2012年01月19日

ロボジー

[50点]@チネチッタ

 えっとねぇ……点、辛いです。
 えっとねぇ……私、実は、工学部出なんです。
 かつ、こういう「ごまかし」展開を大の苦手としてるんです。


 あるていど覚悟してたけど、……ていうか、「じいさんがロボットの中に入る」などというおバカなシチュエーションは元理系としてものすごく気に入っていて、苦手展開でも見たいと思ったからこそ、公開すぐに行ったわけですよ。
 まさかこういう───あのさ、「スウィングガールズ」作った人なのだから、あの三馬鹿がちゃんとロボット作り上げて、大舞台でお披露目するってところがクライマックスになると思うじゃないですか。
 なぜそこで終わりますか。

 この作品は、どうにもならないくらい、一般人から見た「ロボットに対する憧憬や期待」からなる「ファンタジー」であることは一目瞭然です。村田製作所連れてきても、初音ミクを持ち出してもどうにもならない。
 CADも知らないレベルの知識しかないボンクラが冒頭の二足歩行ロボを作れてるとか、開発予算より飲み食いの予算が問題になるとか、理工学部生があんだけ揃っても嘘を見破れないとか、偽物疑惑が「海外の指摘」というのはいったいどんだけ日本の技術者バカにしてんだとか、もういいよ! そんなの、ファンタジーなんだから。

 でも、ファンタジーならファンタジーで、思いっきり嘘くさい感動見せてくれていいじゃん。途方もない奇跡が起きてもいいじゃん。せめて、ようこちゃんを仲間に加えて、あの記者会見までの数日で「ニュー潮風2」を完成するって展開にしてほしかった。
 なんで「偽物疑惑をかわす」「現実から目を背けさせる」なんてみみっちい部分でクライマックスになんのよ。エピローグが「一年半後」って、なんで突然「成長期間」なんていうリアリティに目覚めるのよ。「若者たちの成長を待つために、自分は文字通り身を投ずる」それは本当に、このファンタジーの終着点であるべきだったのか。

 じいさんがなぜその行動を取ったか、あるいは、ようこちゃんの気持ちとかはきちんと織り込まれていて、あの時点ですっとまとまるわけだから、人情ものとしてはクライマックスになるのはわかります。あれで「あぁよかったね」と思える人はそれでいいんすけどね。


 FACOMを開発した富士通の池田敏雄氏が、こんな言葉を残したと、プロジェクトXか何かで紹介されたことがあります。
 「感動だよ。感動からすべてが始まるんだ」
 宇宙物理とかならともかく、電子工学の技術者がこんな抽象的な言葉をさらっと言うわけないじゃないですか。
 僕は、彼がこう言いたかったのだと勝手に解釈しています。
 「完動だよ。完動からすべてが始まるんだ」

 この作品は、完動しなかった。そんな感じです。動かないテクノロジーに意味はない。
posted by アッシュ at 01:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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