2017年01月26日

短評(ザ・コンサルタント/アラビアの女王)


 荒井晴彦氏のコメントが話題になってるけど、あの手合いを黙らせ、業界を刷新するために、映画界はいちど金を出し合って、「君の名は。」や「この世界の片隅に」を実写化すればいいと思います。
 その際ポイントなのは、手がけるスタッフが何をわめこうと、「そのまま再現する」こと。両作とも、アニメにもかかわらず「人体に不可能なデフォルメ」はほぼありませんので、そのまま実写にできます。
 そうすれば、制作過程できっと、「絵」「実写」の別ではない映像の根本的な部分、たとえば演出の理念や編集の技術についた彼我の差が、あらわになると思うんです。
 

ザ・コンサルタント
[65点]
@チネチッタ
 序盤から中盤にかけて、視点を切り替えつつ「謎」を積み上げていく手際は神がかってます。主人公のキャラクターが非常にユニークで、彼の存在自体がどーんとミステリアスで、それを解き明かしていこうと、登場人物も観客の視点からも、あの手この手で謎に近づいていく感じがすごくよいです。
 ……それだけに、「各視点がきれいに収束しない」のがすごくもったいないです。FBIチームの結末がアレで、過去の秘密をべらべら喋り倒してそのままフェイドアウトってのはあんまりです。
 あと、弟の方も相当ヤバイ橋を渡ってるはずなのに、あの終わり方でええのん……? もう少し因果応報があったほうが僕はよいと思うのですが、まぁメリケンの「家族絶対主義」は宗教みたいなものだからなぁ……。


アラビアの女王 -愛と宿命の日々-
[40点]
@シネマカリテ
 ……死ぬかと思った。
 いやさ、アラビアのロレンスと同時期にアラブで活躍した女性の伝記映画……と聞いて、あなたどんなの想像するよ。……前半1時間くらいずーっと、益体もない色恋沙汰で引っ張ると、誰が思うかね! もうアラフィフのニコール・キッドマンに10代みたいな演技させてさ! しかも彼女の高身長とスタイルの良さが仇となって、英国貴族の娘に見えなくて、吉田沙保里がマウントしてるような印象しかないよ! そんでこの色恋部分、物語的には「ヒロインが砂漠に踏み込むきっかけになったようななってないような」くらいしか意味がない、というね!
 そこを過ぎて、彼女が砂漠に踏み込み、砂漠の民と交流していく過程は興味深く、また、いろいろ手を尽くして砂漠の自然美を撮影している印象はあるのですが、結局は「砂漠を行く」「話し合う」のひたすら繰り返しで、ドラマ性が乏しくって……キツかった。



アラビアのロレンス (字幕版) -
アラビアのロレンス (字幕版)
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2017年01月19日

短評(UTOPIA/パシフィックウォー/鮫の惑星/ナーヴ/ホワイトバレット)

いろいろ一気に。

UTOPIA
[45点]
@下北沢トリウッド
 「カラフル忍者いろまき」に続く、アニメたまご2016からのシングルカット公開(「風の又三郎」見たいんだけどなぁ……2017はちゃんと一般公開がある模様)。

 連続ものの1話だけを抜き出した体なんだけど、キャラの魅力が全く出ておらず微妙。あのやかましいだけの猫娘は何がしたかったのか。対象年齢低めとはいえ、スタジオ4℃特有のスピード感が削ぎ落とされアニメーションの魅力も薄く、「見たかったのはコレジャナイ」感が強いです。

 なお、トリウッドでは本作公開に合わせスタジオ4℃特集をしてて、片渕須直監督の旧作「アリーテ姫」や、今週末には特別上映で「アニマトリックス」とかやるので、興味のある向きはどうぞ。


パシフィック・ウォー
[60点]
@シネマサンシャイン池袋
 ニコラス・ケイジ主演で、第二次大戦末期のインディアナポリス号撃沈のエピソードを映画化。遺族がお金を出し合って作った?らしく、日本映画並みの安っぽさだけど内容は真剣。ただし、向こうでは「ジョーズの原型」な話でもあるせいか、サメがやたらリアルなのが嘘っぽくて少し損をしてる印象。あと沈没時の構図、やたら「タイタニック」に寄せてたような?
 ハリウッド映画が、旧日本軍の潜水艦かつ人間魚雷「回天」をきっちり描写する、というのもレアだと思うので、そういうクラスタの方は、公開規模小さいですが是非。


Planet of the Sharks -鮫の惑星-
[40点]
@ヒューマントラストシネマ渋谷
 「パシフィック・ウォー」がサメ映画の原型とすれば、アサイラムといえばサメ映画の現在進行形。……だと思っていたのですが。
 ……あれ? おかしいぞ? アサイラムのサメ映画といったら、サメが宇宙に行ったり巨大ロボットと戦ったりするんじゃないの? 本作なんてこのタイトルで、これみよがしにオープニングに自由の女神出したりするから、てっきりサメが人間を拷問したりサメの大軍が銛振りかざして襲ってくるもんだと思ってたのに。
 フツーだった。
 …………いやいやいや、アサイラムはただでさえ絵面が安いんだから、彼ら流の無茶振りと、それを強引に納得させる畳み込みを捨てたら、それ単にヌルくて説明的で、似たようなシーン何度も繰り返すケチくさい駄作なだけじゃん。

