2014年02月19日

短評(MUD/ウルフオブウォールストリート/ラッシュ/エージェントライアン)

MUD
[70点]
@ヒューマントラストシネマ渋谷
 「テイク・シェルター」のジェフ・ニコルズ監督の新作。
 アーカンソーの片田舎で、洪水で流されたモーターボートを見つけた少年ズ。秘密基地にしよう! と画策するも、指名手配中の犯罪者が先客にいた。愛する人と逃亡したいという彼の計画を手助けして奔走するうち、少年ズは大人の世界を垣間見る……という、「スタンド・バイ・ミー」系の話。「インジャン・ジョーがいい奴だったトム・ソーヤー」といった方が近いか。
 いらぬものを廃した丁寧な作劇で、見応えがあります。純朴なるエリス少年が知るのは、大人の世界というより実は「女心がいかにわかんねーか」であるのが切ないです。でも輪をかけて純朴なMUD氏は、エリスが持ち得たささやかな絆も持ち得ず、その生き方を甘受するしかなかったのでしょう。救いのあるエンディングなのが幸いです。
 終盤の銃撃戦の、「なんでガーヴァーはそこを即襲撃できたのか?」という点に、丁寧さが欠けててちょっと残念。


ウルフ・オブ・ウォールストリート
[70点]
@TOHOシネマズ川崎
 いやはやもう……酷いヤツもいたもんである。
 「欲にまみれた人間の業を赤裸々に」とか、いくらでもマジメに表現することはできるんだろうけど、いやほんと……酷いんである。
 こういう話をハリウッドがやると、主人公は必ずヤク中なわけですが、本作におけるレオナルド・ディカプリオ&ジョナ・ヒルのぶっ飛びっぷりは、狂気という言葉すら生ぬるい。「バッド・ルーテナント」におけるニコラス・ケイジを軽く超えてる。さすがにここまでやっちゃヤバい、ていうか本当に「酷い」しかスクリーン上にないってのは映画作品としてどうなんだ。
 しかし、ただただ酷い、それゆえ面白い。これが実話ベースそれも「自叙伝」がベースというのだから、世界にはホント限界なんてないんだ。馬鹿さ加減は「ハング・オーバー」辺りと比較した方がいいんだろうけど、あんなたかがフィクションどうでもよくなっちゃうね。


ラッシュ -プライドと友情-
[70点]

 F1史上最も熱かったと言われる1976年シーズンの、タイプの異なるふたりの天才ドライバーの激闘を描いた、実話ベースの作品。
 前も書いたとおり、自分は車に興味がありません(鈴鹿は地元なんですが)。それでもレースの映像がハンパなく、熱さは存分に伝わって来て面白かったです。
 ……ただ、二人が直接的に「信念をぶつけ合う」シーンは多くなく、あってもレース前後の心理戦の駆け引きとして表現されるので、心にざっくり刺さる部分はあまりないのが惜しい。多くは、レース外でお互いの動向を見て高め合う……て感じで。事実ベースの話だから(しかも存命のニキ・ラウダ視点が中心なわけで)あまりムチャはできないのはしかたないでしょうが……。
 それにこの話だけ切り取ってみると、ラウダはハントをリスペクトしてたかもしらんが、ハントは、事故の責任や罪の意識は感じるものの、ラウダを最後まで本心からアホやと思っていた可能性も微レ存、のまま放置しているのも意図のうち?

 最終決戦は日本GP(富士スピードウェイ)なんだけど、ここだけ再現にすごく苦しんでいるのがありありとわかってわろた。「規則」ってありゃなんだ。


エージェント・ライアン
[45点]
@109シネマズ川崎
 つまんなかった。
 経済テロ、という切り口が新しいくらいで、それも終盤どうでもよくなっちゃう(2兆ドルの米国債を一私企業が持ってんのならそれだけで爆弾で、別に仕掛けるトリガーが爆破テロである必然性はまったくない)し、あとはどこにでもある、けどやや迫力に欠けるCIAもの。
 午前9時までにテロの標的を確定せよ! という「分析」と「行動」が同時進行するシークエンスだけはよかったと思うので、これ「分析担当」と「肉弾戦担当」をがっつり分けたストーリーの方がよかったんでは。



テイク・シェルター [Blu-ray] / マイケル・シャノン, ジェシカ・チャステイン (出演); ジェフ・ニコルズ (監督)テイク・シェルター [Blu-ray]
posted by アッシュ at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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