2017年11月22日

KUBO/クボ -二本の弦の秘密-

[70点]@109シネマズ川崎

 「コララインとボタンの魔女」の制作スタッフが、日本を舞台にして作った新作ストップモーションアニメ……という触れ込みなわけですが。
 なんで欧米での公開から日本公開までに1年もかかったのかなぁ、って思っていたのですが、マスには売れないデキ、という判断で、日本で配給に手を挙げるところがなかったんかな、という気がします。
 コララインのときも同じことを思ったけど、全部人力のストップモーションアニメって知ってると、なぜここまでやるの、という発狂級の映像に乾いた笑いしか出ないです。いやホントこれだけでも必見だとは思うんです。
 ……でも、知らない人には、よくできたCGだねで終わっちゃうんですよ。


 そうなるとストーリーがなぁ……。
 描かれた「日本」は想像以上に日本でしたが、それゆえにちょっと狭すぎます。最終的に「みんな思い出を持っている」が回答なら、もっと社会を広く描き、たくさんの人と交流する中で、サルとクワガタがとりわけかけがえのない存在である、という流れにして、その上で正体をバラすべきでした。敵が「月」で、夜である限りどこにいても常に見られている設定も、それでこそ生きたはず。

 主人公は剣・鎧・兜の3つの秘宝を捜して旅をするのですが、「兜の隠し場所」がすごく傑作だったんですよ。あれは絶対日本人には思いつかない発想です。しかしこれも、いろんな「」を見せておいてから「アレだ!」とやった方が謎解きとして面白かった。


 吹き替え版で見ましたが、Origami とかの日本の風物をどう表現しているのかちょっと気になるので、字幕で見た方が良かったかもしれません。
 ピエール瀧や川栄李奈の吹き替え演技に特に問題は感じません。むしろ矢島晶子が、少年声のベテランとはいえ、この主人公にあてるには幼すぎる気がします。


 あと、主人公が「KUBO」って名前なので、「公方」に通じる比喩かと思ったら、ホントに単に人名でした。それは日本人としてはファミリーネームであって、ラストネームにはならないと、誰も教えなかったんでしょうか。



コララインとボタンの魔女 (吹替版) -
コララインとボタンの魔女 (吹替版) -
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2017年11月21日

短評(怪獣惑星/ガンダムサンダーボルト2/Twilight Axis)


GODZILLA 怪獣惑星
[65点]
@TOHOシネマズ川崎
 すごかった……のだけれど。
 まず、「文明を破壊する」という見せ場のないゴジラは、どんなに迫力ある造形でもイマイチだと思いました。
 そんで、こちらはもう虚淵脚本だよと訓練された状態で見に行ったので、今回の話における「作戦」がやや複雑で、しかしそれが開始される作品内の時間配分に気づいたとき、「尺的に」、これもう虚淵脚本らしいトリッキー展開はないな、と見えちゃいまして。
 実際には起きるといえば起きるけど、アレなんとなくホラー映画のラストのオマケみたいでしたよね。「もっとデカいのがいた」というだけでは、現時点では凄みをまったく感じませんでした。少なくとも、虚淵玄が本性見せるのはこれから。

 あんまりよけいな方向に流れず、無駄な説明も入れず、主人公を「ゴジラ絶対殺すマン」に全振りした展開は好きです。
 代わりに花澤さんが何の役にも立ってないの、あれたぶん、虚淵玄がとりあえず書き殴って企画に投げた段階で、「女性の登場人物が一人もいなかった」のを咎められた結果だと思います。種族の違いで個性を出してるから性差なんて何ひとつ必要のないはなしだからね、しかたないね。



機動戦士ガンダムサンダーボルト ーBandit Flowerー
[65点]
@新宿ピカデリー
 ありゃりゃ。前作はぎりっぎりのトコまで殺し合い上等なハードな戦争を描いていたけども、どうやら普通にガンダム外伝に路線変更した模様。
 これはこれで面白かったけれども、主人公と絡んだ瞬間に「コレ絶対死ぬ」と思ったビアンカさんが普通にヒロインやって、あの人もあの人も都合よく生きてて、そんで肝心の主人公二人のマッチアップがないまま「続きます」ではちょっと評価しづらい。
 ただ、水陸両用を中心にこれでもかとモビルスーツの種類を出す展開は、ガンダムUCの第4話の乱戦みたいでちょっとアガりました。アッガイ出るとき民謡流れちゃうのはアレ何、もうサンライズじゃアッガイはコメディ要員で確定したってこと? ベアッガイさんとか出す?

機動戦士ガンダム Twilight Axis -赤き残影-
[30点]
@新宿ピカデリー
 Bandit Flower と併映のこちらは、ちょっと酷かった。デザインとか作画とかはガンダムAGEかと思ったアニメーション、単純なのに「よくわからん」という反応しかできないストーリーを、止め絵、リピート、時系列切り刻み、あらゆる手で小難しくしてなにがなにやら。
 少なくとも、とうてい劇場公開するレベルにない作品。これを、ムリヤリくっつけて公開する判断を下したのは誰なのか、責任を問われるべき。



シン・ゴジラ -
シン・ゴジラ
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2017年11月18日

短評(はいからさんが通る前編/シンクロナイズドモンスター/マイティ・ソーBR)


 映画クラスタの人って、「1年」の始まりを 12/1 にしてる人と 1/1 にしてる人でどっちが多いんでしょうか。僕は1/1なんですが。
 で、1年の始まりを 1/1 で定義している人は、「今年のベストテン」を今年中に発表してはダメです。
 「バーフバリ2」が12/29に公開だからです! バーフバリ! バーフバリ!



はいからさんが通る -前編・紅緒、花の17歳-
[65点]
@シネリーブル池袋
 少女マンガの名作のアニメ化。主役の紅緒は、今や少女マンガのヒロインやらせたら鉄板の早見沙織。監督はガンダムUCの……というか、本作の場合、「るろうに剣心」の古橋一浩。
 さすがの古典で、起伏が大きくてつかみ所の多いストーリーは、シンプルなのにすごく面白かったです。彼氏が戦争に行くくらいの知識はあったけど、意外にえげつない方向にぶん回すのな……これ女の子泣くやろ……。
 しかしながら、あらゆるシーンでタメが浅いのが難。ちゃんと丁寧に描いてはいるけど、展開速すぎ、もう1ステップほしい部分が多数。これは、2クールくらいのアニメで見たかった!

 ところで、観客が10人以下で、かつ男性の方が多かったという惨状、これはなんですか。
 悪評立ったとかの話は聞かないから、どう考えても宣伝がリーチしてないよね。まさかと思うけど、アニメ誌とか深夜のMXでしかやってないとか、ないよね? 主たる客層は今、VERY とか昼ドラとか見てるんだよ間違えてないよね?



シンクロナイズドモンスター
[50点]
@ヒューマントラストシネマ渋谷
 基本ラブコメで、痴話喧嘩を怪獣バトルで表現しようぜ!という根本の発想はサイッコーによかった、のだけども。
 そこで登場するヒロインが、男目線から見て控えめに言って顔がかわいいだけのクソビッチ。男性陣も揃いも揃ってクソ野郎ばかりで、感情移入も何もあったもんじゃない。逆にこういう恋愛模様を「等身大のアテクシたち」とか言って持ち上げる向きは、怪獣が出る時点で本作に見向きもしないと思います。主演のアン・ハサウェイは、プロデューサーにもクレジットされてますが、何を考えてたんでしょうか。

 あとさー、怪獣とロボットが出る話なら、考えた人は100%日本をイメージしてたと思うんですよ(企画のプレゼン時にゴジラを勝手に使って訴訟になったそうな)。日本じゃあんな絵撮れないから、韓国が舞台になったのは結果的によかったんでしょう。物語上、「箱庭的な異境」であればどこでもいい話ですし。
 でも韓国にすると決めたなら、北斎絵柄のPCとか出すなよヒュンダイのCMじゃあるまいし! 「過去」をソウル五輪の時期と重ねれば大幅に説得力が増すのに、なぜ思いつかないのか!



マイティ・ソー バトルロイヤル
[60点]
@TOHOシネマズ上野
 出だしの10分とラスト20分は最高。あとハルクvsソー戦とかヘラ様無双とか。アメリカでも無双系のゲームってあるのかな? 全般的にバトルシーンはさすがの貫禄。
 ただなぁ……僕個人はこのシリーズ初めてなんだけど、もう何本も作ってるおなじみキャラだよね? 何でこんな、アメリカンヒーローもののテンプレというか、ジャスティス・リーグでもたぶん見せられるであろう、「メインプロット放置してでも『仲間集め』」な話を見せられにゃあかんの? サカールという舞台全体が1ミリもクライマックスにつながらない、そんなのどこが面白くて作るんだろう?
 ヘラの強さの意味と、それをいかに倒すかというラストのどんでん返し、実にうまい展開だっただけに、なればこそ、彼女のキャラ立てのほうをもう少しじっくり見たかった。



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2017年11月16日

BRAVE STORM

[75点]@TOHOシネマズ上野

 まず! まず! この作品に対して言うべきことは!

 TOHOシネマズこのクソ野郎どもが!

 通常上映が上野のみ、それも日に一回、21:55からというクソレイト!
 それ以外の上映は全部MX4D、その大半が逆に午前中に集中するとか、オマエラのこの作品に対する認識は「カゲロウデイズ」と同レベルかぁぁぁ! ふざけてんじゃねぇぞこのクソクソクソクソ!

(来週からはどうなんだろう? と思ったら、上野はもう終了……でも、なんと通常上映を17:20からかけてくれるところがあるぞ! ……西新井だけどな! やっぱTOHOシネマズはクソ野郎だ!)


 正直言って、この作品は完璧とはほど遠いよ。

 「シルバー仮面」と「レッドバロン」のリメイク特撮という、需要がどこにあるかわからん企画。そもそも僕にとって「シルバー仮面」いうたらコレだしな。どんな酷いもん出てくるかと、期待値低かったのは確かで。
 その上、オープニングでダメアニメによくありがちな「設定文字列の表示」をダラダラ垂れ流したから、初っぱなは絶望しかなかった。序盤の友人キャラの無駄死に、シルバーの初戦の負け戦をグダグダ続けるしょーもなさ、そもそも主人公ズのキャラが好かんし、シナリオが安っぽくなるとこもままあるし。

 でも、これは「エンタメ」なんだよ見ててどんどん楽しくなってくんだよ!

 アクションがきっちり伝わるように撮られてるのがデカい。どこをとってもカッコよく、とりわけレッドバロンが馬鹿でかい図体でぶん殴る爽快感は、「パシフィック・リム」より上だと断言する!

 よく僕は「3〜4人の登場人物で世界の運命を云々」て批判をするけど、この作品は、本当に人類が残り5人ってトコから始める割り切りようがいい。人間関係が狭いところに説得力があり、中盤以降は各キャラの行動にいっさいの無駄がなくて、すっきりバトルにのめり込める。
 展開も映像の細かいところも、理屈は最小限だけれどもツボを押さえている。そのツボとは、「迷ったらカッコいい方を選ぶ」という思想で、それを貫くために余計なものを排したのだと思う。
 なぜ月へ行くのか? なぜブラックバロンはいきなり東京に現れるか? それがカッコいいからだよ!

 ……そうかあれは「シルバー仮面」じゃなくて「シルバースキン」だったのか! ブラボーだ!(笑



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2017年11月13日

ゴッホ 最期の手紙

[70点]@イオンシネマシアタス調布

 Wikipediaによれば、自殺といわれつつも謎が多い画家ゴッホの死について、2011年に新説が提唱されたそうです。
 それに基づいて「ゴッホの死後、彼が書いた最期の手紙を託された若者(アルマン・ルーラン。彼をはじめ登場人物はほぼ全員、ゴッホの絵のモデルとなった実在の人物)が、届け先を探す過程で、死の謎に迫る」という趣向で作られたサスペンス実写映画。……に、ゴッホ風の油絵彩色を施した長編アニメーション。

 もっかい書く、「油絵のアニメーション」です。短編ならともかく、100分近くビッチリと!
 面白いというよりスゴイ作品。背景や主要登場人物の多くが、ゴッホの絵そのままに描画されており、「リスペクト」ってのはこれくらいやってナンボなんだろうなと思わされるとこがまず感動の域です。
 エンドロールにVFXって出るので、全部が全部ではなさそうだけども、冒頭に100人以上描いてるよ! とわざわざ断りを入れるのも納得のクッソ手間がかかってるデキ。

 キャラクターが肖像画なので、ほぼ会話劇。背景も風景画から作りこまれていてシーンが限られるので、やや単調な印象があるのはいたしかたなしか。正直、中盤はちょっと眠いです。
 それでも、常にどこか動いてますし、回想シーンではタッチを変えたりして、一筋縄でない絵巻物が構築されています。

 アニメーションの新たな可能性として、興味があるならこれは見逃してはいけない一本。



ゴッホ絵画集 近代絵画 -
ゴッホ絵画集 近代絵画
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2017年11月10日

氷菓

[55点]@ユナイテッドシネマ豊洲

 大コケ、とか話題になってますが、コケるほど製作費かかってないので、あまり気にすることはないです。むしろこのレベルの作品を、40周年記念と銘打ち200スクリーン以上に押し込んだカドカワの劇場営業が頭おかしい。10分の1のスクリーン数でもたぶん黒字出るでしょこれ。
 もともと大盛り上がりするような内容ではないのですから、手堅く安く、きわめて日本的なB級映画を目指した印象で、そう考えれば、むしろ当たりと言うべきでしょう。
 ただ、ただな。
 この作品にはたくさんある良さをすべてぶっつぶしてしまう、どうっしょうもない点がひとつあってな。

 広瀬アリスがどうあっても高校1年生に見えない。

 いやさ、そりゃ妹には及びませんが、決してけなすほどひどい演技はしとらんですよ、むしろ摩耶花役の小島藤子のほうが、演技がわざとらしいとこが多いくらいで。
 でもな、「私、気になります!」というキメゼリフの性質上、どうしても顔がどアップになるわけでさ。ホント、当人には悪いけど、マジで吹く。美人は美人なんだから、相応の役を演れば絶対映えるのに。

 そもそもこの作品が全国的な知名度を得たのは、「えるたそ〜」と鳴くだけの廃人を多数生み出したほどの、天使チタンダエルをいかに天使に描くかに全振りした京アニ版アニメがあってこそなんだから、彼女のキャスティングがすべてを握っていたといっても過言ではないわけです。
 日本の「実写」の悪いとこが如実に噴出した典型っていうか、当の役者自身を含めてそれ以外のすべてができる限りのよさを目指しても、キャスティングだけで全部ダメにした一例として記憶に刻みましょう。
 (……ていうか、広瀬アリスに女優として名を挙げる気があったのなら、万難を排してでもまず実写「ちはやふる」に綾瀬千歳を登場させて、そこに収まらなきゃダメだったと思うのですが。)

<追記 11/14>
 ふっと思い立って調べてみたら、それでもあの中で一番若いのが広瀬アリスだという事実を知って驚愕。
 さらに古典部4人より年上の本郷奏多! 一番童顔なのに!



 あと、これも物語の性質上どうしても多くなる山崎賢人のモノローグが、「斉木楠雄のΨ難」にしか聞こえなくてこれまた吹く、ってのは、公開順の不運というべきでしょうか。「……山崎賢人、実写出過ぎじゃね?」「わかりますよ、超能力者ですから」



「氷菓」BD-BOX [Blu-ray] -
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2017年11月09日

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

[60点]@ヒューマントラストシネマ渋谷

 ……最初に知りたいこと。平日午後6時台の回で見たんだけど、席がほぼ高校生でギッシリだったんですよ。何これ、「君の名は。」的な謎のSNS拡散来てる? 一般若年層にここまでウケた洋画って、ここしばらく記憶にないんですけど?
 「スタンド・バイ・ミー」+ホラーという構造は確かにウケそうだけど、そこまでスゴい作品だったかと言われると……。
 というかなー、僕の感覚でいうと、この作品すげーガバガバなんですよねー。高校生くらいだと、これがかえって謎めいて見えるのか。「イヤゲな演出てんこ盛り」なんでそれで十分なのか。


 物語の枠組みはとても単純で、「敵」となるペニーワイズは、「子供に恐怖を見せ、怖がっているところを食う」怪物なわけです。で、7人の主人公ズは、それぞれ恐ろしいトラウマを持っている。
 彼らが、幼いなりの友情を結び、それを糧に勇気をはぐくみ、克服して怪物と対峙する。ジュブナイルとしては鉄板のストーリー。
 ところが、各自の「トラウマは何か」「そのトラウマに対しペニーワイズが見せる『恐怖』は何か」「それを克服するためにとる行動は何か」が噛み合ってないので、なんじゃコレな感じがぬぐえません。

 「恐怖」が設定されていないので重要キャラかと思いきや、賑やかしに終始したリッチー。「ラビの息子」という特徴的な設定がありながら「絵が怖い」だけのスタンリー。ピエロそのものを見ているキャラと見ないキャラの違いは何?

 明確に「恐怖」しているのに、「食われる」キャラと「食われない」主人公達の違いもわからない。さらにはヘンリーみたいな変貌パターンもある。ペニーワイズが単に「子供だけが観る幻想」とすれば説明できなくもないけど、それならなぜ「27年ごとにペニーワイズが現れる(死亡率が上がる)」なんて設定がなされるのか?


 というわけで、ストーリー的には全面的にご都合主義にしかみえないので、全然すっきりせず、「イヤゲなだけ」になっている、というのが自分の印象です。高校生にウケるのか、コレが……うーむ。



スタンド・バイ・ミー  (字幕版)    -
スタンド・バイ・ミー (字幕版) 
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2017年11月04日

短評(斉木楠雄のΨ難/Free!特別版/バリーシール/ヤマノススメ)


斉木楠雄のΨ難
[65点]
@109シネマズ川崎
 マンガの方は正直肌に合わなくて読んでいないのですが、銀魂同様福田雄一監督は今回も原作のテイストに従ったと見え、スピード感のあるセリフ回しでギャグをやりっぱなす展開。福田雄一のマンガ的センスと非常に噛み合ったんだと思われ、時間を忘れて見てられました。下手にシリアスにならない分、銀魂よりはるかに好感度高いです。
 え、これで終わり?な感じが強かったんで、オチはもう少し盛り上げてもよかったんじゃないかと思いますが。

 あと橋本環奈は完全に路線を固めましたね。声にもう少しカワイイ感じが欲しいところです。神楽ならともかく、照橋さんはもう少し高めのヒロイン声がいい。アニメだと茅野愛衣だからね……。



Free! 特別版-Take Your Marks-
[50点]
@チネチッタ
 わかってたとはいえ、今回はスポ根要素ほぼなし、男同士イチャイチャなサービス回連打でして、新作映像という惹句につられて見たものの、さすがにしんどかったです。きらら系百合アニメを女性が見た場合もこんな感覚なのかしら。
 男視点から見ると、江ちゃんの出番がかなり多めで、けっこう可愛く描かれているんで良かったです。第4話のこじれっぷりは好き。あと3話のあまちゃん先生の黒歴史話はもっと掘り下げてくんないと(笑)

 新シリーズが始まるようだけど、東京での大学生編って話だと、すんません自分は卒業させてくださいとしか言いようがないなぁ。



バリー・シール -アメリカをはめた男-
[65点]
@立川シネマシティ
 CIAに依頼されて中米へ武器援助&コロンビアマフィアとの麻薬密貿易を同時にやってのけ、荒稼ぎしたという人物の実話ネタ。……にしては、どこまでもめっちゃ軽いノリ。かといって「ウルフ・オブ・ウォールストリート」ほどキレキレではない。
 そりゃまあ、当時/その後の大統領が合わせて4人も噛んでるって話だからな。ま、そのうち一人は、ホワイトハウスで出会う「君もパイロットなの? 僕も1968年に州軍でパイロットやってたんだ!」て言うボンボンだけども!
 そのシーンもそうだし、「エルサルバドルじゃねぇぜニカラグアだぜ!」というネタをわざわざエンドロールで天丼するとか、フィクションですコメディです、とエクスキューズを重ねて軽く浅く見てもらいたい作りになっています。
 たぶん、当時の中米軍事事情を詳しく知ってると、もっとえげつない本質があるんだろうなー。



ヤマノススメ -おもいでプレゼント-
[50点]
@イオンシネマシアタス調布
 実質30分以下、テレビと同じ画質で1300円、と考えるとちょっとコスパ悪い気がするファンサービスの新作映像。free! が泳がないのと同様、本作も今回は山に登りません。思い出連呼の安いシナリオですが、本作の場合、前半が「小倉唯無双」になってる点に価値があるのかも。

 イオンシネマ限定公開なのではるばる調布へ。シアタス調布は初めて。映画見に調布って、パルコ調布キネマ以来だよ!
 元々線路があった上に建てた、実質シネコン専用の棟で使いやすそう、でも通路の照明ちょっと暗くない?



ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版) -
ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版)
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2017年11月03日

ゲット・アウト と、TOHOシネマズ上野のこと

[75点]@TOHOシネマズ上野

 白人の恋人ができた黒人男性の主人公。差別されないか少し気になりつつも、うれし恥ずかし彼女の実家で親とご対面……だけどこの家、何かおかしい。使用人は黒人だけ、それもどこか挙動不審……という内容の、黒人差別をテーマにしたサスペンス。
 「この家で何が起きているか」は、「父が医者・母が精神科医」という情報が出てくれば、序盤におよそのところはわかってしまいます。だけどこの話、それはバレていい、という前提でさらに積み重ねていく上、ほぼ無駄な情報がないところまで脚本が練り込まれていて、すごく満足感があります。「動機」をひとことでひっくり返し、でも結果は何も違わない、という展開にはオドロキ!

 彼女の真意がわかるシーンや、危地からの脱出シーンなど、安直すぎて拍子抜けするところもあるんですが、むしろドラマ性の薄さは本作の場合、差別をうまく風刺した、文字通りのブラックジョークを際立たせる効果にもなっているようにみえます。
 見るからに安っぽい映像でも、脚本を練ればここまでできるんだよという好例。本国アメリカで高評価だったのもむべなるかな。



 というわけで、プレオープンのTOHOシネマズ上野に行ってまいりました。……施設自体のグランドオープンが11/4と決まってても、ファーストデー&祝日をつぶすわけにいかんてことでしょうねぇ。
 JRなら御徒町駅から歩いて数分、地下鉄上野広小路駅目の前、商業ビルの7階より上を占めて8スクリーン・最大1420席。都心のシネコンとしてはミニなほうでしょうか。秋葉原徒歩圏なので、アニメに力を入れていくとか。
 ここにTOHOシネマズができて、さらに来年日比谷にできると、日本橋をどうするんですかね。確実に持て余しますね。


 エントリを分けなかったのは、特筆することがないからです。駅近くて迷うことなくすぐ入場できて、内部はすごくシンプルな構造で、ロビーは広々、動線はらくらく、ケチつけるとこないです。商業ビル内のシネコンて、もう少しひねくれた構造なのが普通なんで、それがむしろ奇跡的に素晴らしい。

 唯一気になったのは、ちょうど終映が腐女子向けアニメイベントと重なって、エレベーターに大行列ができたことかな? 実質の入り口が、ビル全体と共同利用のエレベータ3基しかない、のはちょっと辛いかも。……ていっても、この条件、もっと席数が多いバルト9と同じだしねぇ。彼女らに「もっと詰めて乗れよ」って言うのが正しい反応かもしれません。



ヴィジット (字幕版) -
ヴィジット (字幕版)
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2017年11月01日

ブレードランナー2049

[60点]@新宿バルト9

 スゴかった……といえば、スゴかったです。
 かのブレードランナーの正統な続編……であるわけだけども、率直な印象は、ブレードランナーも含めて、70-80年代に興ったダークで前衛的なSFの総括・集大成・あるいは「復権を目論む」的な何かでした。ほら、「2001年宇宙の旅」とか「未来世紀ブラジル」とか。
 でもさ。素直に考えてほしいんだけど。
 今書いたような作品て、確かにスゴかった。でも面白かった? 見てて楽しかった? ていうか寝なかった? 中身覚えてる?


 前作は基本プロットが「逃亡レプリカントを追い詰める」一点だけで、きちんとそのストーリーを一手一手進めていったからこそ、あの世界観が強く印象に残るのです。
 しかし本作は、主人公の背景が複雑で、立場も中盤で大きく変わり、めざすところがブレます。
 それ自体はよいのですが、その過程で、「スゴい映像」「スゴい世界観」「スゴい雰囲気」を出すのが優先され、めっぽう展開を引き延ばすパターンが繰り返されるため、「主人公が取るべき行動とその理由が何だったかわからなくなった頃に次のイベントが始まる」というケースが頻発しました。悪手としか言いようがないです。
 思い返せば一本道RPGみたいな展開で、内容も古典的なのに、ぶっちゃけ「主人公が何かをなしとげたor自分が何かを受け止めた」感覚が全くありません。とても2時間40分もかける内容じゃなくて、体感時間長すぎて辛いばかり。よく耐えたオレ、自分を褒めたい。


 本作を褒めている人、前作知らなくてもわかるから若者にも勧めたいとか言ってる人、それはほぼノスタルジーに依拠するものと心得たほうがいいです。現代人にこれは厳しすぎる。前作の3年後、せめて20世紀のうちに作られた続編、ならまだ許せたかもだけどさ。35年、2世代過ぎてんだわ。ちょっとキツい、タルい、トロい。
 むしろ「攻殻機動隊」がどれだけすぐれたアレンジであったか、と理解すべきでしょう。この部分は押井守がうまかった(ただし「イノセンス」では悪化したので、偶然の産物)。そしてドゥニ・ヴィルヌーブ監督も押井守同様、「美しい映像感性」はあれど、「自分のイメージ」は持ってないように思えてならんです。


 ただし!
 この世に住まうナードどもの夢を正しく完璧に叶えた微エロシーンだけは、超評価する。her」もここまでやってくれればよかったのに。あのシーンを見るためだけでも、映画館に行く価値がありまっせ。
 JOYたん……(泣)

 あと、これも古い前衛SFからの継承だろうけど、音楽が腹の底に来るくらい重々しいのはよかったです。見るなら、立川シネマシティの極音上映がベストじゃないかな。



her/世界でひとつの彼女(字幕版) -
her/世界でひとつの彼女(字幕版)
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2017年10月27日

短評(DCvs鷹の爪/我は神なり)

 短評言うほど短くないけど、両極端アニメ2題でまとめて。

DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団
[50点]
@ヒューマントラストシネマ渋谷

 劇場版鷹の爪団のGO
 なぜ4と6がないかは、「GO」の感想参照。

 今回の何がとんでもないって、本作まではずっと東宝の宣伝キャラで、劇場版もすべて東宝から出てた鷹の爪団を、実質的にジャスティスリーグの宣伝のためだけにワーナーが引っ張ってきたってトコじゃないかと思います。どういう経緯だったんでしょうか。
 ただ、本作をかけているTOHOシネマズが1館もないあたり、あんまり円満じゃない感じがします。本作のテーマは「お金の使いみち」なのに、超優良クライアントを失う選択をしたFROGMANは、かなりヤバい橋を渡ってんじゃないかという気がしてなりません。
 日本のワーナーったら銀魂だってやっちゃう懐の広さですから、今後も作らせてもらえるのでしょうが……マーベルに差をつけられたワーナーの焦りが呼んだ采配なら、あっさり切られてもおかしくないような。


 で、内容なんですが……ジャスティスリーグと鷹の爪団を組み合わすという無茶振りのわりに、全体的に小綺麗にまとまってます。ジョーカーが日本に来て悪事を働くのは、怪獣映画が作りたいから&その予算集め。鷹の爪団ワールドおなじみのバジェットゲージのため、ジョーカーを倒したくても、正義側は金のかかる派手なアクションができない。だったら「富豪」が武器であるバットマンに払わせよう! というアイディアはすばらしかったんだけどね。アイディアはね。

 ……テクニックにおぼれてパワーに欠ける、というか……クスクスニヤニヤはあるんだけど、どっかんどっかんは来なかったんですよ。FROGMANのいいところは、ただ笑うしかないどーっしょーもないギャグかましてくるとこのはずなのに。バットマンの過去をタイムマシンでいじくるネタとワンダーウーマンのアヒル口はまあまあよかったけど、それくらいかなぁ……。

 なぜかといえば、本作は基本的に鷹の爪団とジャスティスリーグが向かい合っており、ジャスティスリーグ側は当然ボケないしツッコミも常識的。吉田君がその面々を相手に「話の進行役」になっちゃってるので、彼が場を無視してひたすらボケ倒す、というひっかきまわしが足らんのです。このシリーズ、「ゲストの方が存在感が大きい」作品は総じてその欠点が露呈するのよね。
 レオナルド博士・菩薩峠君・フィリップにはセリフすらほとんどないし。……つーか森田君て誰? いつの間に登場したの?


 あとねぇ……バジェットゲージがあるってことは当然入ってくるプロダクトプレイスメントネタが、相変わらずひどい。目を覆うレベル。
 これから見る方に警告しますが、本作ではついに、「クライマックスのアクションシーンに宣伝を連打」します。あれを面白がれる人は相当奇特だと思います。
 「空母打撃軍を連れてきたバットマン」より、「聞いたこともないスマホゲーのドット絵の主人公」の方が強くて活躍時間が長いのです。なぜならゲームとキャラの宣伝的説明を、ラストバトルやってる真っ最中にだらだら垂れ流すから! いくらなんでも作品が壊れると思わなかったのか。
 ていうか、この作品、いちばん重要なスポンサーはワーナー&ジャスティスリーグじゃねぇの?


 なお、この作品で一番素晴らしかったこと。安田顕のジョーカー演技。今後の他のDCもので吹き替えやる時も、ぜひ彼でお願いします。



我は神なり
[65点]
@ユーロスペース
 新感染のソン・カンホ監督が、ソウルステーション・パンデミックのさらに前に作ったアニメーション。
 主人公はダム建設地に住む粗暴な鼻つまみ者。立ち退き補償金を、インチキ宗教で奪おうとする詐欺師の目論見に気づいて告発しようとするが、まるで信用されない……という話。

 韓国アニメで「オリジナリティを出したい」と考えたとき、この極めて実写に近いアプローチはめっちゃ正しいと思います……っていうかこれもう実写でよくね? 宗教のナイーブなトコの話なので、やり辛い役者さんがいるのかな。
 いい作品ではあるのだけど、韓国実写映画と考えると、これもう確実に今の僕が避けて通るタイプの話でねぇ……腹の底がキリキリ来るっていうか……えげつなくて誰も救われない。

 なるほど主人公は、ひとことも嘘は言ってないのですね。でもいわゆる火病気質で行動するゆえに、誰も幸せにできずまったく信頼されない。一方で嘘を並べる詐欺師や宗教家は、幸福は確かに与えており信頼される。
 しかし、「信じる」という動詞の定義や価値観が根源的に違うのが伝わってきて、据わりが悪いです。ここでは「信じる=従属する」。「信じられる側>信じる側」という上下関係を決める行為。嘘を言ってでも信じさせて上位に立つか、真実を言って信じない者を馬鹿で下等と罵るか……。

 そうした、歪んでいるとしか形容のしようのない苦い「信」にさらされる中で、主人公に「俺が悪いって言うのか!」と怒鳴られた弟分が、「そうだよ兄貴。気づいてなかったのかよ。兄貴にもう味方はいないんだ」と率直に穏やかに諭すシーンはぐっときました。そして彼だけは「幸せな嘘」の価値を知る結末。唯一の癒しであり、こここそ、監督がクリエーターとして最も描きたかった部分に違いないと、望んでやみません。


 あと、この話、主人公が娘の貯金を奪って浪費することがすべての起点(これがなければ悲劇は一つも起きなかった)なのだけど、「それによって生じた父娘の亀裂」は描くものの、「そもそも金を取るなよ」ってとこは何もケアしないのがすごくイヤ。主人公の性格云々でなく、多分あちらじゃ「語るまでもないよくある家庭内トラブル」と認識されてるんだろうなぁ……。



鷹の爪8 吉田くんのX(バッテン)ファイル -
鷹の爪8 吉田くんのX(バッテン)ファイル
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2017年10月25日

アトミック・ブロンド

[55点]@ユナイテッドシネマアクアシティお台場

 わりと期待値高かったので、ちょっと残念なデキ。ていうか、序盤から中盤までは、帰りたくなるレベルで退屈。映像・音楽のキレのよさは分かるので、もう少しストーリーをなんとかしてほしかったです。

 オープニングでベルリンの壁崩壊の映像が出てきて、「でもこれはその話じゃないよ」とかエクスキューズが出てくるから、へぇ、崩壊がないパラレルワールドの話? と思っていたらガッツリ崩壊直前の話でした。東西冷戦がキーワードに見えますが、「情報のコピーが不可能な時代でないと話が成立しない」という事情の方が重要だと思います。
 で、シャーリーズ・セロンの女スパイの主人公は、ジェームズ・マカヴォイを相棒に東西ベルリンを行き来して、ある極秘情報を求めて右往左往するんですが、「何が事実か」がとにかく進展しないのです。

 なので、「サッチェルという正体不明の裏切り者がいる」という話が出てきた途端、「シャーリーズ・セロンかジェームズ・マカヴォイのどちらかが、情報の独占を目的とするサッチェルで、最終的に相手に疑いを押しつけようとしている」ことがわかっちゃう。だってそれ以外に情報がないから。
 ならばふたりの駆け引きゲームの物語なのか? というと、少なくとも話の奥行きを出すという方向では、両者の駆け引きはありません。ていうか、「盗聴器をコートにつけた」が最大の駆け引きって、スパイものとしては下も下だと思うんですが?

 終盤に至り、序盤でぽっと出たっきり忘れ去られていた「スパイグラス氏の西側への脱出」という話が唐突によみがえり、実はシャーリーズ・セロンにはそれを助けてくれる優秀な仲間がいっぱいいるんだぜという展開になって、面白くはなるけど、いやなぜ今さらそんなすごい設定が出てくんねん、と。
 ていうかスパイグラス氏、存在自体が死亡フラグなんで、なぜそんな人がこんな大げさなイベントに? と、頭の中に?しか湧きません。

 しかしこの映画でサイッコーに素晴らしい映像であるところの、シャーリーズ・セロンノースタント長回し格闘シーンは、その流れで始まります。そして予定調和通りにスパイグラス氏死亡という終焉によってクッソ盛り下がるのです。せめてこのシーンがスカッと爽快だったら、と思わずにはいられません。



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2017年10月17日

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち -第三章・純愛編-

[70点]@新宿ピカデリー

第一章第二章

 終わった瞬間に、いっしょに見てた友人が「つまんなかった」って言ったんですよね。えー、これまでの展開で「どうやって森雪を組み込むのか」という点に着目してた人間としては、超激アツだったんですけども?

 確かに、10話にあたる宇宙ホタルの話は「どこにグロスに出したんだよ」と言い合ったくらい、これまででいちばん演出がグダグダでした。
 また、2199ではさんざバカスカ殺しまくってたくせに、るろうに剣心かよって不殺の精神でものごとを解決する方針に転換したために、超絶カタストロフ展開で面白くなりそうなとこがどっちらけで終わり、全体的に戦闘シーンは雑で盛り上がりに欠けましたね。

 でも本作の古代がこういうキャラだってのはみんな知ってたじゃん! 軍規ナニソレ森雪絶対好き好きマンでいいじゃんかさ! その魂をいかんなく発揮したラブパワー展開、そこに「愛とは何か」と言い出す悪役がドハデ降臨、オレは好きだぞ。爆発しろ。

 あと、公式で「ヤマト女子部」とか言い出すの、なんかパワーワード感あるからやめれ。(w



宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第三章(セル版) -
宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第三章(セル版)
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2017年10月16日

スマーフ -スマーフェットと秘密の大冒険-

[65点]@ユナイテッドシネマアクアシティお台場

 3DCGアニメなんて溢れかえってる昨今、今さらアメリカの幼児向けアニメなんて、見る予定になかったんですけど。
 前にアクアシティお台場行ったとき。流れた予告編でいきなり。
 「スマーフウィロー役の高垣彩陽でーす!」
 ゲスト声優に、スフィアて。

 大泉洋主演アニメのゲスト出演に歌姫言うて水樹奈々連れてきたレイトン教授じゃあるまいし、どうせ4人組が背景で歌ってる程度で、アニメ見る層に訴求しそうな4人組ユニットが他に見当たらん、くらいの人選だろうにそんな餌で俺様が

     \   ∩─ー、    ====
       \/ ● 、_ `ヽ   ======
       / \( ●  ● |つ
       |   X_入__ノ   ミ   釣られクマ――
         、 (_/   ノ /⌒l
        /\___ノ゙_/  /  =====
        〈         __ノ  ====
        \ \_    \
         \___)     \   ======   (´⌒
            \   ___ \__  (´⌒;;(´⌒;;
              \___)___)(´;;⌒  (´⌒;;  


 ……閑話休題。
 スフィアは思ったより重要な役でした。とまっちゃんのマシンガントーク演技来るよー。
 なるほど、スマーフの世界には、これまで女性がヒロイン一人しかいなかったわけね。しかも彼女が「スマーフではない」とまで言うのでは、このご時世コンテンツとして生き残れないので、「冒険の行き先が女護が島、最終的に彼女らと交流が始まる」という形で、世界観に自然に女性を組み込むためのエピソード。
 なので新規キャラは全部女性。スフィアはそこに当てはめられているわけです。

 テーマをことさらに事あげしないわかりやすさ、なんでもありかつスピード感のある冒険行(でも子供向けとしては終盤結構エグい。あれラスト「スマーフになった」って理解でいいんだよね?)、こだわりのある縦横無尽のカメラワーク、けっこう面白かったです。
 あと、エンドロールの演出に震えました。なぜこんな単純で面白い手法を今まで誰もやらなかったのか。

 それでも観客2人だったんだよねぇ……夕以降のアクアシティお台場にお子様が来る理由はないので、スフィアの訴求力がここまで、てことか。うーむ。



スマーフ スマーフェットと秘密の大冒険 (吹替版) -
スマーフ スマーフェットと秘密の大冒険 (吹替版)
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2017年10月13日

アウトレイジ最終章 と、TOHOシネマズ会員サービス改定のこと

[60点]@109シネマズ川崎
 シリーズ見てきて最終章というからいちおうつきあったけども、作品が悪いんでなく、僕自身の好みがこういうのを受け付けないほうにシフトしてまして……それも、「過剰な暴力性」で売ってた作品が、回を追うごとに、「筋を通す」という名目で「暴力控え目、話は小綺麗にまとめる」に落ち着くんではなぁ。

 「筋を通すことにこだわるヤクザ映画」なんてものが、もう北野武の看板がないと作れないってこともあるんだろうけど……ってか、本作における「筋を通す」は、主人公の行動原則としてがっちりとあることがきちんと伝わってくるのは好ましいんですけど、それが娯楽になってるかはまったく別問題だと思うわけです。

 韓国とも香港とも違う日本的価値観のノワールとしてひとつの形にはなってると思うので、ヤクザ映画が好きな方はどうぞ。



 TOHOシネマズの会員サービス改悪、って話が伝わってきています。
 フリーパスって、使う人は窓口に行かなきゃならんって話なんですね。映画館に行くだけで交通費と時間がかかるのに、それが「無駄足になる可能性があります」ってのはちょっとひどい。「フリーパスでも座席指定予約可能になります」というシステム変更の予定があるのならいいけれど。

 で、これらの施策が、どう「他社とのサービス比較」したらそうなるのかわからんのも事実で、いろいろ書かれてる中で最も説得力があるように見えたのは、前回の「スターウォーズ値上げ騒動」のせいって話です。

 一部の館で2000円にして増収&混雑緩和を狙ったのに、ここが使いどころとばかりに「ポイント6P無料/フリーパス使用」を駆使されて、おそらくはTOHOシネマズの目論見が崩れてしまったんでしょう。
 なので、「そうならんように変更しろ」というのが至上命題だった、とすればなんとなくわかります。だから次作の公開を控えたこの時期の発表なわけで。

 しかし、スターウォーズは今冬とあと一本で終わり。今後、いつ来るかわからない大ヒット映画のためにそんなシステムにした、と考えると、近視眼にもほどがあるというしかないですね。



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2017年10月11日

RWBY -Volume 4-

[55点]@シネリーブル池袋

「けもの娘が出てきて」
(けものフレンズかな?)
「事実上個人制作のCGアニメで」
(けものフレンズかな?)
「CGの技巧よりも、演出とストーリーのよさでヒットして、続編も決まって」
(けものフレンズかな?)
「だけどメインクリエーターが予期せず制作現場から離れることになって、どったんばったん大騒ぎ」
(けものフレンズだよね?)
「R.I.P. Monty Oum ……」
(RWBY か……)


 すみません、このネタがやりたかっただけです。


 ……あんまり冗談でもないっていうか、ケモノ娘な黒さんがいちばん存在感のある回でした。ただ、そうなった理由は、あまり褒められたものではなく。

 亡くなったモンティ・オウム氏ってのは、「実力が伴う厨二病患者」はえてしてそんな感じじゃないかと思うんですが、風呂敷を広げることに歓びを感じるタイプのクリエーターだったと思うのです。
 Vol.3では、それまで影も形もなかった神様や伝承が唐突に飛び出すなど、設定の風呂敷を広げて広げまくり、一方でストーリーは、キャラの立ち位置を下げに下げまくったので、後を継いだ人たちは、「その回復と、情報の整理」に1シーズン(=映像にして2時間半)費やさねばならなかった、というのが今回です。

