2015年02月24日

マッハ! 無限大

[85点]@チネチッタ

 マッハという名の「トム・ヤム・クン2」。まあこれは、トム・ヤム・クンをトム・ヤム・クンてつけた馬鹿の頭を肘でかち割るべきことなので、今回の邦題はしかたないです。ブルース・リーの諸作品が何でもドラゴンなように、トニー・ジャーはなんでもマッハでいいんじゃないでしょうか。

 それにしても、いやーすげーわ、トニー・ジャー衰えてないわー。

 いや、個々のアクションに関していえば、かつての惹句とはことなり、CG使うし、スタントも使ってるように見えるし、ワイヤー消しなんかもやってて、「激しさ」は減じてる感じがしなくはないです。前作で飛びぬけてよかった、長回しの興奮もないし……。

 でも、エンターテイメントとしては、制約をはずすことでむしろパワーアップしてる感じがします。特に序盤の、対バイクバトルをガンガンやり倒した後のあの「高速道路俯瞰」はもう大笑いしました。
 タイだからできることだよなぁ、日本じゃもう無理だろうな、ホント、あなたのためなら生命張りますという舎弟が、いろんな意味でたくさんいるんだろうな、と思います。


 こういうのはもう日本ではできない、なら、日本はもっとCGの方面でがんばれば? と思ってしまいそうですが、僕が本作ですごいなと思ったことのひとつに、CGの使い方があります
 具体的に言うと、「列車通過シーン」と「炎の間のシーン」。どう見てもCGです(列車通過は二回あるけど、たぶん両方とも)。現在となってはずいぶん安い部類に入るでしょう。
 でもあくまで「主はアクション」で、「従の演出」に徹して描画してるから、文字通りの「特殊効果」として冴えている。日本映画だと、CGが、CGですーすごいでしょー、って主張しちゃうんだよねぇ。

 それ以外にも、あらんかぎりのシチュエーションを持ち込んで、緩むことなく続けられるアクションシーンのつるべうちがすばらしい。ここらへんは前作からの継承ともいえますね。トニー・ジャー的には、「マッハ」シリーズが「ムエタイ」特化で、「トム・ヤム・クン」シリーズは「アクション大作」って考えてるのかな?


 ストーリーは、「象がさらわれて悪用されようとしてる。人質ならぬ象質がいるので自分もその悪事に加担させられちゃった! なんとかしよう!」てだけできわめて単純。また、悪役たちが「なんでそんなことに手を染めてるのか」は正直よくわかりません。「だってその方がカッコいいから!」くらいの勢いです。
 しかし、演技はできないトニーさんは、例によってよけいなセリフや心情を物語に載せませんので、それがアクションを際立たせています。

 さらに今回特筆すべきは、トニー・ジャー&ウォンカムラオのいつものコンビ以外も、よくキャラが立っていること。
 何度でもよみがえってくるナンバー2氏の強さや、タイでここまでやっていいの? と思う妖艶さのトゥエンティさんもさることながら、「チョコレート・ファイター」のジージャーのキャラが非常によかったですね。予告編で彼女が共演! と出てきたときは、ゲスト出演なチョイ役に見えてたんですが、バリバリの主要キャラでした。
 セリフほとんどなし、説明もほとんどなしながら、トニーの敵→共通の敵が現れて三つ巴→トニーと協調して真の敵と戦う→そして……という立場の移動をあざやかに決めてくれます。

 前作でやらかしたジョニーさんはいったいなんだったのでしょうか(笑。今回の脚本は、率直に褒め称えられるべき。



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posted by アッシュ at 16:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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