2011年01月10日

短評・2010年分総ざらえ

いっぺんに5作品分。

武士の家計簿
[50点]
@109シネマズ四日市
 堺雅人と仲間由紀恵という組み合わせに期待するも、イマイチ。
 史実に沿った話だからしかたないんですが、あまりに盛り上がりに欠ける、ていうか、最大の盛り上がりが人生の前半に来る「一代記」なんですな。人生後半は「父と子」でムリヤリ泣かせを試みるも、まったく心に来るものなし。堺雅人をそんな役回りで使った時点で失敗の感。
 猪山一家のキャラ立ちの良さはなかなか。しかし、中村雅俊・松坂慶子という主人公の両親がいちばん自然で、かつ際だっています。つまりここでも人生前半が面白い、てことになってしまい、後半の「ムリヤリ泣かせ」感を強く出す結果になってしまってますね。


SPACE BATTLESHIP ヤマト
[70点]
@渋東シネタワー
 期待値よりずっとよかった。出る作品すべてを自分の色に染める「スター」キムタク流に理解があり、とても軍人とは思えない軽い言葉の応酬に抵抗がなければ、フツーにおすすめできるんじゃないでしょうか。
 CGはマジで日本映画史に残るクラスで、やっとハリウッドとタメはれるレベルに追いついたかと感慨深くなります。キムタク流ドラマの範疇、と考えれば演技には概ね真剣みがあって悪くないですし、原作の良さもあるだろうけど、物語の組み立てや伏線の扱いに不備がないので安定してます。

 イベントの始まりにタメがなくて唐突感の多い演出はちょっと気になります。さらに、尺の問題もありましょうが、「宇宙航行」している表現が皆無に近い。「ワープ」演出のあっけなさはさすがに、この作品がSFであることが忘れ去られてるなぁと思わずにはいられませんデシタ。

 ときに、原作からの改変で問題なのは、言葉が軽いことより、佐渡先生が女であることより、「グーで人を殴る森雪」だと思います。


トロン:レガシー
[35点]
@新宿バルト9
 ……久々に時間を無駄にしたと思いました。
 デザインと音楽以外は、旧作はおろか、さらに数十年くらいさかのぼった以前から繰り返されてきた、ときに相手がローマ的だったりナチ的だったりする「管理社会もの」をひたすら焼き直してるだけ。
 何しろ「生命=プログラム」であるサイバースペースなのに、食事はするし移動は車だし空戦は航空力学駆使するしで、デジタルであることを意識したオリジナルの世界設計は、予告でさんざん流れたあのゲーム空間をはずれてしまうと、まったく出てきません。
 ディズニーだから「これが初めての映画」みたいな子供客を想定して作ったのかもしれないけど、そうでなければ「もう飽きた」としか感想がないです。字幕のなっちのせいでしょうか。
 しかも、出来はよくても、あの光のページェントみたいな画面が暗いこと前提のデザインは、3D映画として大宣伝したのに、その効果を殺すこと甚だしい。誰が許したんだあんなの。


劇場版イナズマイレブン 最強軍団オーガ襲来
[60点]
@新宿バルト9
 五条さんは出番なかったね、当たり前だけど。
 てゆーか、あの人気投票のいちばんの問題は、「劇場版登場人物限定」にした結果、画面に登場したかどうかさえわからんキャラにまで被投票権があったことだと思う。

 3D版で見たんだけど、もしこれ2Dのみだったら、オトナ目線的にはどんだけ手抜きな作品だよって話で。半分以上が第一部の総集編とはさすがに思わなかった(でも第一部がいちばん面白かったのは事実でね……未だにベストバウトは御影専農戦ですよ僕は)。
 そこから先のノリはいつも通り。円堂キャプテンの勢い任せの無責任な鼓舞はより濃度を増し、2以降の、あまりキャラの掘り下げなく必殺技の応酬で終わりな展開も一緒なあたりに、もはや安心感すら漂うのがイナズマテイスト。

 なら、3Dとして面白かったかというとそうでもない感じ。丁寧に作ってある印象はあるものの結局セル絵が前後してるだけだから、凄いとは思わず。元々ゲームだから、3D向けの演出はさんざんしてるわけで、これを普段のアニメでもデフォでやってくれるとうれしいと思いました。

 助っ人に飛鷹が選出されてんのが謎だったんですが、あれ、「助っ人にひとりくらいディフェンスいないとバランス悪いだろ、でも、このレベルの敵を相手に回すと真空魔くらいしか対抗できる技ないよな」的な消去法だよねこれ。


キック・アス
[85点]
@シネセゾン渋谷
 個人的には、キュートでセクシーなヒットガールたんに悶えつつも、エスターでも感じた「子役にそこまで演じさせていいの?」という疑問が生じたのが正直なところ。
 いちばんやばいと思ったのは、「レッドミストがビッグダディを捕らえるために隠れ家Bに突入しようとしたとき、無警告でいきなり居合わせたヒットガールを撃った」シーン。ここに何のエクスキューズもないのは、その後の展開を考えてもすごく不自然で無意味に残酷。

 けど、全体から見れば些末なその部分が気になる以外、とにかく物語の組み立て、キャラの立て方が完璧。キック・アスの「強さ」の理由のつけ方と、「強い」Ver.2 になるまでの展開には感じ入るものがありました。んで、ニコラス・ケイジはホント、クソ親父以外の役はもう必要ないな!


 それにしても、シネセゾン渋谷まで閉館の噂……。
 シネセゾンに関していえば、隣のピカデリーが閉まった後もまともに生き残り策を講じた形跡がないから予定調和な気がしますが(ビル側の意向じゃないかしら。あの6階全体を改装するとか)、東京テアトル系は、番組の選び方といいあの中途半端な座席指定システムといい、「ミニシアターの苦境」っていうより、「ユーザー視点に立たずに興行を続ける古くさい時代の残滓」の印象が強い。自業自得じゃないのかね。
 まあ東急会館がばかでかいシネコンになって再開するって話だし、今のうちに撤退というのもひとつの選択肢なんでしょう。
posted by アッシュ at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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