2017年02月27日

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち -第一章 嚆矢- &コラム

[65点]@新宿ピカデリー

 2199 に続いての新シリーズ開幕。
 一説にはスタッフが「復活編」寄りになったと言われ不安視されていましたが、まっとうな2199の続編でした。まずは一安心。
 ただ、オリジナルと2199との設定差を埋める注力が大きいようで、結果、今回の公開ではヤマトが発進すらしないのは寂しい。「できあがったとこまで出しました」感は否めず、今んとこは様子見ですね。
 なお、地球から離れたら見せにくくなるだろうから今のうちとはいえ、古代と森雪のイチャイチャが、髪色も近いしSAOのキリトとアスナにしか見えませんでした。爆発しろ。


短い感想になったのでもう少しゴニョゴニョ。



 超・邪推であることを承知の上で……。
 アカデミー賞のハプニングって、わざとやったんだろうなぁ……。
 今のハリウッドはたぶん、「白人同士が恋愛する古きよきタイプのミュージカル」に賞をあげたいと思ってないんだよ……。それこそが偏見なのにね……。



 オザケンが星野源をシメにきたのと同じように宮崎駿が新海誠をシメに来た、とか言われてるけど、新海誠をシメるには「耳をすませば」「コクリコ坂から」の路線を探らにゃならんわけで、それどっちも自分でやってねぇじゃん、ていう。



 森友なんちゃらの話は、そりゃ問題はあるんだろうけど、「それをなぜ国会で問題にするのか」感が日に日に高まっていって、バッカじゃねーのという感慨しか沸かない。「国会議員の仕事は総理大臣を引き摺り下ろすこと」としか考えてないやつらに、国会にいて欲しくない。
 安倍総理を下ろすのにスキャンダルなんかいらない。現代の基準でまじめに経済問題を論じて、軽視されている分野の自民党議員を味方に引き入れれば、すぐに辞任に追い込める。野党議員の勉強が足りてないだけなんだ。いつになったらわかる?



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2017年02月24日

短評(愚行録/ナイスガイズ/王様のためのホログラム)


愚行録
[70点]
@チネチッタ
 いやもう……こういう作品は、最近はなるべく避けるようにしてるんだけどさ……向井康介脚本のミステリだしさ……迷った末に見たんだけど……。
 感想を一言で言うなら「見るんじゃなかった」と……見た人全員首肯してくださると確信するけど、この作品の場合、それが褒め言葉ですから……。
 空気を作る山下敦弘監督とは違って、この石川慶という監督は……奥底の情を抜き出そうとしてらっしゃるようで、なおさらキツイわけで……。ポーランドで学んだ方だそうで、あぁ東欧の文芸映画ってこういう雰囲気だよねそれを日本のイヤミスに使うとこうなるのかーと思いつつ、ほっとくとやたらゲージツ方向に走りそうな気配もあって、向井脚本は合ってたと思います。
 それにしても、あれ満島ひかりかよ……言われてみれば確かにそうなんだけど、見てる間はもう……女優怖ぇっす。



ナイスガイズ!
[50点]
@ヒューマントラストシネマ渋谷
 期待してたんだけどピンとこず。コントめいた個々のシーンは笑えるんですが、肝心の「事件」の情報の置き方が散漫な印象で、何が重要で何が重要でないのか、進展しているのかいないのかハッキリせず、面白くないというよりよくわからなかったです。最終的にはちゃんと形になるものの、その後味も悪いし、「社会派」的なまとめ部分は、単なるノスタルジーだよねとしか……。字幕の限界もあるのかな。
 加えて、アクションシーンがスタントに頼り過ぎで、何が起きてるのかどころか、誰が闘ってるのかすらわからない始末。共闘シーンもないとあっては、これをバディものとして評価するのは、自分は無理です。

 あと、当時の「フィルム」と「火」を重ねるシーンが何度もあったから、最後にライアン・ゴズリングがフィルム缶持ったままタバコ吸い始めた瞬間にオレ吹き出しちゃったんだけど、その後何も起きなかったのですごく恥ずかしかった。そこ、フィルムが燃え出してパニクるオチをつけなきゃダメでしょ!



王様のためのホログラム
[45点]
@TOHOシネマズ川崎
 予告編で期待した、「ITシステムをどう売り込むか」という話はほぼ俎上にありませんでした。実質は、イスラム教国家の現状を教えてさしあげる啓蒙映画です。最初から最後までイスラム国家が舞台なのは珍しく、メッカにカメラが入った(ように見せかけた)展開だけはすごいと思ったけど、「異文化交流もの」と考えると、平板すぎて全然盛り上がりません。
 「イスラム教徒なんてみんなテロリスト」とか思ってる欧米人はビックリするのかもしれんけど、日本人にとってはなぁ……しかも選ばれた国が比較的豊かなサウジアラビア、ラブロマンスのお相手はムスリムでも欧米思想寄りの異端女性なので、なんか首をひねりたい感じが否めず。
 登場する企業ロゴが全部アジア企業なのはちょっと面白かったです。あと、「閉じこもってる欧米国家」の代表にされたデンマークは怒っていい。

 そんで、「恐怖心が生んだ少数の癌を取り除けば、活力みなぎってハッピー!」というあからさまな比喩が出てきますが、それが「少数」どころか半分以上を占めているからトランプ大統領が生まれた現実、そしてその「少数でない」状態を作り出したのはこういう脳天気なグローバル思想の帰結であってもはや精神論ではどうにもならないことを、そろそろトム・ティクヴァ監督には理解していただきたいもんです。



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2017年02月23日

サバイバル・ファミリー

[55点]@ムービル

 震災を経てこういう物語が望まれたのはわかるし、矢口史靖監督らしからぬストイックな(でもディストピアにはなりきらず、コメディの線は踏み外さない)作り込みの好感度は高いのだけれど、細かい設定のガバガバ感が鼻についたので、どうも自分はこの話に向いてないようです。
 ロボジーの印象が近い……というか、僕の大好きな「スウィングガールズ」も、あれ本気でジャズやってる人には聞けたもんじゃないらしいんですよね。
 矢口監督にとって、「創作物とはどうあるべきか」の線引きはそういうもので、噛み合わないときはしかたないと理解するしかないのかもしれません。


 以下、ラストまでネタバレでツッコミの嵐。



映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜」【TBSオンデマンド】 -
映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜」【TBSオンデマンド】


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2017年02月20日

劇場版ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-

[65点]@109シネマズ二子玉川

 ARをストーリーに持ち込んだのは、企画当時は革新的だったのでしょうが、完成前に「ポケモンGO」がヒットしてしまったのがよしあし。わかりやすくなった代わり、本来あるべきリアルへの影響───それを現実でやるといかに邪魔で迷惑な事態になるか───という観点が欠けてしまったのが痛いです。今さら初音ミクなキャラといい、ナーヴギア自体もそれっぽいのが普及し始めた昨今、先進的なイメージを持っていた作品が、時代に追いつかれ追い抜かれているのがちょっと悲しい。
 もはやフツーにゲームでしかないものに、ラノベ的な無茶と不意打ちのご都合主義で「新しさ」「面白さ」を作りこんでいて、そのデキは悪くないですが、肩透かしな感覚は否めません。

 ……いやそれより、忘れてたよ。この作品はさ。
 「夫婦モノ」なんだって。
 そんじょそこらの純愛モノなんて、軽く蹴飛ばすレベルの。

 泣いたり叫んだりの感情的なシーンはほとんどないのに、キリトとアスナがからむたびに熱いラブパワーが滲み出て、ニヤニヤどころかガチ赤面の域ですよ。
 全部わかっちゃいるけど納得しきれないリズベットのあの微妙な表情がね! こっちの気持ちを全部代弁してるようでね! ちくしょう爆発しろ。
 だからこの作品最大の爆笑ポイントは、エンドロールで一瞬映るアスナ母でしょ。え、違う?


 ときに、本作の一番すごいところは、「完全新作、といいつつよくあるサイドストーリーや延長戦」、にはならず、グランドストーリーにがっつり噛ませてるところ。「SAOの100層ボス」をここでラスボスに据えるとは、川原礫、このカードをよくここで切ってきた。こういうのが劇場版の本来の醍醐味とすら思えます。

 あとエイジ役の井上芳雄って、小野玄蕃か!



