2013年03月23日

ボクたちの交換日記

[80点]@チネチッタ

 知られざる傑作「ピーナッツ」以来の、内村光良監督作。
 鳴かず飛ばずのコンビ芸人が、売れるためには相互理解が必要だと、交換日記を始める話。

 結論からいうと、ガチ泣き。

 北野武も松本人志も後回しにして、日本映画界はウッチャンにもっと映画を撮らせるべきです。
 今の日本に必要なのはこういう映画。


 技巧的なよさは感じられません。そもそも「交換日記」が日記っぽくなくて、設定が生きていないし、最終的な落としどころは予定調和感があっていまいちだし、ヒロインの長澤まさみは菩薩過ぎる(笑。


 しかし、内村監督は今回も容赦なく「敗北」を描き出します(彼らのレベルまでいけない人が大半だと思うので、安易にそう表現していいかは微妙ですが)
 お笑いの世界を酸いも甘いも知ってる人が、いくつものついえた夢を知っている人が、真っ向からその世界を描くのです。リアリティなんてものじゃない。ほとんどドキュメンタリーとしか思えない。

 この作品の恐ろしいところは、「お笑いコンビの仕事と生活」以外の余計な内容が何ひとつ含まれないことです。過度に感傷的になることなく、彼らが純粋に「青春のすべてを賭けている」ことだけがスクリーンに描かれます。
 突発的なアクシデントは起きません。「彼らが向き合っている世界」だけで物語は進展し、起きることのすべては、彼らが本気で、納得ずくで選んでいった人生の結果なのです。
 それでも、現実の壁は厚く。

 中盤の「笑軍天下一準決勝」のシーン、何が起きるかわかっていても、本気で目を覆いました。あんまりだ。


 あと、そういう物語の中で、「彼らを応援している先輩芸人」として本人役でカンニング竹山が登場。もちろん「竹山隆範」でなく「カンニング竹山」名義で。たいした出番ではないのだけれど、この人選だけで何か背筋に来るものないですか。
posted by アッシュ at 19:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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