2016年09月29日

短評(オーバーフェンス/亜人3/BFG/HighLow)


 「ペット」が、公開後に予告編CM打ってたのがせつなかった……今年は相手が悪かったね。


オーバー・フェンス
[60点]
@テアトル新宿
 冒頭の空の表現とかゾクッとするし、オダギリジョーと蒼井優の魂こもった演技が冴え、高品質な作品とは思うのですが。
 空気を切り取る天才・山下敦弘監督をしてここに作られた空気は、原作ありきの作品なのでしかたないかもしらんのですが、「低予算邦画の五本に一本はこんな感じだよね?」と思う何かで、やや退屈です。というか、山下監督はこれまで「社会の閉塞感」をもっと深くリアルに醸成してきたはずなのですが、本作の場合「サワヤカな函館シティー」を前面に出さねばならぬ都合上か、そこを「蒼井優の異常性」にあらかた押しつけていて、嘘くさいのです。
 メンヘラ女がギャアギャア泣き叫ぶ奇行をスクリーンで見たい需要なんて、この世にビタイチ存在しないと思うんだけど、世間のプロデューサー連中は、「シンゴジ」「君の名は。」のヒットを見ても、こういう愚行をまだ続けるのでしょうか。本作には、山下監督の過去作品の印象に近いシーンがあちこちに見えるのですが、集大成というより、キャリアを巻き戻して絞り出した出がらしのようで、なんだか寂しいです。


BFG(ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)
前半[45点]後半[70点]@109シネマズ川崎
 スピルバーグ監督&アンブリンエンターテイメントの「E.T.」な組み合わせで、ロアルド・ダール原作の児童文学を映像化。
 どうにもこの両者のかみ合わせが悪い感じで、エグい展開もどこか上品に描かれてしまい、期待ほど盛り上がりません。BFGの家の中で、期待よりもずっとチマチマした動きと会話が続く序盤は、正直眠いです。
 しかしその「エグいのに上品」という特徴を一気にひっくり返す、「女王」登場シーンはすばらしかった。もうこの映画、「女王が屁をこく」ためだけにあるんじゃないかと思えるオモシロ展開、コレができるイギリスがホントに羨ましいです。


亜人 -衝戟-
[65点]
@ヒューマントラストシネマ渋谷
 第一章第二章
 今回は、テレビシリーズの二期が始まる前に、全部見せちゃうよという趣向で。これ見たらもう見なくていいのかな? とか思ってたら、前章の超圧縮と違い、今回はツボは押さえつつもハッキリ端折られてるっぽく、オグラさんどーなったんや? カイトそれで終わりかい! という物足りなさで、どうやらテレビ見なきゃダメみたいです(それとも、もう1エピソード入るのか? ちょっとカタルシスに欠ける終わり方だったし)。くそ、商売うまいな。
 ストーリー上真っ先に端折れそうなのは「女の子バトル」、でもムリだったのはわかりすぎる。下村さんの乙女モードが、凛々しい顔つきのまま炸裂するのが最大の見どころ。


High&Low the Movie
[55点]
@ユナイテッドシネマ豊洲
 いろいろバズってたし、友人からも勧められたので、終映前に見てみました。個人的には、ヤンキーが「仲間」連呼しながら殴り合う映画なんて、興味の埒外ですが。
 ……まぁ、これが評価されるのはいいことなんでしょう。「国産の海外映画」って表現は言い得て妙。最終的に「ザ・レイド」っぽくなるし。「全部カッコイイ絵作り」みたいな評価がありますけど、それでもって「標準的なアクション映画」って言えるようになるなら、その嚆矢として十分な価値があるのだと思います。とはいえ、香港映画だったら、あのクライマックスの集団乱闘で、三分くらいの長回しを余裕でやると思うんだけども。
 で、その絵作りにおいて、相変わらず「汚さの表現がキレイ」なのが違和感なんですよね……イケメンさんにキレイな顔のまま小芝居されてもな。女性陣に至っては、もう存在自体違和感というしかない。
 そんな中、圧倒的に堂に入った存在感を示すのが例の「琥珀さん」なわけですが……、ストーリー上はどう控えめに言い繕っても「祭り上げられたカカシ」なので、「すごい人でした回想」をいくら入れてもらってもどうにもこうにも。彼の立ち位置にもう少し説得力があれば、全然印象が違ったろうなぁ、と思わずにいられません。



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posted by アッシュ at 17:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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