2008年12月29日

252 生存者あり

[60点]@吉祥寺バウスシアター

 見てから感想書き上げるのに10日以上経ってます……。

 他のみなさんは「海猿」と比較するんだろうけど(自分は未見)、自分の場合、比較対象が「花田少年史」なので……いやー、びっくりした。とても同じ監督が作った映画とは思えない(よい意味で)。
 そりゃあプロから相当量のアドバイスを得たのだろうけど、これだけの作品をまとめきったのはすばらしい。


 宣伝は「巨大台風上陸」であおった作品ですが、思ったよりも物語の範囲が狭いことが特徴。前提として、「地盤陥没が起きた新橋周辺のみで、レスキューが活動する話」と絞り込まれています。
 台風の予測に失敗した後は、「台風の目の通過時間」を計算するだけの役回りの気象庁のテキトーさが哀れです。なんだよ「予備の人工衛星」って。しかも予備の方が精度高いの?
 映画序盤の高潮襲来のCGはすごくよくできているのです(特に、実写の上空からの俯瞰に水のCGを重ねているシーン。豆粒大の車がちゃんと流されているのが見えたときはちょっと感動した)が、その後のお話が「新橋以外の被害は無視」で突き進むので、観客とフジテレビ関係者をびびらせる以上の意味がありません。

 が、この話が風呂敷を広げすぎず、物語の範囲を狭めたのはむしろ利点でしょう。被災側、救助側の双方で、てがたくも濃密なドラマが繰り広げられます。
 (逆に言うと、問題を全世界に広げると思われる「感染列島」は「日本沈没」なみに失敗しそうな予感……)
 ご都合主義的な話でありながら、実際にありそうなシーン(局地災害であれば、だけども)をCGでリアリティを高めて丁寧に絵作りしたうえでたみかけてくるので、非常に好感が持てました。
 「あわえもん」が売れてキム兄が金持ちになるという後日談が見たかったなー。


 ただなぁ……クライマックスのまとめに超絶大失敗してるんだ。この話。ここさえまともだったら個人的には「傑作」と呼べるんだけども。



 ここまでのご都合主義が、フィクションとして許容範囲だったのに、クライマックスで一気に逸脱するんですね。ぶっちゃけ、完全に醒めた。
 まだ全員助かってないのに、「母子再会」にあきれるほど長い時間を割く時点で最悪なんだけども、

 ・これまで救出に全精力を注ぎ込んできたレスキュー隊隊長である兄が、完全にあきらめている。
 ・地下深層への陥没であるため、レスキューにはヘリを要した。そこに二次災害で更なる陥没が発生。
 ・主人公は足を怪我している。

 この条件下で、ただただ見栄えだけを優先してあのラストカットを選択するというのは、もう「無能」と呼んでさしつかえないレベル。
 水田伸生監督はうまいのか下手なのかどっちなんだ。柔軟すぎるだけか。
posted by アッシュ at 12:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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