 ちなみにこの作品で最も衝撃的なシーンは、サスペンス映画のセオリーなら、「真っ先に死ぬか最後までしぶとく生き残るかの二択」としか思えないキャラが、なんのタメも感傷もなく、あっさり普通に食われて死ぬところです。


NERVE -世界で一番危険なゲーム-
[60点]
@TOHOシネマズ川崎
 うーんうーん、評価難しいな。
 各チャレンジの撮り方はドキドキさせられたし、コンピュータ周りのリアリティラインの作り方も割と好きです。不特定多数参加のゲームの話なのに世界観狭すぎるのは、スクールカーストの打破というよくあるパターンを持ち込むためだろうから、理解はできます。
 ただなぁ……あの彼氏が「盛り上げるための仕込み」なの、初手からあまりにあからさま過ぎて、その時点で「このゲーム世界に参加してもつまらんよ」と突き放されている印象……観客にもっと「ゲームに参加してる擬似感覚」を強く与えないと、終盤の展開にビックリしてもらえないと思うんですよね。
 あと、「解決方法」として提示される「オープンソースだから書き換える」って、発想はすごいけど、何の解決にもなってないような気がするぞ……。


ホワイト・バレット
[60点]
@新宿武蔵野館
 改装なった武蔵野館は初めて。スクリーン2・3の入りにくい構造が改善されて何よりです

 本作は、「エグザイル -絆-」のジョニー・トー監督による、病院内のみで繰り広げられるノワール。撃たれた強盗犯が搬送された病院で、犯人、刑事、女医の3人の駆け引き。
 序盤から中盤までの、負い目のある女医と刑事のプライド描写や、それを飲み込む如くにインテリ強盗犯が上を行って立ち回る駆け引きの濃厚さ、緊迫感は素晴らしいです。
 ……それだけに、「クライマックスはとにかく派手にしました! 病院内で銃撃戦とか倫理的にどうなん、とかどうでもいいです! 勝つのは警察側、勝因は単に物量で勝ったから!」という、前半のさまざまな仕込をどぶに捨てるがごときガバガバな終盤が泣けます。技術的には、すごいことやってんのはわかりますが……。
 あと、医療シーンがリアルで、下手なホラーより生々しいので、血とか内臓とか苦手な方は注意。




アリーテ姫 [DVD] -
アリーテ姫 [DVD]
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2017年01月12日

短評(人魚姫/ドラゴンマッハ/傷物語3)


やっときたチャウ・シンチーとトニー・ジャーの新作だってのに、なんでこんなに公開規模小さいんだよ(怒!


人魚姫
[75点]
@シネマート新宿
 素晴らしかった。
 チャウ・シンチー流の人魚姫は、話の筋はめっちゃ単純。海を開発しようとしてた拝金主義の富豪と、それを阻止すべく暗殺しに行った人魚が、なんやかんやで恋に落ちる。以上!
 しかし話が単純なだけに、ミラクル7号を彷彿とさせる(実際、軽くネタにされてた)小学生が考えたようなギャグがハマるハマる。踏まれるヒロイン、食われる兄貴、笑ってはいけない人魚警察24時、ホントくっだらねーのばっかだけど、これくらい軽快に笑えるドタバタ喜劇映画が、全然出てこないのが現状なんだってば!


ドラゴン・マッハ!
[75点]
@シネマート新宿
 香港(ウー・ジン)とタイ(トニー・ジャー)との共闘だから邦題がコレ。わかりやすい。実は原題はSPL2」。続編?! と思えど、ウー・ジンが出演している以外のつながりはないみたい。
 臓器売買をテーマにして、いくつかの血縁関係が愛し合い行き違い、その中で繰り広げられる駆け引き、というストーリーの濃厚さがすばらしい。アジア映画でなかったら、アクションシーンなしで作っちゃいそうなくらい。
 香港とタイの両国を舞台にしたことで起きる、「言葉の違い」の組み込み方もドラマチック。「emoji」は国境を越える! すごいな(笑
 言葉という点では、「マッハ!」の頃は全然喋らなかったトニー・ジャーが、めっちゃ多くなったセリフをちゃんと演技しきってて、俳優としても大物感を漂わせていることに驚きました。

 ところで、High&Low 見て、アクションシーンすげーなとか思った人は、この作品の刑務所乱闘で腰を抜かすこと。これくらいが当たり前と理解しましょう。
 個人的には、「前作のサモ・ハン・キンポーの暴れっぷりのほうがすごかったよな……」と思ってて、アクション映画としては評価しにくいです。本作も十分すごいんですが、慣れって怖いね。


傷物語III -冷血編-
[65点]
@TOHOシネマズ川崎
 /
 西尾維新作品といえば、独特の言い回しで幻惑することに妙があり、ドラマそのものの奥行きはあまりない、というのが定説。ましてビギニングものの最終話である今回は、物語の結末はおろかどう決着するかもほぼわかっているわけで。じゃあ、それをどう盛り上げるか。
 ……そうかー、そっちいっちゃうかー、話に出てくるのとは別の意味でチキン野郎だわ。「その」直前の羽川さんの天使描写と、忍との悪魔的な決着の間に「ソレ」がはさまるのは、いかにもスジが悪いです。おかげで超アニメーションの決戦の説得力も薄れた感じがして、個人的には不完全燃焼だった感。
 ただ、アララララギくんが(失礼、かみまみた)、最終的にガハラさんを選ぶ理由はとてもよくわかりました。いろんな意味で、羽川さん相手では絶対に一線を超えられない、と認識してしまったんだな。

 あと、特に序盤、作画が妙だったような……レベルが高くてもカットごとに質がばらつくと、すごく微妙。



ミラクル7号 (字幕版) -
ミラクル7号 (字幕版)

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2017年01月10日

短評(スタンドオフ/ドントブリーズ)


シチュエーションサスペンス2題。
これで去年公開の映画は全部出揃ったかな? 「海賊と呼ばれた男」がいちおう予定リストには残っているけど……見るかどうかは正直微妙。


スタンドオフ
[65点]
@シネマート新宿
 孤独な元軍人が住む荒野の一軒家に、殺人を目撃し証拠写真を撮ってしまった少女(超美ロリメガネっ娘!)が、殺し屋に追われて逃げ込む。序盤のやり取りで、元軍人殺し屋ともに、病院に行かねばいずれ死ぬ傷を負い、行動の自由が効かなくなる。2階に元軍人と少女、1階に殺し屋が陣取って、少女の命とフィルムをめぐって駆け引きが始まる……。
 1ヶ所、かなり痛いミスがあって、字幕を見る限りでは、途中のあるシーンで、殺し屋は軍人の残弾が1であると明確に見破っているんです。おそらく実際は、見破ったとは断定できないハッタリなのでしょう。その残弾を使ってしまった後も駆け引きが続くので、ちょっと引っかかってしまいました。
 それ以外は、1階と2階の位置関係だけで盛り上げ、さりとてあからさまなギミックもなく、伏線を意外なかたちで回収していく会話劇シナリオが面白いです。カメラも女の子も問題の解決にはなんら寄与しないとは。でも、なくていいわけじゃない、とても重要。
 日本も、若手監督や脚本家は、こういうのを作るのから始めたらいいと思います。


ドント・ブリーズ
[75点]
@渋谷シネパレス
 ここしばらく暗い話は避けてたのですが、評判いいので見てみました。住人は盲目老人だから気づかれるまいと泥棒に入ったら、実は聴覚鋭いシリアルキラーで、音を立てたら感知されて即殺されますよ、という話。
 怖さ、という点では弱いですが、素人目にもカメラワークにこだわっているのがわかる、演出技術の高い作品でした。登場人物が息を止めている間、自分も止めてたくなるもん。あと、●REC以来の見事な暗視カメラ表現!

 面白いのは、この作品には、「目が見えず耳が頼りの老人を、どうやれば幻惑・誤誘導させられるか」という発想がほぼありません。
 そうなってしまうのは、主人公ズのキャラづけをガッチリしてある上、冷静な判断をさせない展開が徹底されていて、彼らは「怖いので感づかれないように逃げる(でも金は持ってく)」という極めてプリミティブな要求でしか動かないからです。
 これはむしろうまい「縛り」で、「ヤバイヤバイヤバイ!」という感覚だけがどんどん浮き彫りになっていって、効果的でした。

 そして、いちばん心憎いと思った点。
 この話、「」さえ無事に「あの家」から脱出できれば、いちおうのハッピーエンドになります。「ヒロイン」はどういうエンドになろうと、観客は納得がいく。アンハッピーエンドさえ可。
 ラストが見えない不安定さ自体はよくあるパターンで、その場合、ラストシーンだけ何かどーんとびっくり演出を置いて終わらせるのが定番ですが、本作の場合、ぎりぎりで伏線の「車のトランク」→「てんとう虫」に観客の意識を振る。
 うーむ、これ作った人テクニシャンだわー。ホラーはやっぱり見ないと思うけど、フェデ・アルバレス、覚えておきましょう。



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2017年01月07日

アイ・イン・ザ・スカイ

[65点]@TOHOシネマズシャンテ

 ドローン・オブ・ウォーに次ぐ「ドローン戦争」もの。かの作品で再現されていたコンテナを、またも見ました。
 シャンテのみ先行公開、他の映画館は1/14公開だそうです。

 ドローン・オブ・ウォーは、トリガーを引く操縦士にフォーカスしていましたが、本作は命令を下す指揮官の苦悩が描かれます。なんとなれば、ドローンの飛ぶ舞台はケニア。つまり「敵対国」ですらない! 目標のテロリストも、テロ組織に参画したとはいえ自国民。
 まずもって「攻撃していいのか」というとこで、たいへんな騒ぎになるのです。まして、民間人を巻き込むおそれがある、ともなると。

 決断が遅れればテロリストを逃してしまう。しかし現場-指揮官-軍上層-政治家間を、情報と決定権が行ったり来たり、方針は定まらない。焦る指揮官、責任逃れを重ねる政治家、「緊迫感のあるブラックコメディ」としては、ギャヴィン・フッドの手並みは間違っておらず、すこぶるのめり込めます。

