2008年06月19日

●REC

[75点]@TOHOシネマズ六本木

 スペイン発の P.O.V.ホラー。
 スペインの映画はやっぱりいいですね。よけいなことをしなくて、物語の進行にのみ注力してテンポよく進むから楽しくてしょうがない。また、「P2」同様、ひとつの狭い空間で起きていることに特化しているので、予算は少ないんだろうけど安っぽさがありません。
 この手の作品のさきがけである「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を見たことがないので、こう手放しにしてはよくないかもしれないけれど、少なくとも「クローバーフィールド」よりはるかに臨場感があり、面白かったです。

 消防士の密着取材番組を制作していたカメラマンとリポーターが、出動についていったらば、ある古いアパートに住民や消防士たちとともに閉じ込められてしまう。中では、住人の老婆が凶暴な怪物に変容していて襲われて……という話。

 「プロのカメラマンが取材目的で持つカメラ」であるため、「クローバーフィールド」のように、なんでおまえ、こんなときにカメラ回してんの? という疑問を持つ必要がありません。むしろ、「今起きていることをあますことなく記録し、後で報道する」つもりでいるので、手を止めることなく全部撮ろうとするわけです。
 この設定が、各所でぴたりぴたりとハマっていきます。





 たとえば。
 まだ事態が深刻でない状況で、彼らは、住民たち一人ひとりにインタビューしていきます。取材番組ならではの構成。ところが、このインタビューで、事態とは最も関係なさそうな回答が、実は終盤で重要になるのです。
 また、子供がうっかり触ってカメラを回してしまうというシーン、そんな展開を組み込むなら、何か物語に進展があるのだろう、と思っていたら、何も起きない。???と思っていたわけですが……よく考えると、伏線である「傷」をはっきり映すためだったのですね。

 そしてクライマックス。
 先ほども書いたとおり、この手の作品では、「危機に陥ってもカメラを回すなんてバカじゃねぇの」という感覚が支配してしまったらおしまいです。
 この作品は、本当の危地に至ってそれを見事に回避します。「カメラを回していなければならない」状況に追い込まれるのです。この時点での映像が最強に怖い。
 他の作品でこの手法ってあるんでしょうか。僕は初めてだったので、想像以上の映像に刮目したのですが……。

 だからこそ、だからこそこのラストシーンは惜しい。
 ここまでやったからには、生還させてほしかった。何とでも方法はあったと思うのに。
 でもまぁ、そうならないから P.O.V. という手法は成り立つ、という考え方もあるのだけれど……。

 ……あと、になぜ感染したかという説明は、ありましたっけ?
posted by アッシュ at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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