2006年10月20日

パビリオン山椒魚

[15点]@シネセゾン渋谷

 奇跡です。
 これは日本映画界の奇跡です。


 そもそも「長回しかっくいー」と思ってるレベルの凡庸なセンスの持ち主が何やら賞を取り、長編映画を撮れる立場になったことが奇跡。
 少なくとも企画書というモンがあると思うのですが、この作品のそれを見てカネ出す価値があると思った人がいたことが奇跡。
 ここまでちゃらんぽらんな脚本にダメ出す人がいなかったことが奇跡。
 撮影中に監督を殴ってでも止める人がいなかったことが奇跡。
 あきれて逃げる俳優がいなかったことが奇跡。

 ……なんだかんだいって、撮ってる間はこの監督さん、彼の価値観においてすっげー楽しかったんだろーなぁ、という雰囲気がそれなりに伝わってくるのが奇跡。

 結果、泣けもしなければ、笑えもしない。感動はないし、何か世に訴える中身もない。不条理ものを受け入れられない人にはまったく意味不明で、受け入れられる人には起承転結整ったなーんもトンガったところのない平板な話。
 逆にいうと、怒ったり憤慨したりの感情も喚起されません。「これはダメだろう!」と積極的に非難する気も起こらないんです。
 「ある脚本に基づいて二時間ほど俳優たちが演技してます」「とりあえず映画としては完成しているように見えます」という以外、プラスもマイナスも付加価値が何ら見いだせません。
 「オダギリジョーと香椎由宇」以外の宣伝文句がない、本作の宣伝を担当された方の苦労が忍ばれます。

 もしかしたら「この程度でもいいんだ!」と若い作家たちに勇気を与えるのが目的なのでしょうか? ねぇ、制作に名を連ねている「東京テアトルシネマ」さん。
 「彼らのメンツ」以外に、この映画が商売として映画館で興行される理由も可能性も見あたりません。

 でも、僕はこの映画をちゃんとシネセゾン渋谷で見たのです。
 奇跡です。
posted by アッシュ at 23:44| Comment(0) | TrackBack(2) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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香椎由宇
Excerpt: 香椎由宇情報満載です!
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Tracked: 2006-10-23 19:53

映画/パビリオン山椒魚
Excerpt: 映画「パビリオン山椒魚」 監督・脚本 冨永昌敬 音楽 菊池成孔 出演 オダギリジョー、香椎由宇、KIKI、高田純次、津田寛治
Weblog:  サ バ ペ
Tracked: 2006-11-08 02:58