 ……ただ、のめり込めるがゆえにヤバく思える点がありまして。


 ひとつは、当事国であるはずのケニアがガン無視であること。

 米英人テロリストの存在だけが問題視され、ケニア人やソマリア人のテロリストについては俎上に上がりません。
 それに、物語のキーとなる「目標付近にとどまっている7歳の少女」については大騒ぎしますが、それ以外のケニア人はどうっでもいい扱いです。目標は市場のすぐ近くで、人通りソコソコあるんで、被害が出ないわけないんですが、無視です(自分は途中で、目標をずらす決断によって少女でなく両親が死ぬ、というオチを予想しました。いやホント、あの位置攻撃してなんで親が無事なの?)。

 また、領空を米軍のドローンが我が物顔で飛び回るのは話が事前についてるにしても、国民に危害を晒すおそれのある「攻撃決定のプロセス」において、「当事国が一切関与しない」という描写はマジなんですか。つまり、友好国ケニアの少女を殺していいかどうかを、アメリカとイギリスだけで話し合って決める、という異様な状況を、登場人物が誰も疑問視しない。
 きちんと監修もついて、実際の軍事規定をなぞっているらしいんですが……「危険人物がいる」という理由だけで問答無用でよその国をぶっ飛ばすステルス」を、ギャグ扱いして笑ってましたが、まさか現実の運用がそうなるとは……笑えないわこれは。


 もうひとつは、全体的に軍人>政治家の描写ということ。
 政治家はいつも安全圏にいて、責任転嫁しか考えず、戦争はプロパガンダが優先であると認識し、一方で軍需品の輸出には熱心で中国人におもねる惰弱な存在として描かれます。
 人間的で正しい状況判断ができるのは、現実に即して問題を捉える軍人である。現場で働く軍人を馬鹿にするな。そういう論調になってしまっているのです。

 たとえ時間がかかり、愚かな決断となり、犠牲者が増えたとしても、「軍人の独断専行を許してはならない」「決断を下し責任を負うのは『国民の代表者』、ひいては主権者たる国民でなくてはならない」というのが、文民統制の最大の原則では? と僕は思うのですが、本作に登場する軍人たちは、そうしていちいちお伺いを立てることがどうも不満なようです。

 僕はあくまでこれを「風刺」と受け止めますが、修羅場も見たであろう南アフリカ生まれのギャヴィン・フッドは、もしかすると本気で「米英の軍人に全部任せるべきだ」と考えているのではないかと、少し不安になるのです。



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2017年01月06日

2016年ベスト&ワースト


 あけましておめでとうございます。

 2016年は、映画党として実に良い一年でした。
 恒例のベストテンから始めます。順位付けしようにも、どうにもなりません。嬉しい悲鳴です。

ベスト10

1位/シン・ゴジラ
2016年、文句なくいちばん「スゴかった」作品。

1位/君の名は。
事実上新海誠に全振りしてきた、コミックスウェーブの忍耐が報われた感。

1位/この世界の片隅に
これを機に「戦争映画」の傾向が、少しでも変わってくれればいいと思います。



シン・ゴジラ -
シン・ゴジラ

君の名は。 宮水神社湯のみ -
君の名は。 宮水神社湯のみ

この世界の片隅に 劇場アニメ公式ガイドブック -
この世界の片隅に 劇場アニメ公式ガイドブック


4位/帰ってきたヒトラー
見たときは、間違いなく今年ベストと思ったものですが。

4位/聲の形
必ず2回見るべき作品。最初は描写どおり石田くん視点で、2回目は西宮さん視点で。小学生西宮さんの意図がわかると戦慄しまっせ。


6位/レッドタートル -ある島の物語-
傑作なのに、世間の「ジブリブランド」の過大な期待のせいで不憫な結果に……あれ、「三鷹の森ジブリライブラリー」のブランドを移行させちゃダメだったんだろうか。

7位/PATLABOR REBOOT
一昨年のワーストの反動がないといえば嘘になりますが、見たかったものが見られて本当に良かった。

8位/ペレ 伝説の誕生
「世間の評価は低くとも、僕だけは高く評価する」作品は、例年ならもう少し高い位置につけるんですが、今年は層が厚い。

9位/たまゆら -卒業写真-
2016年いちばん泣けた作品。いやマジで。「このせか」は僕にとっては泣く作品ではなかったので。

10位/ロイヤル・ナイト -英国王女の秘密の外出-
最後の一本は、アーロorズートピアとかエクスマキナとかいろいろ横並びで選ぶのが難しかったですが、最終的には自分の嗜好を優先ってことで。



ワースト3

1位/カゲロウデイズ -in a day's-
ぶっちぎりで 2016年ワースト、という話はリンク先参照。

2位/明日の世界 -ドン・ハーツフェルトの世界-
こんなのあったっけ? ……これです。マジで、英語で念仏を2時間聞き続けて平気な方以外は、「記憶にすら残らない」作品。

3位/魔法使いの嫁・-星待つ人:前編-
世にはいろいろえげつない特典商法がはびこっておりますが、それは「『それでもしょうがない』と許してくれるファン層が構築されてはじめて成り立つ」という、あたりまえのことを見誤った作品。

