2016年11月04日

PK

[70点]@恵比寿ガーデンシネマ

 「きっと、うまくいく」の監督・主演タッグでの新作……ですが、残念ながら前作ほどの興奮はなし。
 自由奔放が魅力のインド映画としては、宗教がテーマという、おそろしく複雑で縛りが必要な、インドでこそ問題が深刻な分野に、果敢にコメディでチャレンジしたのが一因でしょう。題材がそもそも、お気楽に喜べるものではないのです。たぶん翻訳も微妙なところには入り込めず、魅力を削いでる部分がありそうな。

 また、チャレンジや主張の良し悪し以前に、唐突な展開が目立ち、うまく入り込めないのが惜しい。恋に落ちるシーンとか爆発のシーンとか、ソレジャナイ感が強いです。もっともこれはインド映画としての平常運転かもしれず、「きっと、うまくいく」の方が神がかってハマるノリだった、と表現するのが正しいとは思います。


 予告編でなぜ隠したのかよくわかりませんが(SFだと知れるとウケない、ってのはいつの時代の話だ)、アーミル・カーン演じる主人公PKは、地球の調査にやってきた宇宙人です。ところが冒頭いきなり宇宙船のコントローラを盗まれてしまい、取り戻すにはどうしたらよいかと地球人に尋ねると、地球人は「そんなの知るか、神様に頼め」と言うのです。

 そこでPKは神様を捜し始め、ありとあらゆる宗教や儀式に身を投じて神様にお願いし、しかしうまくいかないのはなぜだろう? と考え始めるお話。明確な悪役を配して物語をきちんと盛り上げつつ、「かけ間違い」といううまい喩え話から、ひとつの答えがきちんと出されていますので、こうした問いかけに興味のある方はぜひ。
 少なくとも「神は死んだのか」よりは、百万倍真摯に宗教と向き合っていると思います。

 「神の教えを守るため」に人が人を殺す世界に、なぜなったのか。
 神様が人を守るのだ。人が神様を守るなんて、それ以上に不遜な思考があるだろうか?



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posted by アッシュ at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする