2015年08月23日

「アーネストとセレスティーヌ」日本公開


 すでに自分はTAAFで見ているフランスの傑作アニメーションが、「くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ」の邦題で(長たらしくなったのは、原作絵本の邦訳を踏襲したためっぽい。けど、「ねずみの」もつけたほうがよくね?)、ようやく日本正式公開。

 ……やっと来た! と喜んでたら、上映はシアター・イメージフォーラムで朝一回、しかも狭い方のスクリーン1、とかいうありえない事態[当然のごとく開場時点でほぼ満席]。夏休みアニメというならせめて「シンドバッド」くらいの公開規模は欲しかった。ていうか、同日公開の人形アニメ「クーキー」がシネパレスでもやるってのに、なぜこっちはこんな規模に……。


 なので、拡大公開になるよう布教するぞ。
 来たれケモナー!

 「アーネストとセレスティーヌ」はこの夏最強の萌えアニメだ!

 まだラブライブ行ってる奴とか! セレスティーヌのくちゅくちゅかじかじにキュンキュン悶えて、世界は広いことを知るが良いのだ。

 海外の事情を察してやろうよ。
 児童ポルノ法案の悶着で「欧米基準ガー」みたいな話を出すまでもなく、日本以外じゃ、人間の姿で萌えキャラ作ったら犯罪者扱いされちゃうんだ。
 彼らはマイリトルポニーで萌えなきゃいけない立場なんだよ。「パリ猫ディノの夜」も符合する「泥棒と女の子」的な組み合わせ、ウンカのごとく溢れ出す警察官、町を跳んで越えていくアクション、彼らが作りたかったのはやっぱり「カリオストロの城」なんだけど、フランスにおける世間様の都合を考えると、絵本に原作を借りてこうやって描くのが限界なんだよ! 汲んでやれよ!


 地上はクマ、地下はネズミに生息域が分かたれた世界。ネズミはクマに怯え、クマもネズミを嫌悪している。しかし前歯でものを囓ることに頼るネズミたちの生活は、クマの歯から作る差し歯がないと維持できない。クマの世界に潜入し、抜けた歯を回収する仕事をするネズミのセレスティーヌは、腹を空かした貧乏なクマの大道芸人、アーネストと偶然に出会い……とかストーリーはともかく、

 とにかくネズミのセレスティーヌがカワイイ。

 今回あらためて見て、セレスティーヌって「がんばりすぎな新人OL」って立ち位置なんだよなぁと思い至りました。まだ学生っぽさが抜けない、慣れないタイトスカート姿のお姉ちゃんが、とにかくお仕事がんばらなきゃ! という思いが強すぎるあまりに、きゃんきゃん口うるさく同僚のおっさん朴念仁社員に注文つけてる、けど独りになると寂しくて気弱になっちゃう、みたいな擬人化想像図が脳内再生されて、はわわと萌えを新たにした次第です。


 そういうことなので、塗り絵とか準備してるイメージフォーラムのスタッフにゃあ悪いけど、絵柄がどうでも絵本が原作でも、この作品は、大人向けオタ向けに宣伝しなきゃダメです。夏休み子供映画的な認識は、今すぐ捨てたほうが賢明です。実際、子供の客なんてひとりもいなかったからな!

 (そもそも子供に見せる価値は少ないと思います。クライマックスが法廷という時点で、日本の子供たちは「ナニコレ」という反応になるだろうし、そもそも主人公両名がガチ犯罪行為やって平気な顔をしている話なんだよ?
 ていうか、この作品の最大の難点はそこで、アニメなのにアクションで締めないから、日本人的にはさっぱり盛り上がりません。しかも、法廷劇において、ガチ犯罪者に対して「命の恩人だから無罪」とか、フランスではOKかもしれないけど日本人から見たら欠陥といわざるを得ないです。
 ただしこのシーン、「裁判所が両方の世界で同じ位置にある」のはちょっと面白いです。文化・風習が違えど法の価値は変わらない、という示唆でしょう)


 なので、自分ならこう宣伝します。
 「暴れん坊のクマと仲良くする話」がほかにもあるんです! 「バケモノの子」と併せてどうぞ(笑
 あるいは、異文化の軋轢と宥和がテーマのフランス映画ですから(最近入ってくるフランス映画ってこのテーマが多いけど)、「最強のふたり」が気に入った人にもオススメです。

 ……そんなわけで、朝一回の上映でひっそり「日本公開しました」扱いになるのはなんとも惜しいので、みなさまも是非。



くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ -
くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ
posted by アッシュ at 03:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする