだけを並べたツイートの連鎖で広まった」ことが、「公共性の問題」「社会問題」として受け止められ、情報発信者の責任まで追及するような論争になっている事態が恐ろしくてならない。
 「140文字の応酬」を、「正確で信頼しうるコミュニケーション」と肯定して問題視しているのだ。それどころか、「どうしようもない現実」「情報化社会の前提だから受け入れるのが当たり前」といわんばかりの主張が出ていることに絶望と憤りを感じてる。

 140文字で、意図を過たず物事を正しく伝えられる人間なんてそう何人もいるものじゃない。ツイッターで物事が望ましく伝播するようなコミュニケーションが成立する、と考える方が幻想だ。
 それだけのことを常識として共有するだけで、この馬鹿げた論争は終わる。それをリテラシーっていうんじゃないのか。

 現状は、真実とか嘘とか関係なく、「物事を、想いを、情報をきちんと伝えたい」と願うすべての人々───四苦八苦しながら、ふさわしい言葉をひとつひとつ手探りで見つけ出して紡ごうとする表現者たちに対する愚弄でしかないよ。
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2012年05月12日

●REC3

[80点]@チネチッタ

 チネチッタで、初めて本作の告知ポスターを見たときの衝撃、きみ、察してくれたまえ。

 あの続き」じゃない?!

 しかも別の場所?!
 時間的に前?!
 昼?! 屋外ィーーーーっ?!

 マテ。
 待てまてマテ。

 で感染の盲点であり起点となったのは「」だから、他に犠牲者がいる可能性は、それは確かにありうる。
 しかしだ。

 昼の屋外って、この作品のボスキャラ出せないっすよ。
 それに、の時間より前に騒動が起きてたら、1自体が起きなくなりますよ。だって1は「テレビ局のクルーが撮影してる」だから、消防署密着ドキュメント撮ってる場合じゃなくなるでしょ。

 さあ、どう処理するんだ?!

 ( ゚д゚ )!ピコーン

 わかった! 「味方殖やす」フェイズだ!
 2の時点で、「お姉ちゃん対妹ちゃん」なのは確定してても、あのままだとどう考えても妹ちゃんに勝ち目がないもんな。
 今回で、「頼れる仲間」とか「対抗しうる武器」とかを出して問題を片付けるに違いない。


 ……とまぁ、ここまでが事前予想。


 さて、鑑賞開始。
 今回の舞台は結婚式。冒頭に【DVD】のマークが出てくるので、おいおいDVD上映かよ! と思ったら、新郎と新婦のなれそめスライドショーを流す演出だった。
 そこからはいつもどおりのPOV。
 晴れの舞台を未来に残そうと何人ものカメラマンが用意されている。新郎のいとこ。プロカメラマン。それから、新婦の妹も持っていて、新婦と何か意味深な会話を始めようとしたとたんに、いとこのカメラに切り替わる。なるほどね。
 結婚式の直前から始まり、新郎がいろいろ挨拶回りするのにいとこがついていって登場人物アンド伏線の提示。新郎の叔父さんがいきなり噛み傷見せてくれます。ふむふむ、ここの予想は当たり。
 そして、結婚式は昼。披露宴が夜。んで「発症は披露宴の最中」にして、時間的な問題をクリア。つまり1、2と同時進行のパニックなわけね。「披露宴会場の中のみ」に限定して、空間閉鎖もばっちり。ほほぅ。
 ハッピーな結婚式、披露宴と続いていくうちに、徐々に叔父さん悪化。いよいよパニックスタート! 新郎がいとこに迫る、「こんな時にまでカメラ回してんじゃねーよふざけんな!」うん、そうだよね、POVはそのジレンマがあるんだよね。さてここはどう話を続けるの……か……


 ええええええええええええぇぇぇぇっ?!


 いや驚いた。
 つまりは1と2を見てなくてもフツーに楽しめる展開になるわけだけど、1と2を見てる人は絶対衝撃を受けるはず。

 以下超ネタバレで。
 1・2を見ていてこれから本作を見る人は絶対見ちゃダメ!
 逆に、これ単体で見た人の評価って知りたいなぁ。


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2012年05月11日

The Evolution of Nicolas Cage's ...


いずれ誰かがやるだろうとは思っていたが、ついに作られてしまった、
ニコラス・ケイジの頭髪の変遷が2分半でわかる動画。

……"Evolution" ってなってんのは、英語的に正確なのか、皮肉なのか……。
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2012年05月09日

テルマエ・ロマエ

[80点]@チネチッタ

 予習は蛙男商会週アニメバージョンのみで観賞。

 予告編から思ってましたが、この作品、「ローマ人阿部寛の顔芸」だけでカンペキすぎます。市村正親・北村一輝・宍戸開もハマってるし、これ以上に「キャスティングの勝利」といえる作品は当分出てこないんじゃないでしょうか。
 「トリック」もそうですが、バカをマジメにやらせたら阿部寛の右に出る人、他にいないですもん。日本のダニエル・クレイグですね。

 序盤の展開があまりに豪速なので、どうなるかとちょっとヒヤヒヤしましたが、阿部寛の顔芸も次々テンポよく繰り出される結果になっていて、めっぽう面白いです。
 「平たい顔族」の方ののっぺり顔の対比もすばらしい、ていうか、よくこれだけ「平たい顔族」にふさわしい役者を用意したもんです。……みんな日本人なんだから当然か。

 しかしそれだけを面白がるのではなく、ローマ史上のイベントに踏み込んだわりとシリアスめのストーリーへスムーズに移行して、それでもやっぱり面白い。これは、幸運にもレンタルできたというローマのセットのすごさも含め、「作品世界」をきっちり確立しているからこそできてると思います。

 これ、後半の展開はオリジナルなんだそうで。思ったんですけど、原作レイパーな方々が凡百な発想でオリジナル展開を作っていたら、やっぱり顔芸だけで何とかしようとして「ルシウスがひたすら現代で右往左往」な話にしたんじゃないかなー、と。
 でも、顔芸が生きるのはカルチャーギャップがあるからで、そのギャップはまず「風呂→現代日本と古代ローマの共通項」という根っこがあってこそなわけです。「風呂で問題を解決する」を最後まで貫く、という大前提で話を組み上げていったらああなった、ということなんでしょう。
 歴史や科学的なところをマジメに考え出すとメチャクチャなんでしょうが、真摯に面白さを追求してる感じで好印象でした。


 途中でセリフが盛り上げ優先になって、あるべき感情の起伏と噛み合わないように思える部分があったのがちょっとマイナスか。
 あと、「旅館の赤字」だけ伏線回収できてないような気がするんだけど、上戸彩の実家は結局どうなったんでしょうか。まぁ、あの爺様たちがいればしぶとくなんとかやるのかな。
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2012年05月03日

ももへの手紙

[70点]@109シネマズ川崎

 アニメーションの緻密さ、作画の質、伏線を張って回収する構成の巧みさ、声優の演技(優香がここまでできるとは……!)、どこをとっても、ここ数年のオリジナルアニメで圧倒的なレベルの高さ。
 沖浦監督の目線はとても優しく暖かく、こういうハートウォーミングな物語を描きたくて入念に準備してきたのだろうな、と強い志向が伺える作品でもあります。


 なのになんだ。
 全然ココロに引っかかってこない。

 予告編を見たときから心配してた。

 瀬戸内。
 もののけ。
 親子の絆。

 あぁもう企画書はラクに通ったろうねと思う。
 総じて、「今までに見た何か」以上の揺さぶりがない。
 なんか「悔しい」気分になってくる。

 全体通していちばんユニークだったと思うのはモノレールチェイスで、あれはわくわくするデキだったんだけど、あのイベント、別になくても良かったでしょ。どうでもいいシーンがいちばんカッコいいってのは、映画見てるとしょっちゅう出くわすことだけど、これだけ出来のいいアニメだからこそ、作品随一の見せ場はストーリーと直結させてほしかった。


 じゃあ「アニメを初めて見る人」の教科書的なポジションを狙ったのか? というと、そういう世代に「肉親の死」というシチュエーションがどれだけ物語の柱として理解されうるか疑問。
 しかも、「親子がそろっていた時間」の描写がなく、「手紙」と「アルバム」とわずかな「回想シーン」以外に、「父親がいた」ことを示すオブジェクトさえも出てこないってのはいったい何の冗談だ。物語の柱のはずのとーちゃんに存在感がなさ過ぎだ。親だろ。もっと何かないのか。マイマイ新子」は香水だけで全部わからせたぞ。
 「父の存在」がおぼろげにしかないのに、「父の喪失が母子にダメージを与えている」ことを、「見りゃわかるでしょ?」とやってしまっている。そんな状態のものが「柱」にあっても、物語のよりどころにならない。


 「田舎の島には当然土着のもののけがいます」と、何の言及もなしにぶん回し、クライマックスで突然大活躍ってのも反則だろ。こういうのこそ、ジブリにおんぶにだっこだと非難すべきだ。
 (あの三馬鹿は完全アウェーのよそものなんだから、土着の連中ともののけ広島死闘編を繰り広げてから協力関係が構築される、というのがスジであろう。)


 「面白いは正義」の信念に従えば、去年に戻って「鬼神伝」と「星を追う子供」で口直しをしたい気分。僕は、子供だましでいいから、スゲーのや、新しいものがいい。
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2012年04月28日

アーティスト

[60点]@チネチッタ

 予告を何度も見て、懐古趣味なだけで実はたいして面白くないんじゃないかなーと思ってたら、それ以前の問題でした。

 古き良きモノクロのサイレント映画を丁寧に再現した雰囲気は、現代にあって新鮮。演技だけでロマンスを見せるための方法論、描くべきものを描くための最適な手段として矜持を持って選び取ったのだと思います。
 ヒロインペピーの、オーバーアクトにみえて、音が聞こえたら崩れ去ってしまいそうな繊細な艶っぽい演技は、変な視線抜きに眼福で、この世界のままだといいなぁ……と思えてきます。
 そこへ、ワンシーンだけ挟まれる「トーキー」の、なんというか「威圧感」には、ぞくっとしました。


 それ以前の問題、というのは。
 うん、これで、古いミュージカル映画みたいに、高揚感のあるハッピーな物語だったらどんなによかったか、と……。

 主人公に全然感情移入できなかったんです
 いけ好かない高慢で頭の悪い親父が、時代に乗り遅れた結果ひたすら没落堕落に突き進んでいくだけの話をどう受け入れよと。
 ロマンス映画のはずなのに、気分が鬱屈としてきます。ロマンスを際立たせてこその、この「サイレント」じゃないのかと。鬱を増幅させてどうする。
 救い・再起になりそうなポイントも、さらに突き落とす展開で、主人公にダメージを与えることを繰り返すんだもの。犬のアギー君の熱演がまったく報われません。


 で、最後ではっちゃけたつもりなんだろうけど、こっちは「ソレ」が最後に来るのは、正直わかってるわけよ! どういう「再起」を通して「ソレ」を実現するかだけを楽しみにして最後まで見たのに、ただペピーの温情だけで「ソレ」に突っ込んだのでどうにもこうにも。

 この作品の正しいエンディングは、主人公が初心に返ってエキストラに応募して、「ダンスできる奴三人!」の呼びかけでスタジオ入りを許されて、そこでペピーと再会。だと思うんですけどね。


 あと、エンドロール後に「リピーター割引の告知」をするのは営業上しかたないとしても、それを「原色カラー」にするって何なの。どういう脳みそがあればそれを許せるの?
 ……ていうか

 またGAGAか。
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2012年04月27日

タイタンの逆襲

[65点]@TOHOシネマズ川崎

 今春の底抜けハリウッド大作その3。

 前作をダメ評価しておいて続編を見に行くというのは珍しいんですが、予告編のワルキューレ(違)がいい感じだったんで思わず行ってしまいました。……ってあれ、アンドロメダですか! 女王自ら冒険行っすか!
 ……おまけのビックリマンシール、ペガサスだったけど欲しい人いる?


 さて。
 見始めてすぐにくる、ツカミというべき対キマイラ戦が白眉なんです!
 何しろ前作の3Dがひどかったでしょう。本作はちゃんと3Dだろうとは思ってたけど、あんまり期待はしてなかったんです。ところがこのキマイラの暴れっぷりが実に爽快。3Dバトルはどう作れば面白くなるか、カメラワークを研究しているなと感じさせられました。
 尻尾が蛇で、それが迫る! という一瞬は、ほんと画面から飛び出してくるかと思ったもの。

 ……でも正直そこがクライマックスでした。
 物語はありません。もうギリシャ神話ですらありません。いちおう父子がどうのこうのはありますが(つーかこのストーリー、クロノスとゼウスが父子ということを、後半完全に忘れるよな)、フォーマット通りで、あとはひたすらお使いRPG。
 軍神アレスがボス敵で、うっかり彼に祈っちゃうと居場所を察知される、という設定は、うまく使えば最高に面白い展開が作れると思うんだけど、テケトーでしたね。

 で、サイクロプス戦はまだよかったけど、「迷路」のあたりから見せ方も怪しくなってきて、画面上で何が起きているのかわからないポイントが増え始めます。突進攻撃しかしてないはずなのに全容がわからない、ミノタウロス戦のひどさを経たあたりで、キマイラ戦の感動は消え去り、話の中身同様、もうどうでもよくなってきます。
 「タルタロスからの脱出」のシーンはあぜん。上映時間的にもほぼ一瞬でリレミト×ルーラ。さっすがゼウスさん神の力はすごいね! 「フィルムが切れた」と苦情を訴える人がいてもおかしくないレベルだったよ!

 ラスボス前のマカイ戦でちょっと盛り返すも、そこでどうしてオヤジどもに活躍の場を作るかな……もうおまえらどうでもいいんだけど。ていうか、おまえらがよけいなことしてなきゃこんな事態に陥ってないんだけど。
 すなおに、クロノス-ゼウス-ペルセウス-ヘレイオスという、神から人間に近づくにつれての「親子関係の変化」だけにもっとフォーカスしてれば、ぐっと面白くできたんじゃないのかなぁ……。


 ところで、本作のキャッチコピーに「ギリシャ神話が暴れ出す」ってあるんですが、ポスターにあったそれを、「ギリシャが暴れ出す」って読んでしまいまして。
 あぁそうだねぇ暴れてるねぇギリシャ。神じゃなくて人が。ユーロ崩壊してるねぇ……。
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2012年04月24日

バトルシップ

[70点]@109シネマズ川崎

 今春の底抜けハリウッド大作その2。

 何年かに一度は必ず出てくる、アメリカ様の軍事力は世界一! 敵国がどこにあるのか知らないけど米軍は負けません、戦争バンザイ! な映画でした。

 でも本作の針の振り切れ方はすごい。「バカ映画」なんてレベルじゃない。「ご都合主義」なんてレベルじゃない。個人的には「ステルス」を超えたね。
 「14ヶ国参加のリムパック」をうたっておいて、「敵」と向かい合うのは2ヶ国3隻だけ。しかも真面目な映画なら即時射殺されるレベルのバカを主人公がやらかす結果、すぐに1隻だけに。傷痍軍人や退役軍人はあれだけ手厚く扱っても、死んでく奴は放置です。

 予告編を見たときは、「世界中に敵が侵攻してきて基地が太平洋上にある」という設定かと思ってたんだけど、実際は敵も太平洋にしかいなくて、地球突入時のアクシデントで香港だけ犠牲になるのね。
 ちっちゃ! と思ったけど、あの「ニュース映像」を見る限り、この映画の中では日本と中国と香港は全部まとめて「平たい顔族の領地」みたいな認識なので、あれで「アジア全域に甚大な被害」という扱いなんだと思われます。

 で、敵のエイリアンは、地球側の攻撃可能性の有無をきちんと確認してくれるのに、こっちは皆殺しでOK! しかも個別では必ず白兵戦で挑んでくれるのに、こっちは飛び道具! 軍艦の中でもマシンガン乱射!
 で、あの通信が届かなかったとしても地球の存在と位置が割れてる以上、危機は永劫に続くと思うんですが、とりあえず今は目の前にいないのでハッピーエンドです!
 敵味方一般住民あわせて数万はくだらない死者を出し、世界を震撼させて得られる結末とは!

 主人公がちょっと成長したので、上官が娘との結婚を許してくれるそうです。
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 ……ただし、「海洋ガチバトル」のみを切り取れば、モビーディック対エイハブ船長もかくやと思う傑作。
 主人公と浅野忠信演じる海自の艦長が連携して、レーダーの利かないところで波高センサーの情報で戦う(よその組織のデータででっち上げで作ってるはずなのに、レーダー以上に高性能!)あたりの緊張感はすばらしく、映画としてはすっげーもん見せてもらった満足感は高いです。それでいいんだろーかと困ってしまうほどに。
 リアル艦船引っ張り出して、マジメに付き合ったネイビーとか海自のみなさんとかは果たしてどう思ってるんでしょうか。
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2012年04月22日

ジョン・カーター

[65点]@TOHOシネマズ川崎

 今春の底抜けハリウッド大作その1。

 アメリカじゃ「ウォーターワールド」をちぎって赤字記録をおったてるともっぱらの評判の本作。
 どんだけひどいのか。ライラの冒険くらいか。

 いや? 普通に面白かったよ?

 ケチつけたい部分をあげ始めたらキリがないんだけど、「100年近く前のSF」に対するリスペクトは痛いほど感じます。それゆえ逆に、その価値観が現代に通じないってのを埋める努力に欠けてる気もするのです。
 だって今さら火星に生き物いますといわれても、ねぇ。探査船が着陸した時代にさ。
 主人公がスーパーパワー持つ理由は、「骨密度」とかのキーワードちょろっと提示して終わりか!

 そこらへん「古いSFですから」で華麗にスルーできれば、ばびょーんとすっ飛ぶジョン・カーターは、娯楽かくあるべしな王道をきっちり歩んでると思います。
 過去を振り切って火星のために戦う覚悟を決めるシーンは白眉でした。切なくてよかった。


 これ、赤字なのは、興収がふるわないことより、「制作費つぎ込みすぎ」の方じゃないかと。地味にすごいことしまくってるように見えます。特に地形が、どこが実写ロケでどこからCGなのかさっぱりわからない。
 でも「古いSFオマージュ」な部分が逆に「安っぽさ」の方を浮き立たせてる(火星の城内なんか、特に安っぽそうだった。でもああいうセットって、たぶん今はCGの方が安いんだろうな)感じで、投資に見合った効果が出てなさそうです。
 期待できる客層向けに、実際に安く作ってもよかったんじゃないかと。

 あと、ヒロインが非白人、ていうのは、「ハリウッドの」王道娯楽の場合地味にダメージな気がする。個人的には大好物なかっけープリンセスなんですが。
posted by アッシュ at 13:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月20日

宇宙戦艦ヤマト2199 -第一章・遥かなる旅立ち-

[70点]@新宿ピカデリー

 今年はコレをがんばります。
 OVA先行上映、2話まとめての上映。序盤、有名な発進シーンに至るまでの流れ(今後は4話まとめて上映するらしい)。
 第1話と第2話を、つなぐ気が全くない編集にちょっと首をひねりました。

 ヤマト世代じゃないのでオリジナルをきちんとは見ていませんで、むしろ結城信輝・出渕裕がジャストミートな世代です。
 彼らの渾身のリメイクは、温故知新の模範例みたいでいいアレンジが効いていると感じました(実際、オリジナル世代の方々にも評判がよいようですね)。
 Youtube にこんな動画上がってました。

 何より、女の子の顔立ちが当世向けに萌え方面に可愛くなっている一方で、体型やコスチュームは往時の魂をきっちり引き継いでいてエロいのがすばらしい(まずそこかい)!
 戦闘シーンなんかも、オリジナルを引きながらも、「過去にできなかった映像を」という意識で作られているのを感じます。
 ただ全体的に、もう少しもったいをつけた演出があってもバチは当たらなかった気がします。見せ場で「ためる」のではなく、単にもっさりしただけのような。話自体はさくさく進むので、そういうところも今風なんでしょうか。
 「過去」と「今」をどうさばいていくのか、期待を感じられる滑り出しではあったと思います。


 それにしても、
 ……コレが最初に来てれば、復活編とかアレとか出なかったのか、
 ……逆に、復活篇とかアレとか出ちゃったから、コレを作らねば! という気運が盛り上がったのか、どっちなんでしょうね。
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2012年04月16日

ドライブ

[55点]@バルト9

 えと、うん、まあ、そういう話……なのはわかった。

 ちっちゃ!