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2017年02月16日

x+y

[50点]@恵比寿ガーデンシネマ

 「僕と世界の方程式」という、書きたくもない絶望的な邦題で公開されている作品。

 原題が「x+y」。

 数学をテーマにした作品で、この究極にシンプルで美しい題名の価値がわからない人間なんて、言葉を扱う仕事から永久に消えてしまえ。


 ホント、「日本公開すべきでなかったのでは?」とすら思います。この作品のクライマックスは「親子の対話」で、あれはかーちゃん必死で「数学問題の表現で」愛について息子に説いているのです。字幕がそれを訳しきれていないため、感動のクライマックスなのにすごくのっぺりした印象になってしまっています。
 本作は2014年制作だそうで、それが今さらの日本公開なわけで、つまりは本作主演の(すっかりオトナになった)エイサ・バターフィールド君が、「ミス・ペレグリン」でも主演したので、それと同時期の公開なら何とか、という打算なんだろうな。


 理系映画なので興味深かったですし、個々のシーンは面白く見られるものの、正直、ちぐはぐな印象の強い作品です。どうしてこうなった。

 「数学オリンピックに挑む子供たちの物語」を主軸に作りこまれているので、母親と先生の関係のシーンがちょくちょく割り込むのが、話の腰を折りリズムを狂わせ、すごく苦痛でした。
 何しろこのかーちゃんが、「これまでの十ウン年間、息子をなんだと思っていたんだ」というレベルで息子を理解していないんで、物語からすぐフェイドアウトするとばかり思ってました。
 息子は単なる内向的な変人ではなく、はっきり ASD って診断を受けているんだから、それを関係者に周知するくらいはせぇよって話で。そんなだから、出会って2週間の中国女のハニトラに(笑)息子を持ってかれちゃうんだよ!

 ところが最終的には、主軸に見えた数学オリンピックを全部投げ捨て、かーちゃんにクライマックスを委ねます。話がちょくちょく割り込んでいたのはそのためだったのです。
 「十ウン年間何してたんだ」という疑念は晴れないものの、少なくともこの映画内では、「かーちゃんは死んだ父親と違い、落第レベルで数学がまったくできない人で、だから父親に理解できた息子が自分には理解できないと思い込んで苦しんでいた→先生と出会って数学を学び直したので、やっと息子と向き合えるようになった」という話なわけですね。
 で、そうして向き合った息子は「何も難しくない、ポテト鼻の穴に突っ込めばいい」と答える、と。

 ただその後、母に心を開いた息子の告白は、要するに「メイちゃんが好きになっちゃったみたい」、より的確には「あの女興奮する」でしかないわけで。
 結果、数学オリンピック自体に「メイに出会えた」以外の意味がなくなりました。彼を「異常者」「異端児」でなく「よくいるヤツ」と認識して接してくれた、物語の主軸にいると思っていたイギリスチームの仲間たちの存在は、どうでもいい何かに堕ちてしまいました。三角関係にすらならなかったレベッカちゃん。そしてリーダー格のアイザックくんてば、あの忘れもしないタレ目ではないですか。でも本作では存在感ナッシング。


 あれほど数学オリンピック合宿≒台湾ロケに重点が置かれたのは、もしかして、「中国市場を意識しただけなのかも」と考えると、余計に気が萎えます。この映画で、ちゃんと中国国内の公開枠に入れたんでしょうか……?



イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(字幕版) -
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2017年02月14日

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

[80点]@バルト9

 評価が二分しそうな作品。僕は「凄い」と思う派。

 まず凄いのは、予告編において、「奇妙なこどもたち」にのみフォーカスしてよくある異能譚と見せかけて、実は「日本で一番人気があるといってもいい定番ジャンル作品」であることを、いっさいバラさずに宣伝しきったことです。

 「定番ジャンル」であるにもかかわらず、従来の定石・常識を完璧にぶっ壊す、まったく斬新なパターン。そして誰が見ても「監督はティム・バートン」と一発でわかる個性。
 「懐かしいどこにでもある物語」と、「今までに見たことがない斬新な物語」とが違和感なく同居して、個性的な映像の中に織り込まれている。マジ衝撃。

 ただ、過不足なく説明されるとはいえ本当に複雑。かつ、日本映画なら間違いなく三部作にするであろう長い話を2時間に圧縮。微妙な矛盾は放置で進められるので、「何が起きてんのかわからないのが不快」という人は多いと思います。

