2016年06月08日

神様メール

[60点]@TOHOシネマズシャンテ

 旧来の宗教観とそれに根ざす社会のあり方を問う奇作。
 ホントに、いつから「神」というものは(「権威」や「国家」と言い換えてもよい)、「悪いことしかしない」という理解が当たり前になったんでしょうか?
 些細な悪事(マーフィーの法則作り)しかしなくなった「神」への嫌がらせのため、「神の娘」が「新・新約聖書」を作るべく、地上へ降り立って「使徒」を捜すコメディ。その過程でボッコボコにされていく「神」の哀れな姿が見もの。ここは素直に笑えます。

 しかし、「使徒」になる人々は要するに「自由恋愛主義者」で、「愛の形はいろいろ、旧来の価値観にとらわれるな」という内容なんですが、個人的にはあまりにリベラル&アナーキーに過ぎて、受け付けない部分が正直多かったです。
 「現代ではリベラル主張こそ神のお告げである。従え!」っていう過激な主張をしているわけで、ものすごくヤバい。

 カトリーヌ・ドヌーブの不倫相手が「黒人少年→サーカスのゴリラ」というのはまったく笑えないし、「神の恩寵」を受けて平和になる世界に「ウズベキスタンは含まれない」というラストシーンは悪意しか感じない(要するにボラット」と同じだよ!)

 「世界の中心は自分たちである」という傲岸さを隠そうともしていない、というか、その手前勝手な歪さを「ピュアな子供を主人公」にすることでカモフラージュしてるつもり、っぽいのがなお不快です。
 ブラックジョーク的に受け止めてね、という意図の可能性もあるけど、……素でわかってない気がするんですよねぇ。

 ウィットに富んだ、スキのないコメディには違いなく、ツボ入る人はドッカンドッカンいくタイプの作品なので、そういうこと気にしない方はどうぞ。


 にしてもなんだな、洗濯機がワープゲートってアイディアはどっかで見たことあるよ、な……。



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posted by アッシュ at 16:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする