2006年12月22日

敬愛なるベートーヴェン

[80点]@新宿武蔵野館

 映画としては、どーも歯切れの悪いシナリオで、どーかなぁと思う部分もあるのですが。

 ……やられた。
 この作品に対するいちばん率直な感想は、「おもしろかった」とか「すばらしかった」じゃなく、「えーもん見してもらいました」です。

 僕はもう、アンナがベートーヴェンの家にやってきて、その直後にベートーヴェンがるんたったと軽やかな足どりで食事に出て、友人に「デキる娘っこがオレっちに来たんだよーん」とうれしそうに吹聴したあたりで(実際はこんなに軽くありません)、

 なんかスイッチ入った。

 犯罪的、ってゆーか現代なら確実に訴訟モンのヤバげな言動が、「ベートーヴェン」というだけで許されるこの潔さはフェチの域です。
 ゲージツカのおうちでいっしょにはたらく将来有望な娘さん。この子をイジると気が強いもんだからイジられ返されちゃうってのがまたオジサン至福なんですーみたいな……コレ、日本だったらエロゲーです。間違いない。
 でもそれが、生活においても、仕事においても、芸術においても……と、来るから一筋縄じゃない。ゲージツカなオジサンは、自分の弱いところを何から何まで娘さんにどんどんさらしちゃうの。Wash Me!

 しかもなんちゅうの、表情の撮り方のステキなこと! ダイアン・クルーガー可愛い! 美人! オジサン骨抜き!
 「芸術家同士の精神的交歓」といえば言葉は美しいし、実際エロいシーンなんかほとんどないんだけど、間接的にすごく肉感的なんです。うまく表現できなくてもどかしいのですが。


 え?
 音楽?
 あ、僕はクラシックは全然ダメです。
 冒頭なんて、何をフザケてんだろうとしか思いませんで、プログラム読んではぁそうなんですかってもんですが何か。


 でも実際、この映画の「精神的な」真のクライマックスは第九ではなく、精神的交歓がきっちりシンクロした瞬間、つまり、「壊して正解です」以降でしょう。

 傑作とか佳作とかでなく、ほんと「えーもん」という感覚でいっぱいになれた逸品でした。
posted by アッシュ at 01:45| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【劇場鑑賞142】敬愛なるベートーヴェン(Copying Beethoven)
Excerpt: “第九”誕生の裏に、 耳の聴こえないベートーヴェンを支えた女性がいた。 孤高の音楽家ベートーヴェン、歴史に隠されたもう一つの物語。
Weblog: ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!
Tracked: 2007-01-04 22:12