2017年01月26日

短評(ザ・コンサルタント/アラビアの女王)


 荒井晴彦氏のコメントが話題になってるけど、あの手合いを黙らせ、業界を刷新するために、映画界はいちど金を出し合って、「君の名は。」や「この世界の片隅に」を実写化すればいいと思います。
 その際ポイントなのは、手がけるスタッフが何をわめこうと、「そのまま再現する」こと。両作とも、アニメにもかかわらず「人体に不可能なデフォルメ」はほぼありませんので、そのまま実写にできます。
 そうすれば、制作過程できっと、「絵」「実写」の別ではない映像の根本的な部分、たとえば演出の理念や編集の技術についた彼我の差が、あらわになると思うんです。
 

ザ・コンサルタント
[65点]
@チネチッタ
 序盤から中盤にかけて、視点を切り替えつつ「謎」を積み上げていく手際は神がかってます。主人公のキャラクターが非常にユニークで、彼の存在自体がどーんとミステリアスで、それを解き明かしていこうと、登場人物も観客の視点からも、あの手この手で謎に近づいていく感じがすごくよいです。
 ……それだけに、「各視点がきれいに収束しない」のがすごくもったいないです。FBIチームの結末がアレで、過去の秘密をべらべら喋り倒してそのままフェイドアウトってのはあんまりです。
 あと、弟の方も相当ヤバイ橋を渡ってるはずなのに、あの終わり方でええのん……? もう少し因果応報があったほうが僕はよいと思うのですが、まぁメリケンの「家族絶対主義」は宗教みたいなものだからなぁ……。


アラビアの女王 -愛と宿命の日々-
[40点]
@シネマカリテ
 ……死ぬかと思った。
 いやさ、アラビアのロレンスと同時期にアラブで活躍した女性の伝記映画……と聞いて、あなたどんなの想像するよ。……前半1時間くらいずーっと、益体もない色恋沙汰で引っ張ると、誰が思うかね! もうアラフィフのニコール・キッドマンに10代みたいな演技させてさ! しかも彼女の高身長とスタイルの良さが仇となって、英国貴族の娘に見えなくて、吉田沙保里がマウントしてるような印象しかないよ! そんでこの色恋部分、物語的には「ヒロインが砂漠に踏み込むきっかけになったようななってないような」くらいしか意味がない、というね!
 そこを過ぎて、彼女が砂漠に踏み込み、砂漠の民と交流していく過程は興味深く、また、いろいろ手を尽くして砂漠の自然美を撮影している印象はあるのですが、結局は「砂漠を行く」「話し合う」のひたすら繰り返しで、ドラマ性が乏しくって……キツかった。



アラビアのロレンス (字幕版) -
アラビアのロレンス (字幕版)
posted by アッシュ at 15:59| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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