2016年10月01日

短評(ある天文学者の恋文/高慢と偏見とゾンビ)&コラム


 東宝が公開5週目にして、最大のTOHO日劇1に「君の名は。」を移している。しかも易々と埋まる。ちなみに、「シン・ゴジラ」も遅れて日劇1で公開されており、これをどけての公開なので、今は「シャンテでゴジラ」という謎事態が発生中。そしてスカラ座と併せてソコソコ埋まる。
 じゃあ日劇2や3に入った、おそらくは1に入る予定だった新作がどうかというと、2すら埋められない。
 そんで、松竹系の丸の内ピカデリーは「聲の形」をやらないというね。ところが「High&Low」のライブ上映とかはやってるという……。

 銀座地区の映画館はそろそろ、オタ向け作品から目を背ける態度をあらためてほしい。その巨大なハコ、最初の1週にこそ使ってくれよ。想定外ヒットの「君の名は。」はともかく、「シン・ゴジラ」が日劇1使わなかったの、本当にビックリしたもん。そんで、松竹はいいかげん、屋台骨がアニメに移った現実を認めなさい。
 (今は日本橋があるし上野ももうすぐだけど、考えてみれば「秋葉原に最も近い映画街」でもあるわけでさ。)

 銀座はもうジジババの街、という事実はわかるけど、別に、平日と休日でかける作品を変えていけないわけでもなし。休日や夜は一番人が入る作品を、平日昼間は時代劇を、みたくやってもバチ当たらないでしょ? 「ハイブリッド刑事」の例もあるわけで。
 もっと柔軟にいこうよ。


ある天文学者の恋文
[55点]
@チネチッタ
 ジュゼッペ・トルナトーレ監督の新作は、巨匠と呼ばれる人とは思えないほど先進的な内容でした。つーか、ほんとオタク気質よなこのおっさん。
 死してなお恋人に「通信(原題:correspondence)」を試みる行為は、束縛にもみえて賛否ある気がしますが、嬉々としてチョーワガママな「客星システム」作りに没頭したおっさんの心情(それは死の恐怖や寂寥から逃れるためでもありましょう)は、察するに余りあります。
 ただ、作劇上必要なのはわかるのですが、時と場所を選ばず、観劇のシーンですら着信音が鳴りまくる演出は、さすがにやっちゃいけなかったのではと思います。また、ヒロインが「自分の命を軽んじているから」スタントになったという設定も、映画の作り手としてはすごく失礼な話に見えます。M@sterVision 氏が、「ニュー・シネマ・パラダイスは映画の敵だ!」と怒っていたのを思い出すなぁ。(リンク先ネタバレ注)


高慢と偏見とゾンビ
[60点]
@TOHOシネマズシャンテ
 名作のパロディもの。タイトルだけで一本勝ち感があります。セリフもどうやら原作からかなり引っ張っている様子、ただし銃の手入れや組手をしながら言う、みたいなアホ展開。
 さらに、「富める者は日本に、そうでなければ中国に学ぶ」のが今節イングランドの流儀らしく、ダーシーさんがサムライソードを振りかざしエリザベスは少林拳マスターという設定をぶん回されたときは、完全に持ってかれたかと思ったのですが。
 肝心の対ゾンビ戦がイマイチ冴えません。ゾンビって世俗文化の隠喩? だからあまり恐怖として描けないのか? と考えもしたのですが、どうも深く考えてないっぽい。
 あの伝統衣装でキレのある殺陣をせぇいうても無理筋とはいえ、カッコよく作ろうとしながら、どこも中途半端でつまらない。あの終盤のゾンビ群を見せといて、あのクライマックスは酷い。どうして「プロポーズ→お受けします→肩預け合っての無双展開」ではないのか?!



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posted by アッシュ at 20:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする