まず先に、年末年始に見た映画の超短評。
スターウォーズは、見るのはかなり先なのでこの際無視。
完全なるチェックメイト
[70点]@ヒューマントラストシネマ渋谷
冒頭20秒ほどで、何のセリフもなしに「あ、この主人公は病的に神経質だ」と、骨の髄までわからせてしまうのがすごい。それ以降も、特に音の演出をうまく使い、狂気の天才の凄みを余すところなく伝えてきます。勝負師というよりはガチで狂気。それゆえ誰も歯が立たない。相手のスパスキーの描写もまたうまく、天才同士がしのぎを削るさまを堪能できます。
海難1890
[65点]@チネチッタ
東映なので 252 みたくならんかちょっと心配しましたが、わりとまじめに「エルトゥールル号遭難事故」と日本トルコ友好を描いていて好感触。内野聖陽の上から目線の説教以外は。
ていうか、特に良いのはトルコ側の描写なので、面白く感じられるのは日本人の努力の成果ではないのかもしれない。何のためにいたんだよ竹中直人?
禁じられた歌声
[65点]@ユーロスペース
フランス・モーリタニア合作で、アフリカの古都ティンブクトゥを舞台に、イスラム過激派に支配された街の住人の悲哀……というかたちで、「イスラム同士の葛藤」を描く、まさに現代見ておくべき題材、だとは思うんだけど、実際がところは、「根源的に『統治』を理解してない連中による支配の滑稽さ」なんだよなぁ。笑いごとじゃないんだけど。
さて。遅まきながら、昨年の個人的ベスト10です。
今回のランキングは、混迷しております。
1位になりそこねた作品、というのが2つもあります。ときどき、一部分を限定でランキングに入れる、てこともしてますが、さすがに1位をそれにするのははばかられるので、こんな感じになりました。
ベスト10
1位/アントマン
なんだかんだで、こういう「物語的に説得力のあるエセ科学」って大好きです。また、昨今のアメコミ原作映画なのに主人公が特に悩まないので、見ててすごくラク、というのがいちばん自分に合うのかもしれません。
1位/ハッピーエンドの選び方
2015年一番泣けた作品。主人公奥さんの衝撃シーンから、それを笑いと感動にひっくり返すさらに衝撃シーンがすばらしいんだけど、ホントぜひ見てくださいとしか言いようがない。シネスイッチ銀座ではまだやってます。お見逃しなきよう。
3位/ピクセル
「センチピード戦まで」ならばこれが1位。
3位/イミテーション・ゲーム -エニグマと天才数学者の秘密-
「大戦中の描写限定」ならばこれが1位。
![アントマン MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray] -](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Re%2BKn8USL._SL75_.jpg)
アントマン MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
![ハッピーエンドの選び方 [DVD] -](http://ecx.images-amazon.com/images/I/519Kqy9y63L._SL75_.jpg)
ハッピーエンドの選び方 [DVD]
![ピクセル [SPE BEST] [Blu-ray] -](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61H0-PNHsTL._SL75_.jpg)
ピクセル [SPE BEST] [Blu-ray]
![イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 コレクターズ・エディション[初回限定生産]アウタースリーブ付 [Blu-ray] -](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51qKPSxK1ZL._SL75_.jpg)
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 コレクターズ・エディション[初回限定生産]アウタースリーブ付 [Blu-ray]
5位/くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ
さすがに初めて見た頃の衝撃は薄れましたが、それでもセレスティーヌは近年では最高のヒロインだと思います。
6位/バクマン。
結果的に、2015年邦画ではズバ抜けた出来ということに。
7位/ミニオンズ
きんぐぼーーーーーーーーーぶ!
8位/ヴィジット
想像もしなかったパターンでシャマラン監督大復活。
9位/唐山大地震
もし今後「震災映画」を撮る映画関係者が出てきたら、この作品の鑑賞を義務付けたい。
10位/マッハ! 無限大
力技のアクション、という意味ではマッドマックスにヒケを取らないと思うんだけどなぁ。
次点は多数。9位あたりからは微妙で、実のところ20位くらいまで挙げたいくらい。
特にあげておきたいのは、以下の2作。
・日本のいちばん長い日
・マッドマックス 怒りのデスロード
これらは、そのものももちろんよかったですが、関連する旧作(岡本版&マッドマックス2)がともにオールタイムベストテンに入れてよいくらいの傑作だったので、あらためてちょっと触れておきたいです。
あれ、国内アニメが一本もないのは、自分としてはすごく珍しい……。
ワースト5
ここしばらくはワースト「3」までにしてたんですが、今年は久々に「5」で。
つまらなかったというより「不愉快だった」の方が多い気がします。
1位/ギヴァー
こういうワーストって、
「オレひどい映画見ちゃったんだよ、オマエも犠牲者になってくれよ?」
と、「同志を求める=実は他人にも見てほしい」
という意図もあったりするもんなんですけど、
これははっきりと「他人に見てほしくない」。
これを面白いという人とは「口もききたくない」。そういう作品です。
ジェフ・ブリッジスは好きな俳優なので、あまりくさしたくないんだけどさぁ……。
2位/中村智道の世界
つまらない以前に「見られない」ことの方が罪深い。
3位/ロストリバー
松本人志よりひどい映像センスの持ち主が、おそらく彼よりも大きなバジェットを手にして映画を作るなんてことが、可能なのだなぁ……
4位/進撃の巨人 後編
前編は、新たなタイプのゾンビムービーとして十分に面白いのだけど、後編はどうにもなりませんわ……
5位/白い沈黙
クライムサスペンスで、おぞましい犯罪が明確に発生しているのに、「加害者となった娘とそれを捜す親」だけで話を完結させ、被害者については言及すらしない作品。
<追記 1/12>
番外/アリス・イン・ドリームランド
年明けに見たので番外にしとくけど、人形をウリにしたアニメーションなのに、「人形アニメーション」とはとても呼べない志の低い作品。
次点でハーモニーとかミケランジェロ・プロジェクトとか。
それでは、本年もよろしくお願いします。