2017年03月02日

アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発

[55点]@シネマカリテ

 実験のきっかけになったアイヒマン裁判の映像が少し出てきますが、本作はミルグラム博士の半生を綴る伝記もので、映画の内容にはナチスは関係ありません。原題は「Experimenter」。この題材で、「題名に偽りあり」を感じるのはどうなのかなぁ。

 「ミルグラム実験の映像化」が興味深くて見にいき、その部分は十分に興味深かったとはいえ、それ以外のシーンは、ほぼ中身がなくて面白くないのでキツイです。象を出したり書き割りで撮ったり、へんな表現をいろいろやってて、「何か心理実験が仕込まれてるのかな?」とも思えたのに、結局のところ何か驚くような仕掛けは最後まで出てきませんでした。
 それで、あの、第四の壁を越えて観客に話しかける演出は、今はデップーさん思い出して笑えてくるからやめてほしかったです。

 本作の中で最も重要と思うのは、「人間の行動を決定するのは、思想でも感情でもなく、状況という言葉です。これだけは、感情的に思想を訴える人々に、何度でも繰り返し伝えたく思えます。あなたにそれができるのは、それが許される「状況」があるからなのです。そしてその状況の多くは、自明自得ではないのです。
 「電気ショックを与える」実験の中で、その「状況」を破り、実験の中断を選択できた被験者の一人は、「電気技師」でした。彼は、与えるショックがどれほどの苦痛となるか、身につけた知識をよりどころに判断したのです。



服従の心理 (河出文庫) -
服従の心理 (河出文庫)
posted by アッシュ at 15:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック