2015年06月15日

台風のノルダ

[80点]@TOHOシネマズ新宿

 スタジオコロリドの新作で、TOHOアニメーションがバックについた、27分の短編。前作「陽なたのアオシグレ」同時上映。
 アオシグレの監督とキャラクターデザインが本作では攻守交替、ジブリ出身の新井陽二郎が監督を務める作品です。

 ……いやはや、並べて見せられるとものすごい。この二本連続上映で、スタジオコロリドの方向性がはっきりしました。「あらん限りのリソースを可能な限り濃縮してご提供します」、という決意にも似た何か。だらだら13話のシリーズなんてやってられるか、的な。
 ……ハードル上げすぎてる気がするけど大丈夫?


 この作品のもともとの発想は、「謎の転校生」であったに違いなく。
 典型的なボーイミーツガール(石とか嵐とか、明らかにラピュタ意識してるよね)で、ヒロインを巡っていろいろ謎な出来事が起きる長い物語があり、その収束地点がココ! ……と到達するまでの過程を全部破り捨て、クライマックスだけを引っこ抜いたうえで、捨てた部分のエッセンスを、友情だぜ! セーシュンだぜ! 学園生活だぜ! 走るぜ転げ回るぜ! めっちゃリアルな嵐がくるぜ! メカも入れるぜ! そこはかエロも入れるぜ当然だぜ! と、とにかく意地でも全部強引に押し込む、という気迫に圧倒される27分。
 台風のアニメーションでは、背景ががんがん動いてて、小さな花まで揺れていました。「崖の上のポニョ」における宮崎駿の狂気が思い出され、あぁジブリ出身の人なのだと妙な納得をした次第です。

 で、そうやって強引に剛速球で投げっ放した何かを、辛うじて整えた「ストーリー」からは、物語の前提条件はもちろんヒロインの存在感までもが完全に消えてて、「男同士のイチャイチャ」だけが残って、腐女子のお姉さん方必見! みたいになっちゃってるのはなぜですか。

 もう、猛烈な褒め言葉として「あんたらアホか」と。
 またこの世に「ブレーキをかけちゃいけないアニメーション作家」が誕生したことを寿ぎましょう。
posted by アッシュ at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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