 いわゆるクライム・サスペンスにおいて、ここまでセリフを抑制し、ストイックな演出を突き詰めた点が評価されてるんだろうなー、というのは何となくわかります。
 にしたって、ねぇ。
 まさか、実質的な登場人物が十人未満とは思わなかったですよ。

 序盤に、引き込まれるシーンががんがんあって、ここからどう話を広げるんだろう、と思いきや、全然広がらない。
 「クック」が登場し、おお、広がった! ストリッパーの姉ちゃんえぇ乳ー! とか思ってたら、そこから逆にものすごい勢いでシュリンクしていく。広げた風呂敷をたたみ過ぎて豆粒みたいになってしまう。
 それなら、誰が豆粒どチビかー! と主人公がどばーんと吠えて、なんか最後だけヒロイックになるのかと思ったら、……あのシーンで全部察してくださいってかぁ。うーーん……。
 選び取られた結末とは理解するけど、物足りないです。
 主人公が道を知り尽くしたカースタント兼逃がし屋という設定が、話の勘所でまったく生きないのが辛い。つかみのカーチェイスはすばらしいのに。
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2012年04月08日

僕達急行 -A列車で行こう-

[50点]@109シネマズ川崎

 森田芳光監督の遺作なわけなんですが、正直、ほとんど知りません。「武士の家計簿」くらいで、「家族ゲーム」も見てないですし、本作に似ているとされる「間宮兄弟」も見てません。どっちかっていうと鉄ちゃん趣味で見に行きました。

 見てみて思うに……これで鉄道出てこなかったら、寝るしかない作品。
 監督が、そういう時代からの映画人で、こういう作風を味と考えてるんだろう……けど……なんでしょうね、この全面に溢れる「昭和」の「フィルム」感。しかし名作と異なり、現代に通じるところが何もなくて、脚本の言葉遣いや演技のテンポが、古くさいを通り越して単に「ダサい」。その上、「ホモくさい」まで付加されるときては、見てて恥ずかしくなってきます。


 で。
 鉄道愛がないと内容の多くに共感できない作品なんですよコレ。尾久の車両基地とか。海芝浦とか。ジオラマのシーンなんて、鉄道好きな人はウォーーーーーなんだけど、それ以外の人は絶対ドン引きでしょ。

 逆に、鉄道ファンの大多数は、こんな中途半端なサクセスストーリーやラブコメを望んでないと思うの。もっと鉄見せろ! と思うしかない。
 鉄道の撮影にすっごく力が入っているのはわかるし、決して悪くはないんですが、まともに主人公らが「鉄道旅行」してるのが「豊後森」だけっていうのはどうかと思うのです。あとは単に「乗ってるだけ」。
 この「乗ってるだけ」感が強いのは、マツケンや瑛太の演技の工夫のなさによるところが大きい。瑛太の、車両内の「金属」を愛でる演技、「鉄工所の息子」って設定だからだろうけど、あれはひどかった。彼ら自身は鉄道を愛してないのがまるわかりです。
 本当の鉄ちゃんは黙って席に座ったままでいたりしません! 指定席は運転席のすぐ後ろです!

 また、九州新幹線は企画時期的に無理だったのかもしれないけど(30年来の構想だったそうな)、九州行っといて肥薩線のループ出さないとか、スイッチバックの説明してるのに立野のスイッチバック出さないとか、列車の映像も「走ってるだけ」がほとんどで、物足りない。阿蘇山や開聞岳をバックにしての映像があればもっと醍醐味があるとか、思わなかったのかな。
 結果として、九州ロケの映像の多くがエンドロールに押し込まれる悲しい有様は、福岡=中洲という極端なイメージも含めて、九州人に謝罪が必要なレベルだと思います。


 「電車がいっぱい出てくるから」、とか親にだまされて来たとおぼしき小さいお子さんが客席にいて、不満をぶうぶう言ってるのが聞こえてきて、とてもかわいそうでした。
 そんで、ジオラマシーンで「京急2000形」と称される模型が出てきたとき、彼は「あれ2000形じゃないよ!」と断言してたんだけど、正しいのはどっち?


 総じて、狙ってる方向性の乖離が甚だしくて、つまらないというより、いたたまれない作品。
 川崎という土地柄ゆえ、小玉の着信音が京急のインバーター音だったときに場内一致で笑いが起こったのが救い。」



 ところで、映画「宇宙兄弟」の予告編を作成したスタッフは、アニメだけ見ようとしてた俺に謝れ。ネタバレが過ぎるだろ。コロスぞ。
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2012年04月04日

テイク・シェルター

[70点]@ブルク13

 アメリカ中部の家庭によくある竜巻用のシェルターを主題に、「不安」を描いた佳作。

 この世は不安に満ちている。
 人は不安を恐れる。不安に備え、取り除こうとすれば、また別の不安が現れる。悩みは尽きることがない。

 不安に備えるには金がかかる。非常事態への不安に備えれば、日常生活に不安が差し込める。
 不安に備えていない人は、不安に備えている人を恐れる。不安に備える行為こそが不安を呼び起こす。

 これらの不安を紡いでいきながら、この物語はひとつの答えを出す。
 物語は、主人公の行動───というか、「選択の自由」を否定しない。不安を乗り越えるという意志と決断のもとに、愛する人を守るという矜持のもとに、人間の選択は自由である。
 問題は、その「後」なのだ。


 だからあのラストは、……うん、まぁ、「不安に備える」という行為の行き着く先はおおむねそういうことだったりするけど、せっかくシェルターできれいに話をまとめたのに、それでよかったんかなぁって。
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2012年04月03日

マーガレット・サッチャー -鉄の女の涙-

[80点]@ワーナーマイカルシネマズ横浜

 冒頭のシーン。
 牛乳の値段46ペンス。
 このシーンで、「誰」が「何」をしているのか理解した瞬間、あなたは多重の衝撃に身を震わせるでしょう。
 それを感じるだけでも、すべての映画ファンはこの映画を見るべきです。

 「主人公のマーガレット・サッチャーは、かつてイギリスの首相でした」という前提以外、イギリスの政治を知っておく必要は特にありません。
 まぁ、二党政治とかIRAとかフォークランド紛争とか、予備知識はあった方がいいんでしょうが、知らない方が感情移入できるように作ってある、あるいは、「見てから興味を持った人が調べる」で事足りるようにできていると思います。

 つーか、この作品の肝は「政治家サッチャー」ではなくてですね。「現在のサッチャー」なんですよ。
 存命の方を描くにあたり、「たとえ事実としても、ここまでやっていいのか」という倫理的な側面を気にする人もいるでしょうが───いやいや、やっていいんですよ。面白ければやっていいんですよ。そう言いきれるくらい、本作のメリル・ストリープは圧巻。
 「ジュリー&ジュリア」では高身長の主人公を違和感なく演じているのに対し、今回は「小ささ」が完璧です(これはカメラもかなり努力しているように見えます)。
 名女優の凄みに酔いしれる映画。アカデミー賞主演女優賞もむべなるかな。
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2012年04月02日

戦火の馬

[75点]@チネチッタ

 すごいですよこれ。
 最大のみどころが「馬の演技」という、空前絶後の作品。
 アニマルトレーナーは、「シービスケット」と同じだそうです。さすがさすが。
 面白い面白くない以前に、どうやって撮ったのか、撮影現場を見たくなります。

 馬が目を剥いて訴える、って、あれCGじゃないよね。本当に、馬なのに人間くさくて、「泣かせ」を心得ている。クライマックスの「疾走」は、動物の生態的に言えば、単にビックリしてパニックを起こしただけなんだろうけど、そのきっかけが「戦争の進化の果てのアレ」ですから、いろいろ訴えかけてくるように見えてきます。
 ……まぁ、お馬さんのレースを日頃見慣れている身からすると、本当にサラブレッドを軍馬に徴用したのか、というところに疑問を感じるのですがどうなんでしょう。農耕馬として鍛えられたジョーイはともかく、他の騎馬たち、特にトップソーンには本当に過酷だったと思います。
 ……もしもあなたが訓練された腐女子なら、ジョーイ×トップソーンで何か、らぶりんでハッピーな絡みをこさえてあげてください。

 あとねー、序盤の農場のシーン、どうも光の当たり方が変なんですよね。
 ……もしかしてセット撮影? 書き割りなの、あれ?!
 これも撮影現場を見てみたいです。

 ときに、本作はイギリス人もドイツ人もフランス人もみんな英語。なのに、戦場で英兵と独兵が相まみえるシーンで、「英語うまいね」というセリフが飛ぶ。
 俳優ははっきりマイケルって言ってんのに、字幕はミヒャエルにしちゃう翻訳担当は、もちろん我らがなっち。明らかに内容を曲解している訳が散見されたのが最大の難。
posted by アッシュ at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする