2014年10月28日

ボーグマン

[80点]@ヒューマントラストシネマ渋谷

 超音戦士じゃないよ。うん。
 いやマジ、ガチな映画ですから。


 ●RECのプロデューサーの新作「ゾンビ・リミット」を目当てに HTC渋谷のシッチェス映画祭セレクションに赴いたわけなんだけど、この人ってつまり「ジェネシス」路線に突っ込んだ人なわけです(●RECは4で3の存在を忘れて2の続きになると聞いたがホントかね?)。
 で、「ゾンビ・リミット」は、「ジェネシス」でやったテーマを社会派路線に落としてみました、という話で、でもホラーしか知らん人たちが作ったら、頭悪い行動とおどろな演出がやけに顔を出すこういうかたちになるんかなぁと。僕はジェネシスの突っ走る勢いの方が好きです。


 それより、シッチェス映画祭でグランプリをとったという、この「ボーグマン」がスゴイことになってました。

 ある裕福な家庭に、薄っ気味悪い赤の他人が巧みに入り込んでくる、イヤゲなサスペンス……という作りなのですが。
 どうみてもこれ、現在ヨーロッパ諸国を悩ませる移民問題の、「移民がどう社会に入り込みどう影響を及ぼすか」という部分を、「戯画化」とか「風刺」とかそんなひねりを入れず、まんま「家庭」に置き換えた「比喩」として作られてます。それでひとつの映画にしてるんだもん、そらヨーロッパの映画祭でグランプリにもなりますって。

 そう思わず、単なるサスペンスと思って見た人は、この起伏のなさをどう思うんかなぁ、とか、「映画としてどうなのか」と考えるとビミョーな感は多少あるのですが(特に、あのスケキヨ風遺体を見てケラケラ笑ってた前列の観客とか、どう思ったんだろうな。あれ、「もともとその国で働いてた底辺の庶民がどうなるか」を示して心胆寒からしめるシーンだぞ!)。

 日本もひとごとではなくなってきた「移民問題」をちょっとでも意識している方は、「オランダにこういう受け止め方をしている映画監督がいて、少なくない評価を受けた」という事実を踏まえ、良い悪いは抜きにして、何はともあれ「必見」である、と申し上げておきます。
 本作は、今回のセレクション上映が終わったあと通常興行としても公開するそうですので。

 そして、悪意なき悪意で入り込む「彼ら」より、「物わかりのいいリベラル文化人」的に彼らを受容するポジションの「奥さん」が、どういう行動を採ってどういう末路を迎えるか、じっくり見定めるがよろしいのです。



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……だから違うったら!
posted by アッシュ at 00:53| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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