2008年07月13日

ミラクル7号

[90点]@シネマスクエアとうきゅう

 点数は、小学校教師にしとくにはあまりにもったいなさすぎる、超美人なユアン先生補正コミ。

 いろいろ妄想してみます。
 チャウ・シンチーが「少林少女」や「ドラゴンボール」のプロデューサーをしているのは、たぶん本作の制作費を稼ぐための名義貸しだったんでしょう。
 でも、「少林少女」は惨澹たるデキで。それはもしかすると、名前を貸しただけの人に手柄が持ってかれることを嫌った、制作陣のモチベーションの低下によるものだったとしたら。
 そして、「少林少女」の評判がもしよければ、「少林少女の」を枕ことばにして、フジテレビとかが本作をもっと大きく宣伝してたんだとしたら。
 チャウ・シンチーは、少なくとも日本では、あまりに大きなミスをしてしまったんだと。よもやチャウ・シンチーの新作の上映旗館が「シネマスクエアとうきゅう」なんぞという話にはならなかったはずじゃないかと。
 本作は、夏休みの間はびっちり上映されるべき、子供向け作品の傑作なのに。


 もしあなたが、ウンコネタで大騒ぎできるお子さんをお持ちならば(あなたご本人でもいっこうにかまいませんが)、今夏の本命は、何はなくとも「ミラクル7号」です。ポニョはまだ未知数ですが、ポケモンとかナルトとかより本作が優先です。幸い、吹き替え版の上映館の方が多いようですし。

 本作は徹底して子供目線で、「小学生の世界」をコミカライズすることを重視し、そこに異物が紛れ込む、藤子不二雄的ワールドの典型が構築されています。笑わせるところと、泣かせるところと、その分け方・融合のさせ方、主人公との距離の取り方。
 ドラえもんが子供たちに愛される存在になれたのは「ひみつ道具を出すから」じゃないんですよね。

 この作品の評価をばっさり分けるのは、おそらく、「父親の死」のシーンをどう受け止めるかではないかと思います。
 僕も、あのシーンを「ふーん、そう来るのか」とあっさりと思い、その後のシーンでじゅんとなりつつも、このエンディングはベストといえるだろうかと感じずにはいられませんでした。「死」はもっと大きな代償で描かれるべきだし、あの流れなら、「りっぱな大人になって再会」がベストなスジだと思います。
 でも、見終わってからふつふつと思い返すと、あのときの、ディッキーが窓からただ見つめ続けるシーンを、「父親が死ぬ」なんて想像したこともない子供が見たらどう感じたんだろうと。その後の展開は  。゚(゚エД`゚)゜。ウワァァァン! でしかないでしょう。
 そこから、晴れやかな気持ちで家路についてもらうには、どうしたらよかったかと考えてみるに……。


 「きれいなストライク」を望んじゃいけなかったのだと思います。キャラクターにややクセがあるので勘違いしそうですが、これは剛速球のストレートなんですね。けどそれは、「おおきく振りかぶって」における三橋のストレート。打撃練習をしている人ほど打ちにくい、迷いなくピュアな本当に変化のないストレート。

 繰り返します。もしあなたが、「スカートはいてリボンをつけた朝青龍」にゲラゲラ笑えるお子さんをお持ちならば(あなたご本人でもいっこうにかまいませんが)、今夏の本命は、何はなくとも「ミラクル7号」です。
posted by アッシュ at 20:41| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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ミラクル7号がもたらしたものは何か
Excerpt: 最近重たい映画ばかり見てきたので、チャウ・シンチー監督のミラクル7号を見てきた。スピルバーグのETと異なり、ミラクル7号の真の能力をだれも見ること無く終わってしまうところが良かった。結局のところ人間は..
Weblog: オヤジの映画の見方
Tracked: 2008-07-15 16:45