2006年01月24日

スタンドアップ

[55点]
 基礎知識がなくて(アニータ・ヒルとか)あまりのめり込めなかったせいかもしれないけど、思ったよりフツウでした。もっと手厳しく世を告発する作品は色々あると思うんですが。それこそ、シャーリーズ・セロンの前作「モンスター」みたいな。

 のめり込めなかった理由のひとつは、これも導入がヘタクソだから。ファーストシーンが「裁判のカットを交えながら、泣きながら家族で旅に出る」ワケわかんねぇ。「夫が理不尽に暴力をふるうから鉱山町の実家に逃げた」てとこまではっきり提示してくれないと、ついていけませんて。

 さて、セクシャルハラスメントが題材のこの映画。
 鉱山で繰り広げられる数々の嫌がらせは、女性にとっては本当に怖いものだろうと思いますが、あれ、男が見ても怖いです。オトナゲない「セクシャル」を通り越したただのイジメが大半ですから。実際にあんなことになってたんでしょうか。
 だからちょっと気になるのは、結果的に女性の地位が向上したとしても、それですむのかな、と。1975年以前の女性がいなかった時代は、弱い男性や新米の男性が同じ目に遭っていたはずで、その頃に戻るだけじゃないのかな、と。
 具体的にどう変わったのか、ちゃんと見せてほしかったように思います。

 あぁ、でも、この映画で男性にとっていちばん怖いシーンはね。
 「ジョージーの父親の翻意を促すために、妻つまりジョージーの母親が書いた手紙」だと思いますよ。あれ、何が書いてあったんでしょうねぇ……。


 しかし、ラストに致命的な問題がありませんか、これ? 世の女性はこの結末でいいんですか?
 (以下ラストまでネタバレ)


 最後の争点が「主人公が過去にレイプされたかどうか(現時点のセクハラ問題とおよそ関連がない)」で、しかも証人のボビーから「あれはレイプでした」って言葉を引き出すのが、単なる男同士の根性論ってのはダメ過ぎでしょう。
 そもそも、ボビーは根性論で引き下がれる立場にないはず。だって、ここでジョージーの主張の正当性を認めてしまったら、そのまま「彼が職場で彼女に何をしたか」まで認めることにつながるんですから。自分が犯罪者になるかどうかの瀬戸際なんだよ?

 百歩譲って過去のレイプが争点として、千歩譲ってボビーを責め立てるのが男性弁護士としても、最後にトドメを刺すのは、ジョージー自身が女性のプライドに基づいて発した言葉であるべきです。
 その言葉を聞いた結果、ボビーが自らの罪を認めてがっくりと肩を落とすと同時にグローリーが立つ。これ以外の結末はあり得ないと思います。
posted by アッシュ at 00:40| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: モンスター 通常版 『Aliiy』編集部のナオです。 お待たせしました! 『Aliiy』の人気コーナー"シネマdeキレイ"が本日更新しました。 今回は『スタンド..
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