2015年04月13日

ジュピター

[65点]@ヒューマントラストシネマ渋谷

 「マトリックス」のウォシャウスキー姉弟の新作は、地球でフツーに生きてた女の子が実は「地球を所有する(!)女王の生まれ変わりでした」という、銀河規模のひねりを加えているとはいえ、つまりは一種の貴種流離譚。「マトリックス」みたいなごつい話を期待すると憤死するので注意。
 ていうか、出てくる展開出てくる展開、みなそういうおとぎ噺的なロマンスで見たことあるものばかり、けど、それをSFという皮にくるむにあたって料理法にひと味つけてます、という趣向のようです。「次男」との顛末によもやダスティン・ホフマンの「卒業」までされた日にゃあ、「やだカッコいい」というしかねぇよ、うん。

 アクションシーンのセンスも一味違います。この作品では「空飛ぶブーツ」が出て来て、空中をスケートのように滑ることができ、王子様役がヒロイン抱えながら、敵戦闘機と市街地でドッグファイトします。
 で、普通の作品ならその滑る姿をキャラ中心に撮って、躍動感とかスピード感を見せ付けるのをメインにすると思うんだけど、本作では引きの映像で撮って、摩天楼の間を飛びぬける、てところをメインにしてる。キャラでなく、「ごつい構造物で満たされた世界」を見せつけるのもSFの醍醐味ってことで。


 ただストーリー全体の問題として、立ち位置というか大義というか、ヒロインに物語を引っ張る力がなく、銀河規模の壮大な思惑から「家族を人質にとられる」なちっぽけな策謀まで、ひたすら「振り回される」ポジションなので、感情移入できません。エディ・レッドメインの「長男」は好演だと思うのですが、彼がヒロインに対してやることのみみっちさが話を盛り下げること盛り下げること。

 このストーリーなら、「女王に即位して地球の所有権を取得」して以降は、その強権でもって王族どものビジネスライクな思惑をひたすらつぶしていく、という展開の方がウケたと思います。
 ていうか、「家族を殺すぞ!」と言われたって「どうぞ」て答えりゃいいじゃん。そういう展開だと思って見てたんで、終盤の愁嘆場はあきれました。長男は「地球の利権」を手に入れたいだけなんだから、それを突っぱねればいかなる行動も無意味なのにさ……。

 ただ、この映画で一番面白いシーンは、その「振り回される」の究極といえる、女王即位に関する銀河連邦での扱い。銀河系規模でもアイツラときたら……(笑



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……これはなんか違くね?
posted by アッシュ at 15:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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