2017年09月28日

コラム


 「君の名は。」がハリウッドで実写化されるとか。
 正直、あまり期待しません。かの作品の肝は、内容ではなくスピード感。ハリウッドの(ましてあの「メッセージ」の)脚本家では、あのプロットは3時間でも収まりません。

 (以下「君の名は。」ネタバレ注意で)

 そもそも今のJJエイブラムスがジュブナイルを作るとは思えないので、主人公はふたりとも成人になり、時間差は20年くらいに広がるんじゃないでしょうか。
 都会に住む民主党支持で無宗教なトレーダーのナヨ男が、田舎に住む共和党支持でカトリック教徒な車整備工場のマッチョ女と入れ替わる。時間軸は大統領選直前で、両方の時代で「ブッシュ対クリントン(もちろん彼らをモデルにした架空キャラで、後の時代では共和党側は息子が民主党側は嫁が立候補してるってこと)」って報じられてるので、本人たちは時間差に気づかない。
 そんで、彗星じゃなくて、都会で起きる911的なテロを力業で阻止するのです。途中まで女の方が地ならしをして、バック・トゥ・ザ・フューチャーのラストみたいに最後のとどめだけ男の方が勇気を奮う。
 まずもってこんな内容になると思われます。日本人が見て面白くなるかなぁ?



 「ダンケルク」は、今のところ見ない予定です。
 というのは、自分「ハクソー・リッジ」も見損ねてまして、だったら冬休みあたりにそれと2本立てでどっか名画座がやってくれるのを見た方がいいという判断です。
 画面がカットされてる問題があるじゃないですか、あれたぶん新文芸坐だったらちゃんとした映像でやってくれると思うんだよなぁ。



 政治周りは、もう馬鹿馬鹿しくてしばらくコメントしてませんでしたが、選挙になっちゃいましたね。野党の皆さんは、待望の「解散に追い込んだ」だというのに、何を慌てているのでしょうか。わかんないなー(棒
 以前も書いたけど、選挙では「有能な悪人」を選ぶのです。決して、エモーショナルなだけの「無能な善人」に票を投じてはいけない。
posted by アッシュ at 23:56| Comment(0) | 映画コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月21日

短評(新感染/西遊記2/エウレカセブンハイレボ1)


新感染 -ファイナル・エクスプレス-
[80点]
@109シネマズ二子玉川
 いやぁ面白かった。
 一言で言えば、「電車内」という場所限定の、よくあるサバイバルホラーでしかありません。
 しかし、電車という舞台設定の狭さを活かした、加速するスピード感と濃くなるイベント密度にスキがなく、ハラハラしっぱなし。
 個々のイベントがあまりにツボを押さえてるので、誰がどう犠牲になって誰が生き残るのか読めちゃうので意外性はない(妊婦が死ぬわけないんだよなぁ)んですが、なればこそ丁寧な演出で、カッコいいキャラはカッコよく、無様な奴は無様に散る。王道過ぎてうなります。
 これにKORAILがちゃんと協力してるってのが凄いよね。日本でも車内限定の映画とか撮れたらいいんですが、JR東海は絶対無理だろうな……JR東か西か……たとえば北陸新幹線が敦賀まで延びたら、福井〜敦賀間くらいは貸切で撮影できそうな?



西遊記2 -妖怪の逆襲-
[70点]
@TOHOシネマズ川崎
 よもやちゃんと作られてちゃんと日本に入ってくるとは思わなかった、チャウ・シンチー版西遊記の続編。
 前作もその傾向があったけど、中盤まではやくたいもないチャイニーズ・コントで、日本人には笑いどころがなく、見ててツラいくらい。
 しかし物語が本格的に動き出してからは(あれが全部「フリ」とか、ストーリー的にムリはあるけど)、ノリがどんどんよくなって妖術CGのキレが増していき、クライマックスのバトルCGに至ってはもう「きがくるっとる」としか表現のしようがない弾けっぷり。邦画のCGで、これくらい心のタガを外すのが見られるのはいつの日でしょうか。

 あと、唐突に「Gメン75」のテーマが流れ出して驚いたのですが、アレは何か、主役チームがずらっと並んだらアレ流さなきゃいかんというルールが中国にあるんですか。



交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1
[45点]
@ユナイテッドシネマ豊洲
 ……またやってしまいましたなあ。「続きは見ない」と言ってやるのが礼儀でしょうなぁ。今回も書くけど、「ねだるな、かちとれ、さすれば与えられん」は、キメゼリフじゃねぇんだったら。

 物語の根本である「サマー・オブ・ラブ」を描くという触れ込みなのに、当時はいないはずのレントンが、予告とかに普通に出てるからどういうことかと思ったら。
 序盤20分程度で「サマー・オブ・ラブ」を描いた後は、一見さん完全にお断りの内容になります。エウレカとはどんな存在か月光号とは何かそれらとレントンはどう関わるのか、見ても一切わからない、「俺らの世界に勝手に入ってくるな」レベルでのテレビ版再編集。それも、実質的に1エピソードしか使ってないのを、時系列切り刻みでなんとなくカッコよくしてるだけ。
 どうせサミーから出てる予算を、「サマー・オブ・ラブ」だけで使い切ったわけですね。サミーがほしがる映像もそれだけなんでしょうから、素直に「短編映画」で作ったらよかったのに。
 その「サマー・オブ・ラブ」は、ガチャガチャ出過ぎのテロップを、「設定に凝った短編SFアニメだったらこんなもん」と許容できれば、発狂レベルのバトルアニメーションが繰り広げられるなかなかの出来です。ただし、要するに負け戦なので、カタルシスはありません。でもホントそこしか見どころがなく、そこで満足するしかないのです。



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2017年09月10日

関ヶ原

[70点]@Tジョイプリンス品川

 まず、本作において真っ先に褒められるべきところ。
 エンドロールの、役名を含めた和英併記。
 邦画を見る回数が多くないので、どれくらい浸透しているのかわからないけど、「邦画の大作」では初めて見たと思います。「海外で売る」ならやって当たり前の作業なのですが、日本のコンテンツ展開のガラパゴスっぷりはここにもあるのです。

 本当に久々に見た、人海戦術で描いた戦国大合戦もので、それだけで満足できるわけですが、つまりは海外に売れないとペイしないくらい予算突っ込んだってことでもありましょう。困ったことに、そもそも「海外でウケる内容か」という視点なしにその方針で突っ込んだように見えます。……司馬遼太郎時代小説を海外に売ろうとか考えたの、誰だよ?

 結果、何が起きたかというと。

 セリフの多くが聞き取れません。
 ……黒澤映画かよ! 字幕なら大丈夫ってか!

 合戦だけやる作品かと思ってたら、秀吉と三成の出会いから始まって、秀吉の後継をめぐる家康との確執を全部描いてから大合戦ですから、本来の時代劇の所作からかけ離れた超高速展開、飽和する情報量、必然的にセリフ回しも速くなります。全員超早口で、司馬遼ベースの堅苦しい雅語漢語を振り回すもんだから、歴史マニア以外はついていけません。例の「母衣がわかってない評論家」騒動も、問題の根源はここにあります。
 「ちくじょう」って何だよ! ……「竹杖」か!

 本格合戦活劇と、らちもないラブロマンスのどっちを描きたいのかよくわからないのも辛いところ。ただ、ラブロマンス削っちゃうと、歴史マニアでない観客(本作の場合外国人客も)を完全に放り出しちゃうので、ここは評価が難しいです。
 ただなー、こういうシリアスな話に、おたふくで童顔な有村架純をどうして連れてくるかなー。岡田准一の相手に全然合わない。タッパある分まだ榮倉奈々のがマシ。

 「真田丸」で多くの国民が、また「軍師官兵衛」によってジャニーズクラスタですらも、この物語の時代背景がわかる程度には「歴史マニア」側の観客であり、それが多数派であろうと思われるのが幸いです。いつ頃から本作の企画が始まっていたか知りませんが、これだけの規模だと1年とかじゃきかないでしょうから、本作関係者はNHKに足を向けて寝られませんね(笑。



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posted by アッシュ at 13:54| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月09日

短評(ガンダムORIGIN5/スラッカー/スキップトレース/ザ・ウォール)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V -激突! ルウム会戦-
[評価不可]
@新宿ピカデリー
 第一章第二章第三章第四章

 なぜそこで終わった。

 そりゃないぜおいー。その先を見に来たんだよ俺らはー。こんなん、その先見なきゃ何か言えるわけないじゃんかよー。
 「コロニー落とし」も「シャアがいかに出世し赤い機体を得たか」あたりもあっさりすませて、ルウムでの対立に描写を注力するように見せて、わりと戦略面もきちっと説明して、……それでこれかぁ。
 次回のツカミに見せていただけるということで。



スラッカー
[70点]
@下北沢トリウッド
 リチャード・リンクレイター監督の、初期インディペンデント作品が日本初公開、ということで、気になって見に行きました。
 先に言っとくと、「スクール・オブ・ロック」でなく確実に「ウェイキング・ライフ」寄りの作品だと予測し、眠くならないよういろいろキメて見に行ってます。実際そうなので、レイトショーのみの本作、お仕事帰りの疲れた頭で見るのはオススメしません。冒頭から、リンクレイター監督ご本人が登場して、やくたいもない話をウゼェほど語りやがるので、下手をするとここだけで熟睡できます。

 しかし、揺れる画面でダラダラ喋るだけの「ウェイキング・ライフ」と異なり、次から次に「主人公」が切り替わって、ありとあらゆる立場の若者が、ありとあらゆる方向性の会話を繰り広げます。共通するのは、閉塞した街(1990年のテキサス州オースティン)で、誰一人建設的な「行動」を起こさず易きに流れていること。
 堂々巡りを繰り返すかのようなこの構成そのものが、若者の行き場のなさを端的に表現しており、快不快は別として異才の発露に違いありません。



スキップ・トレース
[60点]
@Tジョイプリンス品川
 ジャッキー・チェンとレニー・ハーリンという組み合わせでちょっと話題……なんだけど、見てみたら普通に香港アクション&バディもの映画。
 バディものとしては、中国大陸縦断を敢行する、馬鹿馬鹿しいほどのダイナミックさが楽しいです。アクションものとしては、ジャッキー衰えたし太ったし、そんなにすごくはないですが、かわいそうに最後まで付き合わされるロシアン・マフィアのみなさんがヨイ。いずれにせよ、脳みそ空にして、ただ楽しむタイプの作品。
 まぁ、今年のジャッキーは「カンフー・ヨガ」が本番ではないかと……予告編を見る限りでは、インドのテイストを再現するにはちょっと足りてない印象なのですが……。



ザ・ウォール
[50点]
@ユナイテッドシネマアクアシティお台場
 Netflixと並んで昨今コンテンツ増強に余念がないAmazonによる、ダグ・リーマン監督のシチュエーションサスペンス。イラクの砂漠で狙撃手に狙われた兵士、隔てるのはたった1枚の小さな石壁だけ、無線通信で繋がったふたりの駆け引き…て内容なんだけど、正直イマイチ。
 狙撃手と主人公に差がありすぎて、緊迫感と呼べるものになってないのです。狙撃手側から見ると、「いつでも殺せる主人公をわざと生かして情報を引き出したい」なのはすぐにわかります。この油断を突くのがこういう話の醍醐味ですが、本作に限っては、狙撃の能力と威力、武器や無線機の性能、距離の隔たり、何よりメンタルの強さ、どこをとっても狙撃手にスキがなく、イベントはあれこれ起きても、主人公が状況を覆す期待がいっこうに湧きません。……中盤に至る頃には、「これで主人公が勝ったら、状況無視のご都合主義以外にありえんやろなぁ」と諦めがついてしまいました。
 実際、終盤に至って「軍曹生きてた」だもの、完全にご都合主義であきれはてました。その展開(軍曹の救出)はこの物語の「最初の困難」以外にあり得ず、ラストシーンの「救援に来たヘリが撃墜される」が中盤で、それを利用(距離を詰める/道具・武器を手に入れる)して最後の逆転に賭ける、が妥当な展開だったかと。



機動戦士ガンダム THE ORIGIN ルウム編 V 激突 ルウム会戦 -
機動戦士ガンダム THE ORIGIN ルウム編 V 激突 ルウム会戦
posted by アッシュ at 12:41| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする