2017年07月11日

メアリと魔女の花

[75点]@新宿ピカデリー

 面白かったです。
 正直、あからさまに「自然原理主義・反原発」な思想には鼻白むし、前半でかっちり描いた「大学」が後半影も形もなくすあたり、モチーフの多くは借り物に過ぎず、掘り下げが浅いのにバランスが悪く、完璧さや凄みにはほど遠いものです。
 しかしながら、構成力というか、物語の盛り上げ盛り下げのタイミングと、宮崎駿のくびきから解放されて(?)弾けるアクションパートがうまく、見ごたえがあります。前二作と比してここは段違い。

 それにもまして素晴らしいのは、これもう僕はアリエッティのころから絶賛してるわけですが、米林宏昌監督が宮崎監督に圧倒的に勝るのは、「女の子の描き方」。宮崎駿はなんだかんだで古い時代の人で、女性キャラクターを「作品世界の秩序に従うおとなしい存在」として描くことが多く、殻を破り新たな世界へ導くストーリーの場合、男性主人公が牽引しているように思えます(ナウシカ/サンはおとなしくはないが、強く「作品世界の破壊」を試みるクシャナ/烏帽子様が対峙するという点が興味深い)

 本作は明確に「女の子の冒険」であり、(ささやかな表現だし、個人的には「それを目指してはいけない」のですが)様々な体験を経た女の子が、自らの判断で、世界の枠を破壊して次のステージへ至ります。
 ラピュタの性別逆転版……というより、ディズニーの最近の女の子向け映画にもそんな方向性があって、「女性の自立」云々を語るまでもなく本作はそうした現代の潮流に乗っている印象があります。ジブリの継承者としてだけでなく、面白くて売れる「女性もの」を、米林監督が自らの持ち味を発揮しつつ目指した結果と考えていいんじゃないでしょうか。

 ……えぇ、だからそう、ポッピンQが「プリキュア卒業後の女の子」を狙うのなら、こういうとこ目指さなきゃいけなかったんだよ!



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posted by アッシュ at 16:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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