2017年05月27日

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ

[80点]@ヒューマントラストシネマ有楽町

 このタイトルでイタリア映画。「イタリア初のスーパーヒーロー映画」を謳われ、現地で大ヒットした日本産ロボットアニメ「鋼鉄ジーグ」をモチーフにしている作品。



 マジ泣きした。
 男がヒーローになる、その瞬間に。


 起きるイベントは、クッソ陳腐なのに。
 気の利いた言葉などなく、説明するのも馬鹿馬鹿しいほどの顛末なのに。
 ハリウッドがいくらヒーローのビギニングものを並べたところで、決して至ることのない境地。
 底流にある、アメリカも日本も比べようもないほどの、今の南欧の窮状。若者はもがいてももがいても這い上がれないプレッシャーの下に生きていて、とりわけド底辺の小心なゴロツキ、「ヒーローという立場があること」すら知らず信じずに生きてきた男が、ヒーローになるまでの物語。凡百のヒーローとは、落差が違いすぎる。
 「彼らの理解できる範疇でのヒーロー像」は、実はちゃんと存在していて、多くの者が無邪気にそれを目指している。しかし本作の悪役は、それに近づこうともがいて、手段を見失い、堕ちていくのである。
 真のヒーローの居場所はもっと高い。かつてイタリアに旋風を巻き起こしヒーローの代名詞となった「鋼鉄ジーグ」は、そんな範疇に収まってはいない!


 断言してもいい。
 本作の主人公エンツォは、世界ヒーロー史上、「ヒーローになる前のメンタリティが最も低い」キャラクターである。
 物語の開始時点の彼は、善も正義も、愛も勇気も、情も絆も、希望も野心も、祈りも怒りも、およそヒーローと結びつくものをかけらも持ち合わせていない。
本当に何もなく、あらゆるものから物理的にも精神的にも逃げ続けて生きている。

 そんな男が、ヒーローになる。
 そんな男でも、ヒーローになれるのだ。


 ならばなんとする。君は何をする。
 せめて刮目して見よ。男がヒーローになるその瞬間を!



スーパーロボット超合金 鋼鉄ジーグ 約130mm ABS&PVC&ダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア -
スーパーロボット超合金 鋼鉄ジーグ 約130mm ABS&PVC&ダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア



 せっかく気合い入った文章が書けたのでここで締めたいところだけど、少し追記しておきたいことが。
 冒頭にどーんと漢字入りのタイトルが出てくるので、へぇイタリア映画でもディズニーみたいに日本語訳でタイトル入れるようになったんだー、と思ってたら、パンフレット読んで驚いた。

 「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」これ、邦題じゃないのな。原題。イタリアでも、正式なタイトルが日本語なんですって。どんだけ愛されてるんだ鋼鉄ジーグ。

 それだけの愛に満ちてるのに、本場日本での反応が悪いのは残念。
 あのタイトルバック見るのと、エンディングのカバー曲を聴くだけでも日本に輸入された価値があると思うので、マーベル辺りの、悩むヒーローに食傷気味の方は是非。
posted by アッシュ at 04:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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