2007年07月13日

Genius Party

[65点]@シネ・アミューズイースト

 まぁ、この作品の旗艦上映館がココという時点で、この映画に期待されてたものとか、ジャパニメーションの文化的価値が日本国内でどこらへんまで認められてるか、っていうあたりの貧相さが透けて見えるのですが。
 んで、1000円デーでもこの入りか……。


 こういう作品自体が出てくること自体は、以前「Deep Imagineation」でも書いたとおりすばらしいことで、Studio 4℃ の英断に心から感謝したいです。
 しかし、ちょっと期待しすぎたか。
 悪くはない。悪くはないのだが、ツキヌケてない。なんか無難で凡庸。「新しさ」という観点では Deep Imagineation の方がまだマシ。
 少なくとも、これをもって、「日本における最高レベルのアニメーションクリエーターに無制約に作らせた作品群」と胸を張るのはどうなのかと思います。

 ってかね。
 率直な感想は、「相手が悪かった」なのです。
 本来、映画を見るにおいて、そういう単なる比較でみるのはよろしくないと、最近は心得てきたつもりではあります。しかし。

 「絵を動かして魅せる」観点において、今石洋之という天才がいて、今年「グレンラガン」というアニメを作っている。
 「フィクションを創造して魅せる」観点において、新海誠という天才がいて、今年「秒速五センチメートル」というアニメを作っている。
 もう、相手が悪すぎ。この二つの傑作に追いつける作品なんて当分出てくるのか?

 そして「Genius Party」には、そんな「相手」という概念を、見てる人に想起させるヒマも与えないほどの比類なき吸引力を期待していたし、世間的にも期待されていたのだと思うのです。その域には、とうてい達していません。
 ……つかなんか、「デッドリーブス」を見たくなってきたなぁ。ちんこドリル。


 以下各作品短評。


 七作品の中で、僕が最も優れていると思ったのは福島敦子のオープニング「Genius Party」。美しいものを愛する力がもっと美しいものを作り出す。単純な内容をユニークに描き出しています。
 ただこの作品は分野的には「アートアニメーション」で、これは僕はトリウッドで世界レベル見てきたばかりなワケで……。

 河森正治の作品「上海大竜」。彼のよさがとても出ているのですが、彼のダメさはもっとよく出ています。「外国が舞台なので言語が通じない設定だけど、絵だけ見ればパーフェクトに話が通じてる、それだけ映像の力がある内容」に、わざわざ「翻訳マシンと字幕を追加」し、「世界設定を全部セリフで説明」しちゃうっていうその過剰なお節介感が、やっぱどうも受け付けません。

 木村真二の作品「デスティックフォー」。このタイトルのセンスがイヤ。中身は、唯一の見せ場のアレ以外はいまひとつでありきたり。作品全体から、この物語を語りたいとか伝えたいとかそういうモチベーションを感じません。単なる一発ネタ芸披露みたいな感じがするなぁと思ったら何ゆえ高須光聖。
 3Dのレベルとしてはどうなんですか先生。

 福山庸治の作品「ドアチャイム」。まぁ、フツーに短編良作ながら、絵がなんかアニメっぽくない(動きがよくない?)。つか名前も聞いたことのないこの人の、この程度の凡庸な作品が「Genius Party」に入っちゃってること自体に問題アリのような。

 二村秀樹の作品「LIMIT CYCLE」。最悪。単なる念仏。マジ念仏聞かされるだけ。この作品の間はぐっすりお休みください。ただし、この映画全体において、僕が最も「Genius」を感じたのは、次の「夢見るキカイ」が目覚まし時計の音からスタートするので確実に起こしてもらえる、その見事な構成です(笑。

 湯浅政明の作品「夢見るキカイ」。「悪くはないけど期待に届いてない」です。うーん、「マインドゲーム」見てるとねぇ。やっぱりもっとスピード感を期待しちゃいますよねぇ。「乗り物」とか、味わいは凄くあって、この作品が目指すのはその方向ではないとはわかるんですけど……。

 渡辺信一郎の作品「BABY BLUE」。何やってんすかあんた。監督・脚本渡辺信一郎って何やってんすかあんた。世界観をいかに魅せるかに腐心してきた人でしょうあんた。自分でホン書くと、「時かけ」や「秒速」を三倍希釈したような「どっかで見たみみっちい何か」ができてくる、っていうのはどういうことですか。←今回は「無制約」だから、自分の考えたオハナシでやりたかった……ってことだとは思うのですが。
 ……あるいは、「声優は客寄せ用に旬の俳優を起用するから」とか企画サイドで言い出して、あんまりハデな作品が作れなかったとかいう本末転倒では……ないよな。まさかな。とりあえず柳楽優弥と菊池凛子に客寄せ以上の価値は見出せず。
 突然「茄子・アンダルシアの夏」になるとこだけはよかったですが、だったら「茄子・アンダルシアの夏」見てた方がいいかも知らん。
posted by アッシュ at 03:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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