 赤は今回叔父さんと組んで情報整理ポジション。ムードメーカーの黄色が、前回物理心理ともにダメージを受けてその回復に専念、だけなのが痛い。白には、自身だけで物語を切り拓く能力がもともとないので、結果として黒関連のイベントに時間を割かざるを得ず、無口キャラで通っていた黒のキャラが崩壊、超多弁キャラに変貌を遂げることとなりました。
 キャラデザが大幅に(主に「アニメ絵」方向に)変わった以上に、この変貌がビックリでした。でももうすぐデレる。あれはデレる。よい変化だと期待しましょう。


 ……いやほんと、今回は話がまったく進展しないので、「黒はデレるのか」以上の見どころがないんですわ。動いたといえば、「悪の組織」がビックリするくらい小物集団であると判明。見るからにやられるためだけの敵幹部が多数登場とか、ないわー。そんで、クライマックスに至って緑とピンクの過去話をおっぱじめるとか、誰も期待しとらんかったわ!
 次回は、「ヘイヴンアカデミーでの局地戦」に話が限定されるでしょうから、戦闘シーン多めで普通に盛り上がると思うんです。なればこそ、今回はせめて、「4人が再集合するまで」を、絶対に描写すべきでした。



 そういえば、テレビでやった編集版を見てて、前回の感想で書いた内容は間違いで、フェスティバルでエメラルドの幻覚を見たのは黄色だけだった、ってのはわかりました。しかしそれはそれで、「精神操作系のセンブランス」が、オズピンを含めたアカデミーの教授陣ですら想像の埒外にあるほどレア能力ってことに他ならず、やっぱりあんな「手下」ポジションに埋没させてたらヤバいと思うんですが。
 もっとも、この世界観的には、あんまりレアな感じがしないんだよな。「視覚を騙す」だけなら、黒に悟空、パラソル子さんとかも、フツーに使ってるわけでなぁ……。



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2017年10月06日

ソウルステーション・パンデミック

[70点]@ヒューマントラストシネマ渋谷

 「新感染」の監督が、それ以前に制作したアニメーション。この作品が評価されて、「新感染」を作ることになったのだとか。
 アニメといっても、実写を撮った後でモーションをアニメ塗りの3DCGに変換した技法と見えます(背景やモブのモーションは微妙に不自然なので、通常の3Dアニメも使ってる?)。
 ソウルの市街を封鎖し人員を動員しての撮影ができなかったからアニメにしたのかなぁ、と思っていたら、監督はもともとアニメ畑の人なのだそうで……。それでも実写のオファーが来たというのだから、そういう切り替えができるのも韓国映画界の懐の深さか。


 サスペンスの見せ方はさすがに素晴らしく、中盤から話が動き出すとずっとハラハラしっぱなしです。面白かった。

 ただ、新感染は爽快さすらある娯楽でしたが、本作は、良くも悪くも、気持ち良く見られるストーリーではありません。「貧困の固定」がテーマと思われ、ホームレスを起点に感染が始まり、それを国も警察も助けないという展開になり、終盤のどんでん返しに至っては「胸糞悪い」のひとことです。
 韓国の民族性ではありますが、貧困層はより際立つということか、感情的な怒号や罵声のセリフがかなりの割合を占めてるのも辛い。「どんでん返し」に至る「彼」の行動以外、ロジカルな行動というのが全キャラクターにおいてほとんどなく、そしてその「彼のロジック」がアレなわけで……。

 また、新感染には、列車内のみの一次元であるゆえの面白さがあったので、本作では、街という平面を考えたときの不自然な点が目につくのもややマイナスでしょうか。


 気付いたちょっと面白いこと。
 両作品のゾンビには、「ドアを開けられない」という特徴があります(「視聴覚で感知したもの以外は追いかけない」という特徴は、両作品で相違する)が、終盤、ヒロインがあからさまにドアを開けっ放しにする行動に出ます。この期に及んでまだその特徴に気づいてないのかこのキャラ?! とびっくりするのですが、後から考えると「既に感染している」ので、無意識にそういう行動を取った、ってことなんでしょうね。



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2017年10月04日

短評(ハイジ/響けユーフォニアム2/ヴェンジェンス)


ハイジ -アルプスの物語-
[80点]
@恵比寿ガーデンシネマ
 見るか見ないか迷ってたところに、togetterとかで盛り上がったりしたので、思わず見てきました。見てよかった。
 ドイツ・スイスでも、原作でなく宮崎・高畑版のアニメで知られているという本作、2時間に収める都合もあってか、展開はツボを押さえ、みっちりと詰まっていて飽きが来ません。今回の内容は原作寄りらしいですが、美しい山嶺のビジュアルと、きっちり立ったキャラ群は、アニメを意識してこそのものでしょう。ゼーゼマン邸の使用人たちが素晴らしい。
 「クララがなぜ歩けないか(体力がつけば歩けるのにあきらめていた)」という点が描写されてないので、「クララが立った」のクライマックスに説得力がなく、ぼんやり終わった感じがする点だけ、ちょっと弱みでしょうか。
 そんであの、こういう書き方しちゃアカンのは承知の上で、あなたがロリコンなら絶対に見逃しちゃならん一本です。ハイジとクララがめっさかわええ……あぁぁ癒される。
 ラストで立ったとき、「クララ背ぇ高っ!」と思っちゃうのはご愛嬌。



劇場版響け!ユーフォニアム -届けたいメロディ-
[75点]
@新宿ピカデリー
 テレビシリーズ2期の総集編映画。前作も良かったけど本作も、総集編映画として最高峰と言えるレベルの傑作。
 テレビシリーズ序盤の退部者復帰の騒動や終盤の先生の恋バナは全カットで、あすか先輩と姉のエピソードだけを、時系列通りに抜き出しただけ。しかし絞り込んだがゆえに、一本の映画として完璧に成立する構造。「説明少なめの青春もの単品映画」で売れます。
 そこに、テレビでは描かなかった全国大会の演奏がどーんとくるからたまらん。映画館の音響だけに、なぜ「銅賞にとどまったのか」がわかるんですよ。ぜひ映画館で見て欲しい一本。

 あとロリあすか先輩最高。



ヴェンジェンス
[60点]
@バルト9
 ニコラス・ケイジ製作・主演の刑事もの……というより、本作の前半はレイプ犯罪が女性側の泣き寝入りになる、実際にありそうなケースのセミドキュメンタリーになっていて、法が無罪にするなら、必殺仕事人が始末をつけましょう、という話。
 しかしそういうファンタジーに変えるなら、あの弁護士のドタマもブチ抜いてやらんと収まらんでしょうこの話。その他、オープニングに出た「ケイシーの姉貴」とか相棒とかばあさんとか犯人の妹とか黒人の弁護士とか、中途半端に登場して投げ捨てられたパーツが多すぎて、エンドロールで「えっこれで終わり?」となること請け合い。
 音楽がやたらエモくて盛り上げ上手で、中盤はグイグイくるだけに、ちょっと残念。

 でもベシーちゃんが健気でロリかわいい。


 ……なんだこのロリ3題?



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2017年10月03日

ドリーム

[70点]@109シネマズ二子玉川

 まずは揉めてた邦題の話をすると、……うん、キング牧師の当時の映像ちょろっと流れるけど、「ドリーム」全然関係ないね。今時こんな、「内容に関係ないし、いずれ検索してもたどり着けなくなるから認知や売上に悪影響、ただちょっとだけイメージがいい」なんてタイトルを、邦題につける人が業界にいることが害悪です。
 吹き上がった人には申し訳ないけど、「私たちのアポロ計画」をメインタイトルにした方がマシでした。彼女らは実際、アポロ計画の時期までNASAで働き続ける道筋を、自分自身の才覚で切り拓いたわけですから。

 (ついでにいうと、けっこう期待してパンフ買ったんだけど、彼女らがこの映画の中でなしたことの詳細……オイラーの定理とは何か、FORTRANとは何か、みたいな話は一切書かれてませんでした。ホント、本作の日本公開関係者に内容を尊重する人がいなかった、ってことがよくわかりますね)

 
 さて、本作。
 ……正直あんまりアガらなかったのは、自分の期待よりもずっとヒューマニティ寄りで、「計画の成功」より「差別の打破」に物語の力点が置かれているからだと思います。
 僕は、同じ時代同じバージニア州の物語である「ラビング」で、当時の「分離すれども平等」の感覚の別の表現を見たせいか、どうも違和感を覚えます。この作品を丸のみするならば、「NASAが黒人を雇っている」時点でおかしくはないですか?(Wiki 見たら、やっぱり史実と違う……)

 字幕のせいもありそうですが、恋愛話がどこまで必要だったかとも思いますし、黒人計算者が普段何を計算しているのかを提示しないのも痛いです。
 そして率直に言ってすごく萎えたのは、クライマックスで「やっぱり機械より人間のほうが信頼置けるよね!」みたいなセリフが出てきてしまったこと。その機械を動かすプログラムを組んだの、ドロシーたちじゃないの? 


 この物語は、「すぐれた人間は、たとえ社会制度が阻もうともっと上を目指す」ことを描いたと理解します。それは人類普遍の正義です。
 その意味でいちばん印象に残ったのは、「権利を勝ち取るには闘争しかないんだ!」と吹き上がっていた夫が、「判事を論破して権利を勝ち取った」メアリーに膝をついたシーンでした。
 「間違った社会」を正したければ、まず学べ。学ぶ歩みを止めるな。教養とスキルを礎とする先駆者だけが未来を切り開く。それを怠り「劣った者」に安住する者どもが差別を言挙げしたところで、誰も何も認めはしない。


 本当は、初期のNASAを再現したセットの見事さとか、IBMのエピソードとか、宇宙計画の裏方作業のこととか、「うわぁぁぁ手回し計算機や!」とかもっと理系的なとこを吠えたいんですが、あんまりそういう気にさせてくれない惜しい作品でした。



ライトスタッフ (字幕版) -
ライトスタッフ (字幕版)
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2017年09月21日

短評(新感染/西遊記2/エウレカセブンハイレボ1)


新感染 -ファイナル・エクスプレス-
[80点]
@109シネマズ二子玉川
 いやぁ面白かった。
 一言で言えば、「電車内」という場所限定の、よくあるサバイバルホラーでしかありません。
 しかし、電車という舞台設定の狭さを活かした、加速するスピード感と濃くなるイベント密度にスキがなく、ハラハラしっぱなし。
 個々のイベントがあまりにツボを押さえてるので、誰がどう犠牲になって誰が生き残るのか読めちゃうので意外性はない(妊婦が死ぬわけないんだよなぁ)んですが、なればこそ丁寧な演出で、カッコいいキャラはカッコよく、無様な奴は無様に散る。王道過ぎてうなります。
 これにKORAILがちゃんと協力してるってのが凄いよね。日本でも車内限定の映画とか撮れたらいいんですが、JR東海は絶対無理だろうな……JR東か西か……たとえば北陸新幹線が敦賀まで延びたら、福井〜敦賀間くらいは貸切で撮影できそうな?



西遊記2 -妖怪の逆襲-
[70点]
@TOHOシネマズ川崎
 よもやちゃんと作られてちゃんと日本に入ってくるとは思わなかった、チャウ・シンチー版西遊記の続編。
 前作もその傾向があったけど、中盤まではやくたいもないチャイニーズ・コントで、日本人には笑いどころがなく、見ててツラいくらい。
 しかし物語が本格的に動き出してからは(あれが全部「フリ」とか、ストーリー的にムリはあるけど)、ノリがどんどんよくなって妖術CGのキレが増していき、クライマックスのバトルCGに至ってはもう「きがくるっとる」としか表現のしようがない弾けっぷり。邦画のCGで、これくらい心のタガを外すのが見られるのはいつの日でしょうか。

 あと、唐突に「Gメン75」のテーマが流れ出して驚いたのですが、アレは何か、主役チームがずらっと並んだらアレ流さなきゃいかんというルールが中国にあるんですか。



交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1
[45点]
@ユナイテッドシネマ豊洲
 ……またやってしまいましたなあ。「続きは見ない」と言ってやるのが礼儀でしょうなぁ。今回も書くけど、「ねだるな、かちとれ、さすれば与えられん」は、キメゼリフじゃねぇんだったら。

 物語の根本である「サマー・オブ・ラブ」を描くという触れ込みなのに、当時はいないはずのレントンが、予告とかに普通に出てるからどういうことかと思ったら。
 序盤20分程度で「サマー・オブ・ラブ」を描いた後は、一見さん完全にお断りの内容になります。エウレカとはどんな存在か月光号とは何かそれらとレントンはどう関わるのか、見ても一切わからない、「俺らの世界に勝手に入ってくるな」レベルでのテレビ版再編集。それも、実質的に1エピソードしか使ってないのを、時系列切り刻みでなんとなくカッコよくしてるだけ。
 どうせサミーから出てる予算を、「サマー・オブ・ラブ」だけで使い切ったわけですね。サミーがほしがる映像もそれだけなんでしょうから、素直に「短編映画」で作ったらよかったのに。
 その「サマー・オブ・ラブ」は、ガチャガチャ出過ぎのテロップを、「設定に凝った短編SFアニメだったらこんなもん」と許容できれば、発狂レベルのバトルアニメーションが繰り広げられるなかなかの出来です。ただし、要するに負け戦なので、カタルシスはありません。でもホントそこしか見どころがなく、そこで満足するしかないのです。



TVシリーズ 交響詩篇エウレカセブン Blu-ray BOX1 (特装限定版) -
TVシリーズ 交響詩篇エウレカセブン Blu-ray BOX1 (特装限定版)
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