 この下はペイ・ザ・ゴーストとかウォークラフトとかマネーモンスターとか、キリがなさそうなのでこのへんで。


 アニメに特筆すべき作品がなかった2015年と異なり、2016年はベストもワーストもアニメが多数を占めました。

 今年ですが、神山健治監督の「ひるね姫」が控えています。「君の名は。」以降のアニメ映画を占う意味で重要な作品になると思われます。
 が、自分は見なかったんですが、年末に彼が「総監督」名義でやったサイボーグ009の新作は、2012年版を上回る勢いで「セカイ設定」の念仏を唱える最悪な作品だったらしいです。また、「ひるね姫」公式サイトのストーリー紹介が「岡山県倉敷市」で始まるあたり「聖地巡礼需要に色気満々」とみえるとことか、地雷の匂いがぷんぷんします。そういう低い期待値を上回ってくれればよいのですが。

 では、またつらつら書きっぱなしにするかと思いますが、今年もよろしくお願いします。
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2016年12月31日

ピートと秘密の友達

[70点]@TOHOシネマズ川崎

 ディズニーの子供向け映画にしては全然話題になってないし公開規模も小さいので、どんだけ駄作なんかと思っていたら、なかなかどうして。40年前の作品のリメイクだそうですが、シンプルな話を手堅くまとめた良作です。
 何しろ、登場人物が出揃ったあたりで、先のプロットがあらかた読めます。その通りになります。でも、つまらなくないし不快でもない。きちんと物語に没頭できる。よい意味で子供向けだと思います。
 
 例によって邦題がダメで、友達は秘密でもなんでもなくて、主人公ピートのほうがよほど「秘密」なポジションでした。「ジャングル・ブック」的な生い立ちに捻りがあり、5歳で山中の交通事故によって親が死ぬ、という設定。
 なので最低限の人間性があり、言葉がわかり、車も知っている。「文明に触れてビックリする」という定番の展開が排除されて、物語がとてもスムーズに進行します。

 そして、喪った家族を取り戻していく展開、しかしそれは共に暮らしてきた友達を喪うことでもある。ここ、御託は並べず、本能に近いふるまいで、ピートは家族を選ぶ、という描写が美しい。

 ……「新たな母親」となるブライス・ダラス・ハワードの母性を強調すべく、着衣おっぱいをどアップにするシーンが、おっさん的にはすばらしいので必見(笑。実は「レディ・イン・ザ・ウォーター」の「ストーリー」だったと知って驚きました。


 まだ見てない作品がいくつかありますが、今年はこのエントリで打ち止めです。よいお年をー。



レディ・イン・ザ・ウォーター (字幕版) -
レディ・イン・ザ・ウォーター (字幕版)
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2016年12月27日

ローグ・ワン

[前半45点][終盤80点]@チネチッタ

 終盤の大バトル&畳み込みは凄いですそれに異論はないです。
 なればこそ。

 ……なんでこの作品、ジンが主人公なんですか?

 反乱軍のためと思い、意に沿わぬ汚れ仕事に手を染めてきた連中が、自らの名誉を取り戻すために、政治ではなせぬ大仕事に命を賭ける。それが中心になくちゃいけないんじゃないの?

 ジンというキャラクターに、感情移入対象としての作り込みが足りず求心力もないので、「ローグ・ワン」が成立するまでは、戦争がひとごとにしか見えません。人生フォースとともにあると言い切れるようなSWファンには、そうでないのかもしれませんが。

 登場する幾多のならず者たちの背景にあるそれぞれの物語を、ほんの少しでも盛り込んでくれたら、もう少し感じが違ったと思います……が、もしかするとあれ本当はひとりひとりちゃんと名前ついてて、ディズニーはこれから赤穂義士の向こうを張って「ローグ・ワン銘々伝」を始める気では? と思うとそれはそれでなんかヤダ。



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2016年12月24日

ポッピンQ

[50点]@チネチッタ

 日本における永遠の謎のひとつ。なぜ小学生男子にコロコロで圧倒的シェアを誇る小学館が、その読者層を維持できず、少年誌ではジャンプマガジンの後塵を拝するのか。
 ……この作品もそういうことなんだろうなぁ。
 狙いはすごくわかる。プリキュアで小学生女子をガッチリ押さえてる東映アニメーションが、「次の年代」を、プリキュアの手法とラブライブの路線をミックスさせて、取り込もうとしたのである。

 でも、売り方を間違えると……。
 「ダンスで異世界を救う」がガッチガチのメインプロットなのにそれを隠し、「異世界に飛ぶ」に違和感が生じるような、そして石塚運昇が「ダンスじゃ」と言った瞬間に「なんでやねん」とツッコまざるを得ないような、そんな予告編を作ったりすると。

 この、明らかに中学生女子だけしかターゲットにしてない作品の初日に、30以上のおっさんばかりが押し寄せるという事態が発生するのである。


 いやさ……開幕30秒で、大人の見るもんじゃないと思い知らされまっせ。正確にいえば、「物語リテラシーの低い人を相手にしています」という限りなくあからさまな主張……かな。それでも、あのテロップは出さずに組み立てるのがまともな演出家でしょうよ。
 以降、東映アニメーションが本気を出しているのでアニメにまったく瑕疵はないですし、個々のイベントはきっちりツボを抑えてはいるのですが、イマイチ乗り切れません。映像でなくセリフで説明していく例のパターン多いし、「世界の危機」にまったく説得力が無いので、あの異世界における主人公たちの行動は、「ただ言われたとおりやる」で終わっている。


 では、それだけわかりやすく中学生レベルの物語を組み立てた結果として、予告編で強調した「彼女らの卒業前の不安」についてうまく描けたか? って話です。そこさえ描けてればこの作品は成功だったはずなんですが。

 僕はね、中高生がいちばん悩むのは、それなりに歳を重ねて世界が広がってきたときに、どんなにがんばってもより優れた人がいる、上を見たらきりがない、という「才能の差」が見え始めることだと思うんです。それはもう、「心の持ちよう」ではどうにもならない。だから苦しい。
 (強制的に老化させられるシーン、あれだけはよかった。だけどそれは「老い」そのものが恐ろしいのではなく、「何もなせずに老いる」のが恐いのだということを、制作陣はわかっていたか?)

 恐ろしいことに本作では、登場人物全員「才能の壁」が存在しないの。より秀でた存在がおらず、「彼女らに見える世界の範疇で、自身がそのジャンルで最優秀であると自他共に認めてる状況」なんだよ。
 で、彼女らのうち3人は「優秀すぎて敵を作ってしまった」という、贅沢すぎる悩みを抱えていて、残りの2人は、持てる才能に対してあまりに低次元な「普通の女の子でいたい!」的な悩みを訴えるのですわ。
 加えて、まったく別のジャンルであるダンスに手ェ出して、世界を救う奇跡のレベルにたった10日で到達してミッションクリアですよ。才能有りあまりすぎてて気色悪い。

 この「子供の全能感」の延長線≒プリキュアを継承したままのキャラ描写で、一年代上に共感してもらえると思う? 本気で?
 完全に勘違いしてできあがってるものを見るのは、哀しくすらあるよ。


 あとひとつ書いておきたいこと。
 東映アニメーションは、地方のアニメ制作会社で地方を舞台にしまくる京アニや PAWorks が、セリフになぜ方言を使わないのか、聞いたことないのかな。
 好きな声優だからあまり言いたくないけど、実質ほぼ標準語のイントネーションで、ときどき思い出したように語尾が変わるだけの瀬戸麻沙美の土佐弁は、キャラ個性として確立できておらず、聞いてて苦痛。使うべきではなかった。


 いま東映アニメーションなら、「虹色ほたる」が配信されてるそうだから、そっち見ようみんな。



虹色ほたる―永遠の夏休み― [DVD] -
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2016年12月22日

映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!

[60点]@TOHOシネマズ川崎

 妖怪ウォッチは、しばらく遠ざかっていたコンテンツだったんですが、本作に限っては、実はものすごく期待してました。
 予告編を見たときのあの戦慄は忘れられません。これはスゴイ。ローグ・ワンなんかメじゃねぇって。

 今までにも、実写とアニメの融合、なんて作品はいくらでもありました。しかし、アニメの側を「主」「真」「正常な世界」とし、実写を「従」「偽」「異常な世界」と定義して物語を構築した作品があったかって話ですよ。
 少なくとも予告編はそう見えたんだ。

 実際見てみて、どうだったか、というと。
 残念ながら、結局は「実写が主」でした。実写とアニメが文字通りに平行世界である設定で、ケガに絶望した「実写側」の人物が妖怪を生み出し、「自由に動ける」という理由でアニメ世界に紛れこんできた、というストーリー。
 そんでもって、実写とアニメで「ルール」にあまり違いがない、あるいは想像のつく範疇でしかなかったです。違いに意味があったのはせいぜい、「現実的だから」アニメっぽい技は全然効かない、くらいでした。でも、敵による「キャラを魚に変える」技はフツーに実写側で通用してるというね。

 つまるところ、せっかくのダブル世界のアイディアは生かしきれてない印象。そもそもなぜ「実写/アニメ」の切り替えが効くのか、それがなんでコアラの能力なのか、とかも全然わかりません。
 ……妖怪ウォッチ、というか日野晃博に論理的整合性を求めるほうが無理筋でしたわあっはっは。あきらめた。


 素直にいつものギャグアニメとしてみると、実写を「毛穴世界」と呼ぶセンスとか、一瞬だけ登場する(予告でも圧倒的存在感があった)遠藤憲一の人面犬のインパクトとか、ギャグやってネタやって終わったら次のネタいってみよー! という変わらぬコロコロノリで楽しいです。
 その点、人面犬は一瞬なんだけど、遠藤憲一は別の形で映画全体のオチを担当しています。これが、論理的整合性ぶん投げの最たるものであると同時に、すでに「おもしろかったねー」とか言ってお帰りモードに入っていた子供たちを大爆笑に包む素晴らしいキレ味で、ここで笑ってもらえたらギャグアニメの本懐極まれりってモンでしょう。
 オトナにゃもうわからん世界ですが、その意味では傑作かもしれません。


 遠藤憲一以外の「実写勢」ですが、

 澤部佑のクマは出オチでした。
 ゲストヒロインたる浜辺美波は、最重要役でありながら存在感があまりありません。最近あちこちに出ててゴリ押し感ある人ですが、声も顔もかわいくなく、正直、使い倒されたあげくにポイ捨てされる将来しか見えません。かわいそうな感じがします。
 一方で武井咲がべらぼうに美しくて、小学生設定のヒロインズと並べても遜色ないのが怖いくらいでした。つーか、「毛穴世界」なのにあんな肌つるっつるの毛穴なさそうな人をなぜ使ったのだ(褒めてます)。

 だが山崎賢人と斎藤工、おめーらはダメだ。
 おめーらのダンスは、王と面従腹背の部下がなぜか完璧に合う、ってのがギャグのキモだろうが。なんだあのてんでバラバラのやる気のない手抜き。子供向けだからってナメてんじゃねぇ、まじめにやれ!



映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン! -
映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!
posted by アッシュ at 15:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月21日

幸せなひとりぼっち

[70点]@ヒューマントラストシネマ渋谷

 「ホルテンさんのはじめての冒険」「100歳の華麗なる冒険」と、毎度味わい深いものが出てくる北欧の老人映画。本作も良かったです。

 今回の爺様は偏屈ジジィ。ある住宅地の地区会長を長年務め、地区のルールを住民に口うるさく押し付ける日々。でも愛妻に先立たれ、序盤はあの手この手で後追い自殺を試みるも、引っ越してきた移民一家のイラン人妻になぜか邪魔される……。
 爺様の演技が絶品で、イヤなジジィなんだけど拒絶はしきれないギリギリのところからはじまり、しかたなく少しずつ心を開いていく進展が見事です。

 たびたび背景に国旗が映り込むし、車はサーブしか認めない(ボルボ好き友人との意地の張り合いがメチャメチャ笑える)あたり、この爺様はスウェーデンという国家そのものです。偏屈に老いて己の言い分を通したくとも、移民とも、LGBTとも否応なく向き合わなきゃいけない立場にある。
 そうした異物に、なべて寛容であれ手を携えて生きよ、とだけ能天気に主張するのでなく、「爺様の作ったルールをちゃんと守り引き継ぐことが受容の前提」、という点をさりげなく示す、線の引き方がうまいと思いました。

 無駄に長い回想シーンがイマイチ噛み合ってないのが残念。現在の爺様見てれば過去はなんとなく見えてくるので、そこは観客の想像力を信頼してほしかった。で、回想シーンは最終的に「奥さんの過去の真実(意味するのはおそらく『高福祉国家の幻想』)」へと導かれるワケですが、どうもご都合主義感を禁じえない……というか、なぜそのデキた奥さんがそばにいて爺様の偏屈が維持されたのか、本作が最大の謎。

 あと、回想には若かりし頃の爺様が登場しますが、役者さんが違うのに声がほとんど一緒なので驚きました。あれマジでアテレコか何か?



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2016年12月14日

RWBY -Volume 3-

[60点]@シネリーブル池袋

 いやぁ……すげぇ盛り上がって面白かったんですけどね。
 とりあえずこの RWBY というシリーズでは、Volume 1 で僕が期待した「欧米人によるアニメの換骨奪胎とはいかなるものか」という新規性はもうあきらめたほうがよくて、Volume 2 以降、「ストーリーのついた格闘ゲーム」以上のことはやんない、という路線で邁進してることはよくわかりました。それはそれで斬新でスゴいんですけどもね。

 「監督がお亡くなりになった」とたんに変貌したのか、元からそういうプロットだったのか知りませんが、さらなる展開のために後付としか思えない無茶な設定を盛り込み、風呂敷を広げまくった挙句に、主人公ズには試練を与えて現在絶賛ドン底状態、ここからどうやって盛り返そうか……というところで第4期に続く! とか、どうすんのこれ……。豊口→伊藤静なピュラ嬢の無駄死にが絶望的過ぎるよ……。

 で、あの……「劇中最強のチートキャラ・その能力の奪い合いが最大のイベント」であるところのアンバーさんがあっさり普通に負けて、その一方で脇役に過ぎないエメラルドさんの能力が、「範囲・人数無制限で幻覚を事実と認識させられる=もう全部あいつひとりでいいんじゃないかなクラスのチート」なんですが、そこらへんのさじ加減はどうなっておるんでしょうか……。

 とりあえず僕は、パラソル子さんが再登場してくれたんでそこがいっとうアガりました。まだ死んでないよね? ね?



