2008年12月14日

小森生活向上クラブ

[20点]@シネアミューズイースト・ウェスト


 習作で金を取るな。


 ……これだけではなんなので(いやぶっちゃけ一行で終わらせたいんだけどさ!)いちおう説明すっと、古田新太初主演で、平凡なサラリーマンが、急に正義に目覚めて必殺仕事人を始めるって作品。古田新太は好きだし、予告編が面白そうだったので見に行きました。けっこう楽しみにしてたんだよ。

 なんだけど。
 ひどかった。



 とにかく映像がひどい。いっとくけど、僕はストーリーに興味があって映画を見てる人であって、映像はド素人です。どれくらい素人かというと、ビデオカメラを持ったことがありません。それでも胸を張っていえる。この作品ならダメ出しできる。
 美術監督が、僕でも名前を知ってる、びっくりするくらいの大物なんだけど、この作品に関して言えば老害だったといわざるをえません。「シルバー假面における実相寺昭雄監督」を連想しました。

 ていうかね。やたら映像効果が多彩なの。いろんな手法でやりたい放題撮ってる。カメラワーク、演劇的な構図、照明、長回し、レンズのフィルタ、ワイプ、スーパー、CG、特撮、とにかく使いまくる。
 でも、個々のシーンで、その手法を使うことでどういう利点があるか、どう使えば最大限に効果的なのかと、試行錯誤した形跡がまったく見られない。とにかく使ってみただけ!
 全編がそういう状態で、しかもそれぞれの手法がバラバラに使われ、統一感はゼロ。まとめようとした気配がない。こういうのは「実験」とすらいわない。「練習」といいます。
 ついでにいうと、特別なことをしない、普通のカットでは、正面から固定カメラで撮るばかり。無策ぶりにあきれます。

 笑っちゃうのは、「空っぽのプールの中で会議する」というカット。ふつうの映画監督が撮ってれば、間違いなく「なかなかシュールな絵作りだな」と思ってもらえるはずで、この作品でもいちおうそれは狙ってると思うの。
 でもこの作品の場合、「そのテクニック」を使ってみたかっただけなのね、と丸分かりです。広くて平坦で、風や影の影響がなくて、機材置けて、しかも安く借りられる。「空のプール」って思いついた瞬間、スタッフは「オレって天才」と思ったんだろうな。

 逆に言うとさ。映画って、無計算無計画に作ると、こういうことになるんだなぁって。
 どんな駄作に見える映画でも、ちゃんといろいろ考えて、きちんとプロが仕事を果たした上で絵作りされてるんだなぁと実感しました。あんまり dis っちゃダメだね。


 肝心のストーリーはというと、演技と話のテンポと、提示される「KSC の理念」自体はうまく機能しているので、中盤までは退屈せずに見られます。新宿ぼったくりバーのシーンは正直ぞくぞくした。
 だからそちらは評価できるかなーと思ってたら、中盤以降だれて、終盤いきなり観念的になって、結局ぶん投げやがった! 下田夫婦何のために出てきたのー!
 推測なんだけど、これって深夜ドラマかビデオシネマ向けに全6話くらいで撮影を進めてたのに、途中で資金が尽きたか本来の監督が逃げたかして続けらんなくなって、ちょっとでも回収するために無理やり編集して2時間の映画にしたんじゃないかな……。
posted by アッシュ at 01:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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