2017年01月10日

短評(スタンドオフ/ドントブリーズ)


シチュエーションサスペンス2題。
これで去年公開の映画は全部出揃ったかな? 「海賊と呼ばれた男」がいちおう予定リストには残っているけど……見るかどうかは正直微妙。


スタンドオフ
[65点]
@シネマート新宿
 孤独な元軍人が住む荒野の一軒家に、殺人を目撃し証拠写真を撮ってしまった少女(超美ロリメガネっ娘!)が、殺し屋に追われて逃げ込む。序盤のやり取りで、元軍人殺し屋ともに、病院に行かねばいずれ死ぬ傷を負い、行動の自由が効かなくなる。2階に元軍人と少女、1階に殺し屋が陣取って、少女の命とフィルムをめぐって駆け引きが始まる……。
 1ヶ所、かなり痛いミスがあって、字幕を見る限りでは、途中のあるシーンで、殺し屋は軍人の残弾が1であると明確に見破っているんです。おそらく実際は、見破ったとは断定できないハッタリなのでしょう。その残弾を使ってしまった後も駆け引きが続くので、ちょっと引っかかってしまいました。
 それ以外は、1階と2階の位置関係だけで盛り上げ、さりとてあからさまなギミックもなく、伏線を意外なかたちで回収していく会話劇シナリオが面白いです。カメラも女の子も問題の解決にはなんら寄与しないとは。でも、なくていいわけじゃない、とても重要。
 日本も、若手監督や脚本家は、こういうのを作るのから始めたらいいと思います。


ドント・ブリーズ
[75点]
@渋谷シネパレス
 ここしばらく暗い話は避けてたのですが、評判いいので見てみました。住人は盲目老人だから気づかれるまいと泥棒に入ったら、実は聴覚鋭いシリアルキラーで、音を立てたら感知されて即殺されますよ、という話。
 怖さ、という点では弱いですが、素人目にもカメラワークにこだわっているのがわかる、演出技術の高い作品でした。登場人物が息を止めている間、自分も止めてたくなるもん。あと、●REC以来の見事な暗視カメラ表現!

 面白いのは、この作品には、「目が見えず耳が頼りの老人を、どうやれば幻惑・誤誘導させられるか」という発想がほぼありません。
 そうなってしまうのは、主人公ズのキャラづけをガッチリしてある上、冷静な判断をさせない展開が徹底されていて、彼らは「怖いので感づかれないように逃げる(でも金は持ってく)」という極めてプリミティブな要求でしか動かないからです。
 これはむしろうまい「縛り」で、「ヤバイヤバイヤバイ!」という感覚だけがどんどん浮き彫りになっていって、効果的でした。

 そして、いちばん心憎いと思った点。
 この話、「」さえ無事に「あの家」から脱出できれば、いちおうのハッピーエンドになります。「ヒロイン」はどういうエンドになろうと、観客は納得がいく。アンハッピーエンドさえ可。
 ラストが見えない不安定さ自体はよくあるパターンで、その場合、ラストシーンだけ何かどーんとびっくり演出を置いて終わらせるのが定番ですが、本作の場合、ぎりぎりで伏線の「車のトランク」→「てんとう虫」に観客の意識を振る。
 うーむ、これ作った人テクニシャンだわー。ホラーはやっぱり見ないと思うけど、フェデ・アルバレス、覚えておきましょう。



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posted by アッシュ at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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