2015年11月18日

短評(ハーモニー/RWBY1/ムーンウォーカーズ)


ハーモニー
[35点]
@TOHOシネマズ川崎
 ……なかむらたかし&マイケル・アリアス共同監督、という時点で、「屍者の帝国」が無駄にがんばったのと同様な、派手な娯楽作品になるわきゃないことは理解してますよ。……でもさ、ストーリー進行が完全にセリフとモノローグ任せで、「どうやって映像を埋めようか」と苦心惨憺してる感覚が痛いほど伝わってくるありさまでは……やっぱこの Project Itoh という企画自体が、ものすごい勘違いをしてたとしか思えません。

 内容もな……個人的な好き嫌いでしかない、というならその方がいいんですが、以前から書いてるとおり、僕は「マイナスをゼロに戻すだけ」の話は嫌いなんです。「登場人物が最善の選択をする」話が好きなんです。しかしここでは、凄まじい知識量で現実を周縁部まで丁寧に俯瞰しながら、世界構築自体を「意図的な悪手によって欠落」させて、「その欠落とは何か」的な話に終始します。
 その果てに語られる「結論」がさ……ホント、好きな人には申し訳ないんだけど、僕にとってはそれ「前提」だわ。ここから物語を始めますよ、ってとこで終わってしまいます。
 無知なガキじゃないんだからさ、生態系の一部たる人間社会が本質的に持つカオスに、もっと敬意を払おうよ。このいびつなピュアを抱えたまま創作をする人間がいるのはわかります、でも文化人面するいい大人が有難がってはダメでしょう。


RWBY -Volume 1-
[55点]
@シネリーブル池袋
 3DWebアニメの嚆矢としてちょっと話題になった時分に、少し見てた記憶はあるんですが……こんな学園モノだったっけ?
 アクションシーン以外はたいしたことなかろうと思って見たのだけれど、多民族社会らしさが真剣に組み込まれている分、学園異能力ものとして昨今の「アニメ」よりよくできたストーリーだと思います。

 むしろアクションのほうが、ゲームのエフェクトの数珠つなぎをMMDの延長で作ったに過ぎない印象。そうなると、モーションのカクカク感が目についてしょうがないです。スコット・ピルグリムでも書いたとおり、欧米の方々がこうした表現を血肉にするにはもう少し時間が必要ですね。じきに追いつかれるとは思いますけども。

 それより日笠ウゼェ。日笠陽子にアテ書きしたとしか思えないキャラで、彼女のいつもどおりのはずなのに、セリフ多すぎて頭痛がしてきます。セリフ回しにメリケンなシットコムテイストを織り込むと、「アニメ」のシナリオはここまでウザくなるのか! ちっとは加減してくれ! 
 下野&豊口カップルの今後だけちょっと気になるけど、それ以外は先を見るモチベーションがわかないのが率直なところ……。


ムーンウォーカーズ
[50点]
@ヒューマントラストシネマ渋谷
 名作「プロデューサーズ」みたいなノリで行くのかと思ったら、月の映像がどうこうは、「政府の押しつける理想」くらいの意味しかなくて、実質は「ベトナム戦争で心に傷を負った兵士がラリったら立ち直った」というスジの、当時のヒッピー礼賛映画でした。そういうのがお好みでない向きには、即物的な笑いはそれなりにあるけど、面白いとは言いづらいです。



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posted by アッシュ at 15:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする