2016年06月13日

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ

[70点]@角川シネマ新宿

 マイケル・ムーア監督も年齢相応に、体型だけでなく丸くなったようです。オバマ政権で国民皆保険や軍縮はいちおう端緒につき、次も民主党政権がほぼ確定てことで、あんまり声高に叫ぶ必要もないんでしょう(でもヒラリーはウォールストリートとべったりという話も聞くしなー、格差是正する方向の施策は後退するんじゃないかとちと心配)
 アメリカの暗部にガリガリ切り込んでいった突撃志向は影を潜め、今回はこれまで「比較対象」であった他国へ出向いて、この国はアメリカと違ってこんないい制度なんだよーと紹介していく、「なるほど・ザ・ワールド」な内容。「INVADE」という強い言葉を使うわりに、実に緩くて和やかです。

 ところがこれが意外に面白い。第一に、テンポのいい編集はこれまで通りですから、純粋に見てて飽きません。
 例によってアメリカとの比較しかしておらず、文化や歴史の相違は無視して他国の「よいところ」しか紹介しないので、ツッコミどころは多々あります。しかし、労働問題から教育問題犯罪問題、さらには政治や金融の問題へと、多様な視点の移動がスムーズで、かつだんだん深刻になっていく流れが鮮やか。そしてその流れの中で、ツッコミどころがある一点に収束していく構成にうなります。
 ホント、「その事実」を当のアメリカ人がぶち壊しまくって、今はもうきれいさっぱり、てわけだからねぇ……。


 知らなかったこと。
 ポルトガルでは薬物使用しても逮捕されない、という話の中で、「アメリカはなぜドラッグを敵視し、厳しく取締るのか」「なのになぜいつまで経ってもドラッグが撲滅できないのか」という点に、監督はちょっと意外な理由をつけます。うがって見すぎな気もするけど、そういう見解もあるのか。ふーむ。



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ボウリング・フォー・コロンバイン(字幕版)
posted by アッシュ at 16:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする