2017年02月24日

短評(愚行録/ナイスガイズ/王様のためのホログラム)


愚行録
[70点]
@チネチッタ
 いやもう……こういう作品は、最近はなるべく避けるようにしてるんだけどさ……向井康介脚本のミステリだしさ……迷った末に見たんだけど……。
 感想を一言で言うなら「見るんじゃなかった」と……見た人全員首肯してくださると確信するけど、この作品の場合、それが褒め言葉ですから……。
 空気を作る山下敦弘監督とは違って、この石川慶という監督は……奥底の情を抜き出そうとしてらっしゃるようで、なおさらキツイわけで……。ポーランドで学んだ方だそうで、あぁ東欧の文芸映画ってこういう雰囲気だよねそれを日本のイヤミスに使うとこうなるのかーと思いつつ、ほっとくとやたらゲージツ方向に走りそうな気配もあって、向井脚本は合ってたと思います。
 それにしても、あれ満島ひかりかよ……言われてみれば確かにそうなんだけど、見てる間はもう……女優怖ぇっす。



ナイスガイズ!
[50点]
@ヒューマントラストシネマ渋谷
 期待してたんだけどピンとこず。コントめいた個々のシーンは笑えるんですが、肝心の「事件」の情報の置き方が散漫な印象で、何が重要で何が重要でないのか、進展しているのかいないのかハッキリせず、面白くないというよりよくわからなかったです。最終的にはちゃんと形になるものの、その後味も悪いし、「社会派」的なまとめ部分は、単なるノスタルジーだよねとしか……。字幕の限界もあるのかな。
 加えて、アクションシーンがスタントに頼り過ぎで、何が起きてるのかどころか、誰が闘ってるのかすらわからない始末。共闘シーンもないとあっては、これをバディものとして評価するのは、自分は無理です。

 あと、当時の「フィルム」と「火」を重ねるシーンが何度もあったから、最後にライアン・ゴズリングがフィルム缶持ったままタバコ吸い始めた瞬間にオレ吹き出しちゃったんだけど、その後何も起きなかったのですごく恥ずかしかった。そこ、フィルムが燃え出してパニクるオチをつけなきゃダメでしょ!



王様のためのホログラム
[45点]
@TOHOシネマズ川崎
 予告編で期待した、「ITシステムをどう売り込むか」という話はほぼ俎上にありませんでした。実質は、イスラム教国家の現状を教えてさしあげる啓蒙映画です。最初から最後までイスラム国家が舞台なのは珍しく、メッカにカメラが入った(ように見せかけた)展開だけはすごいと思ったけど、「異文化交流もの」と考えると、平板すぎて全然盛り上がりません。
 「イスラム教徒なんてみんなテロリスト」とか思ってる欧米人はビックリするのかもしれんけど、日本人にとってはなぁ……しかも選ばれた国が比較的豊かなサウジアラビア、ラブロマンスのお相手はムスリムでも欧米思想寄りの異端女性なので、なんか首をひねりたい感じが否めず。
 登場する企業ロゴが全部アジア企業なのはちょっと面白かったです。あと、「閉じこもってる欧米国家」の代表にされたデンマークは怒っていい。

 そんで、「恐怖心が生んだ少数の癌を取り除けば、活力みなぎってハッピー!」というあからさまな比喩が出てきますが、それが「少数」どころか半分以上を占めているからトランプ大統領が生まれた現実、そしてその「少数でない」状態を作り出したのはこういう脳天気なグローバル思想の帰結であってもはや精神論ではどうにもならないことを、そろそろトム・ティクヴァ監督には理解していただきたいもんです。



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posted by アッシュ at 13:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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