 以下、超ネタバレ。



シザーハンズ (字幕版) -
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2017年02月13日

虐殺器官

[60点]@TOHOシネマズ川崎

 ……うん、まあ、これまでの2作(「屍者の帝国」「ハーモニー」)に比べれば面白かったけど、物語が面白いところと映像が面白いところがまったくリンクしないあたり、伊藤計劃という作家は映像化には向かないしこの企画は失敗だったとしか。

 まして村瀬修功という監督は、本作同様マングローブの破産の影響をモロに受けたとはいえ、「ギャングスタ」を、救いようのない結末をすべての物語的説明をはしょって放り出すという、近年まれにみる最悪のエンディングを良しとしてしまった人。物語の咀嚼より、絵面のカッコよさを優先するんだと思います。人選間違えたんじゃないですかねぇ。
 軍事ギミック表現は、神山健治の攻殻を超えてそうなくらいカッコいいです(でも「ドローン・オブ・ウォー」「アイ・イン・ザ・スカイ」を見た後だと、標的の居場所もわからんのに歩兵で制圧ってのはいかにも古い)。しかしこの作品で重要なのはそこですか、と。
 物語がそういうことなら、この作品で執拗に描くべきは、アメリカ人の「平和な」市民生活でしょう。それを序盤の背景説明だけで終わらせてしまっているんだからねぇ……。



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2017年02月08日

短評(血煙の石川五ェ門/ドクターストレンジ/未来を花束にして)


Lupin the IIIrd -血煙の石川五ェ門-
[75点]
@バルト9
 前作の次元編は、背景を説明しない点が残念にも思えたんだけど、今作のバッサリ感はいっそすがすがしい。ストーリー的に背後にあるものをあえて全部はぎ取って空っぽにして、ただ強敵との対決にだけ注力してすっぱすっぱ切り捨てていく。
 そしてできあがるのが、五ェ門の斬鉄剣が、装飾を剥ぎ取った白木拵えになる理由の物語、というね……とにかくカッコいい、ザ・小池健アワー、ケレンみ全開の1時間を堪能せよ。


ドクター・ストレンジ
[65点]
@ムービル
 「厨二病」とかいいますが、いい大人が「魔法」を考察してその原理とか効果とかに凝りだすとキリがないわけで……ましてや天下のスタン・リー&マーベルコミックスがそれをおっぱじめた、となると!
 本作は東洋のスピリチュアル路線をメインにしてマゼコゼしているために、ストーリーからギミックからアクションから、必要以上にめんどくさい代物が出来上がっています。率直に言ってわかりづらく、日本人的には(それこそアニメによくありがちな)わりと単純な話に見えるのですが、全然すっきりしません。
 しかし戦闘シーンのVFXだけは、そのめんどくさいこだわりがとてつもなくよい方向へ振り切れていて、ダイナミックでアーティスティックでカッコいい。すごく「映画を見た」満足感がありました。


未来を花束にして
[45点]
@TOHOシネマズシャンテ
 予想と違った。酷い映画だった。……だって、主人公ってばガチ過激派ですぜ!
 それも、途中で刑事が詰問するとおり、運動のトップにとって使い勝手のいい先兵になるよう、家庭崩壊すら辞さないほど都合よく洗脳された人を、徹底して「気高い犠牲者」に描写するんだもの。
 ……いやさ、実際に女性参政権が成立したのが1918年ってことは、それどう考えても「世界大戦のドサクサ」ですがな。実力行使=既得権益者の不利益に直結する労働争議とは違うんだから、彼女らの行動は「脅迫」以外の意味を持たないテロそのもので、むしろ願望の実現を後退させただけとしか読み取れない。なのに「可哀想な人たちの抵抗する姿はすばらしい」とか「マスコミ沙汰にさえなりゃ正義」という、リベラルのいちばんダメなメンタリティを美化して直球でぶん投げるのは、意図的なのか素なのか……。
 そういや、運動の中心にいたパンクハースト夫人を演じるメリル・ストリープが、反差別のつもりで自身の差別的思想を露わにしてしまった話がちょうど持ち上がってるっけね……。



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posted by アッシュ at 14:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする