2016年10月25日

奇蹟がくれた数式

[65点]@チネチッタ

 いやもう……この映画が公開されると聞いて、ほんとワクワクしてました。

 だって、「ラマヌジャンの伝記映画」だよ?!
 演じるは、インド系ならもはや任せて安心の名優と言っていいデヴ・パテル!

 ワクワクするでしょ? するよね?! しない? ……そうかしないのか……。

 まあ自分も、理系出身といっても数学寄りじゃないので、彼が具体的に何をした人なのかはよくわかっていないのですが。
 二〇世紀初頭、イギリスに招聘されて様々な定理の予想を打ち出した、著名なインド人数学者です。しかし彼には定理は出せてもその証明ができず、「神が教えてくれた」とか言い出して周囲が非常に迷惑した、という人物です。

 とはいえ、「映画にするほど『人生そのもの』にエピソードのある人だっけ?」という感は否めません。結局、「彼の業績自体を伝え切れてないままに感動路線」に走っており、少々期待はずれな結果になっています。
 「数学の細かいところに分け入っても、一般人はついて来れない」という判断だろうけど、かといって、完全に数学とは関係ない「奥さんの挿話」を入れられても、そういうありきたりな話見に来てんじゃねぇよ、という反応しかできない……。

 そして何より、出てくる登場人物がみな常識の範疇にいる、という造形が非常にもったいなかったように思います。
 だから、インド人に対する差別とか、第一次大戦などの社会背景を、「特異な事項」として取り上げないと、ストーリーにできなかった印象です。

 でも、ここにいる登場人物はあらかた「極まった数学者」なんだから、ハーディ、リトルウッド、ラッセルともども、人物像のほうをもっと特異に描いて、「奇人変人シアター」にしてくれても全然バチ当たらなかったんでは、というかそういうのを期待してたんだ僕は。
 ラマヌジャンにとっては数字や公式が「芸術」に見えていた、だから証明の必要を感じなかった、という解釈は確実に正しいと思うので、もっとアーティスティックに、一般人をおいてけぼりにする勢い、みたいなのが欲しかったです。


 あと、この作品については、邦題を何とかして欲しい。
 原題「The Man Who Knew Infinity」。原題直訳「無限を知っていた男」のほうが明らかにカッコいいし人も呼べそうだと思うんですが!



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posted by アッシュ at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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