2017年03月16日

モアナと伝説の海

[50点]@TOHOシネマズ日劇

 えー……なんで評判いいの、コレ。
 アナ雪で、導入が豪速すぎるって書いたわけですが。だからってさ。
 ディズニーアニメで導入に30分かけるとか初めて見たわ! 逆に遅すぎるだろ! それも、「過去にどんな事情があり、現在どういう問題があり、それを踏まえて主人公がこれから何してどうする必要があるかってメインプロット」を、おばあちゃんの昔語りを使って1分足らずで全部説明し終えてから、そのメインプロットに入らないままグダグダ30分。
 マジでイライラして死にそうでした。

 だからマウイが登場して、一気にコメディに舵を切ったときは、「面白い」より「救われた」が先に来ました。マウイは、台詞回しといいキャラ立てといい歌といい刺青ネタといい、「ラスト直前で釣り針壊れるのいやがってひとりで逃げ出す」以外はすべて秀逸。ウォーボーイズとスマウグさん(笑)など、彼の絡むアクションシーンはすばらしく、実に溜飲を下げました。

 しかし、それらのアクションはどれも単発で、終盤にまったく繋がりません。
 「モアナは海のマッドマックス」ってネタがえらく話題になってるけど、「そこしか面白くない」って意味合いでもあるからね? 全然重要なシーンじゃないのに。

 結局、ストーリーが、「凡百」以外の表現がないところに落ち着くのでどうもこうも。
 あの展開で、ニワトリはおろか、「意志ある海」さえ単なるコミックリリーフの役にしか立たん(つまり、「海」さえ存在感が薄い=航海自体が冒険たりえてない)とか、真逆の方向に想像を絶したわ。
 (これさぁ……もしかして、「子供をひとりで行動させると虐待になる」ていうアレな主張に配慮してるのかな? マウイ登場以降は「マウイとモアナの同行を強制」してるのもそういうこと? つまり、この作品での「海」は、第一に「保護者」の役割でなくてはならなかった?)


 自分ならこの話、「おばあちゃん」を全部切り捨てます。えぇっおばあちゃんがいちばん涙腺攻撃してくるのに、とか思う人もいるでしょうが、「おばあちゃんが認めてくれるからオールOK」じゃ、この話なんも意味ネェじゃん。
 こういう「私は私!」な「アイデンティティ」ものはもう食傷気味です。ていうか本作の場合、「I am Moana」でなくて「I am Voyger」と違うの?

 「心」を手に入れたモアナは、海と意思疎通ができるようになる。しかし島外に出たことがなかった彼女ははじめ海を恐れているので、海も少ししか応えてくれない。そのため船を自由に動かせず危険に巻き込まれ、それが冒険行となる。
 マウイと出会い、操船とともに「自らの目的のため、何を考えどうすべきか」を教わるほどに、恐怖が消え「海」がよい反応を返すようになる。そして最後に海と完璧に意思疎通した結果として「海割り」を起こす……。
 ほらこれなら、ばあちゃんいらないから序盤がスッキリするし、彼女の成長&冒険の軌跡がそのままアイデンティティに直結するでしょ?

 万人向けを目指すのもいいですが、そのために「海洋もの」という最大の特色をつぶして元も子もなくしてしまった、そんな作品に思えます。



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posted by アッシュ at 15:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする