2013年03月30日

劇場版花咲くいろは -HOME SWEET HOME-

[80点]@バルト9

 始まる前は、66分で1800円?! パンフ1200円?! そりゃギラギラしすぎだろう! と思ったのですが、蓋を開けてみれば、唸ってしまうほど、既成のファンに向けた「劇場版」アニメの理想型。大満足。

 マクロスFB7とかスタードライバーとかの関係者は、観客はむろん興行関係者にも、2時間以上も館を占有して申し訳ありませんでしたと伏して詫びた上で、認識を改めるべき。


 「劇場版」の例に漏れず、舞台やキャラについて一切の説明なしで、原作アニメ知らない人は置き去りです。どれくらい置き去りかというと、「ぼんぼる」「ホビロン」に解説なし。知らない人は日本語と認識できないってば……。

 逆に、原作を知っている人は、「描かれなかった部分」「足りなかった部分」を、原作の流れを阻害することなく、新しいエピソードで鮮やかに補う、密度の濃い66分に誰もが満たされることでしょう。
 正直、実写映画だったらちょうど2時間分見たくらいの密度だったと思えます(この感覚はガンダムユニコーンにもいえる)ので、66分で1800円の価値が十分にありました。むしろ、アニメは演出のテンポがどうしても速くなるので、これくらいが「1つの映画」としていちばん快いのかもしれません。


 時間軸は、修学旅行後〜縁の結婚前。学園祭とどっちが先かな、というタイミング。
 緒花の母皐月のなれそめ話を軸として、それぞれに夢追い人である四十万親娘三世代の物語という主題をきっちり描き出しながら、なこち、みんち、結名にそれぞれサブエピソードを割り振って絡めていきます。特に、原作で欠落した「なこちの家族」の話がすばらしく、感情爆発のリアリティとそれを四十万親娘に重ね合わせてくる手際は、さすがの岡田節。

 他のキャラはネタ要員ですが、次郎さんの「貸本」といい巴さんの「角質」といい、ネタの切れ味が実にいいので、全編通して楽しいです。
 字義通りに「ファンにはたまらない」佳作でした。
 (「ファンにはたまらない」という文句は、最近は失敗企画の代名詞になってるから使いにくいよなぁ……)


重箱の隅。
・なれそめ話の中で、さりげなく「一世代前のノスタルジー」が織り込まれているんだけど、特にうわぁ……となったのが「さくらカラー」。今でも残ってそうだけど。
・原作の頃からあの路線はなんかできすぎてると思っていたのだが、ディーゼル一両を単線で走らせてる鉄道路線の運行が、真昼で三〇分間隔なのかよ! どんな大都会だよ! 田舎舐めんな!
・特典の色紙が、三人で行ったら、「巴・巴・緒花」だったんだけど、これって、実は巴が全体の七割くらい占めてて、コンプしようとすると巴が十枚くらいカブる、みたいなガチャ商法、やってないよねぇ? 僕は能登キャラ大好きなので全然かまわないですが(笑 
posted by アッシュ at 18:27| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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