2014年07月27日

GODZILLA

[75点]@新宿ピカデリー

 まず最初に、トレイラーやプロモーションの内容から、多くの方が「1954年版のゴジラのリスペクトとして本作が作られている」と思っていらっしゃるでしょうが、実際見てみると、「違います」。どう違うかはみなさんもスクリーン上で確認していただければと思います。
 どう違うかのヒント。今般「ゴジラ2」が発表されたらしいですね。
 最後に「救世主」などと表示されることといい、わざわざ戦艦を避けていく優しさといい、特撮好きの友人曰く、「これはゴジラよりむしろガメラに近い」そうで。

 しかし、違うといっても、間違いなくゴジラです。素晴らしかった。これがエメリッヒ版とは違う「素直にハリウッド化されたゴジラ」のかたちであると認めて楽しむのがよいと思います。
 ディザスタームービーの一類型、には違いないのですが、本作のゴジラのハンパない「人智及ばぬ脅威」感には圧倒されます。ディザスタームービーって、だいたい「知恵を集めれば」とか「とにかく一定期間乗り切れば」とか、どこか「希望」を残しとくもんですが、本作にはそれがありません。こんなのが来たらもう人類は何もできない、という絶望感が、スゲーと思えてしまうフィクション、その点はまさしくゴジラだったと思います。
 それでも「人類は人類のために何ができるのか」をそれぞれの立場で考えねばならず、その結果取られた行動が「怪物同士の対決」に影響を及ぼすわけです。
 (わかる人だけわかれですが、今「咲」第一期の再放送やってまして、もうすぐ名シーン「華菜ちゃんはずーずーしーから!」が来ますね。あれですね。人類=池田華菜説)

 ただ、肝心のゴジラが出てくるまでが長いです……1954年、1999年、現在にそれぞれ何が起きてどいつがどの問題に絡んでいるのか、という時系列もちょっとわかりにくい
 日本の描き方も、ちょっと面食らうところもあります。「原発事故」が起きて人間住めなくなって……という内容は明らかに 311 以降を意識して作っているのですが、それでもでっかい富士山の背景に軽水炉、っていうのはちょっと日本人的にはファンタジー感が強すぎるかと。しかも、なら富士の製紙工場群辺りの設定かなぁと思いきや、事故が起きて廃墟と化した原発周辺の「退避地域」に、浜離宮見えてたんですが。

 その「廃墟」の表現は、湿気の多い日本の住居のそれになっていて、見事だったと思います。実際に被災地とか行って確認したのでしょうか。
 あと、15年前のディスクって Zip かよ(笑!



 最後に、ひとつだけどうしても許せないこと。これは大きなマイナスです。
 なんで「核ミサイル爆発」させちゃうの! ダークナイトライジングもそうだったけど、なんでアメリカ人は、「市街地から離れてたら核爆発起きてもオッケー」って発想なの!?
 「ゴジラがミサイル食らって海の底に消えていく」で設定的にも展開的にも問題なかった、というかそれで完璧な物語の締めになったはずなのに、なぜそうならなかったのか。
 作り手側が「核爆発自体を全然脅威と認識してない」としか考えられず、水爆実験やら原発事故やら渡辺謙の「時計」とかを前面に出していても、それらは単なるお飾りでしかないというか、彼らは結局「攻撃者側の発想」から逃れられないままゴジラに向き合ってたんかなぁと、非常に残念でなりません。



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posted by アッシュ at 13:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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