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2016年12月08日

コラム

 最近の関心事は、映画館では結局このふざけた予告しか見なかったモンストの映画が、本当に今週末に公開されるのか、ってことです。



 制作状況に関係なく、正月興行したいけど「妖怪ウォッチ」より前に始めないと埋もれるぞ! みたいな公開日の決め方したんじゃねぇか、って気がすんだよなぁ。やばそうだなぁ。
 見ないけど。

<12/14 追記>
特典ありきとはいえ、「海賊と呼ばれた男」を上回って週末興収1位とか。おみそれしました。



 トリウッドでこんな企画が。マジか。
 「下北沢 鷹の爪映画祭」
 「カスペルスキー」見てないんだよな。どうしようかな。

 ……「6」はともかく、「女王陛下のジョブーブ」がラインナップにないのは、リクルートに断られたんでしょうか。



 めでたく邦画興収ベストスリーを神木龍之介出演作品が占め、こんな話がネタめいて出回る昨今ですから、神木龍之介が声を当てたアニメ映画特集! とかいって、「アーサーとミニモイ」シリーズをリバイバルする奇特な映画館、ありませんか? ていうか、第三部を日本公開したりしませんか?
 ←今調べたら、第三部は結局DVDスルーだったのだけど、声を当ててるの神木龍之介じゃなかった! なんてこった!



 目黒シネマとキネカ大森で新海誠の旧作再鑑賞してきました。でも秒速は見ない。一生見ない。
 「雲の向こう、約束の場所」について甚だしい勘違いをしていて、「君の名は。」の感想を書き直したのはナイショ。
 で、当時は劣化ジブリとさんざん叩かれた「星を追う子供」ですが、やっぱり自分にとっては傑作であることを再確認しました。
 あの作品は、ジブリの影響下にあるのは確かだけど、ジブリ的なものはすべて「死後の世界」にあり、「それに対して妄執を持つ者」と「それを受容していない者」とが旅をするロードムービーなんだから、比較してどうのという作業は不毛でしかありません。
 そもそもが冒険活劇を目指しておらず、もしも「フォロワー」という単語を使うなら、宮崎駿ではなく「宮崎悟朗」のフォロワーだという観点で見ないと、おかしなことになると思うのですよ。



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2016年12月06日

メン・イン・キャット

[70点]@TOHOシネマズシャンテ

 予約のとき、アレ?って思ったのです。だって FRENCH って書いてあるんだもの。フランス映画?
 見てすぐに、答えは解けました。……ヨーロッパコープかよ!

 というわけで、「オヤジの魂がネコに入り込む」という筋の、「ネコ動画みんな喜んで見てるんだから、ネコ映画もみんな見るだろ!」な短絡思考に基づく、安っぽくてあざといけどツボはガッチリ押さえた、非常にヨーロッパコープらしい作品。アクション以外でもこういうあざといのを作れたんですなぁ。
 犬がお父さんの国で若本規夫に予告編打たせて、ぬかりなしです。そういや日本でも「猫侍」とかやってたっけ……。

 (ここまであざとくやったわりに、エロ方向のサービスシーンがないのが意外ですが、ネコ動画が流行る理由のひとつは、PC的に安牌って部分もあるから、そのリスクは避けたってとこですかね。)

 最後に取締役会がなぜ逆転したかまったくわからんのですが、些末なことです。どれくらいCGなのかよくわかりませんが、カバンをトイレにするわ酒飲んでへべれけになるわ、やりたい放題の「ネコ動画」が「どうだこの野郎」と言わんばかりにぶっこまれるので、「ははぁ参りました」と見るしかないです。
 それでいて、わりと複雑な家族関係を(同族経営のまんまでええのかという是非は別として)、すっきり軽いハートウォーミングへとまとめていて好感触。ラスト近くの主人公の「一生あのトイレなのか」というふざけたセリフが感動を呼ぶあたり、よくできてると思います。

 あと個人的には、クリストファー・ウォーケンの元気な姿が見られて嬉しかったです。



劇場版 猫侍 -
劇場版 猫侍
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2016年12月05日

マダム・フローレンス -夢見るふたり-

[55点]@ユナイテッドシネマ豊洲

 予告編だけでホロリときてて、これが今年の「老人映画」枠かと勝手に期待を高めてたせいかもしれないですが、ちょっと首をひねるデキでした。

 何がまずいって、第一に、メリル・ストリープ歌うますぎ。「伝説の音痴」と呼ばれた人、それも50年以上死と隣り合わせでいた病弱、という設定なのに、隠しきれない圧倒的な声量。ヘタに演じてはいるのだけど、笑いものにはとてもできません、絶対この人将来伸びるって感じがしてくるんだもん。当時76歳の人だというのに!
 でもほぼすべての登場人物が、彼女の歌を聞くと全否定で嘲笑するのです。まったくわかりませんでした。そして、ここがわからない人には、絶望的に入り込めない作品になってます。

 で、思わせぶりに出てきた「夫の愛人」が本当に単なる愛人でしかなかったとか、最初は笑ってた女が、その後なんの絡みもないのにクライマックスでは唐突に「一生懸命やってるんだからいいじゃない」的に持ち上げ出すとか、夫がひたすら隠した「酷評」を知ったとたん主人公はショックで倒れてそのまま死ぬとか、この素晴らしい題材がどうしてこんな下手な料理になるのか信じがたいレベル

 あれさ、ヒュー・グラント演じる夫はもともとは遺産狙いで近づいたわけよな。でも、ヘタでも心底音楽が好きな彼女と25年も連れ添えば、そりゃあ応援するようにもなるよね、って話じゃないの? だったら25年間きっちり描写して、「彼女の音痴が時間をかけても矯正できない」エピソードを含めるべきだったんじゃないかな。Wiki によれば歌手デビュー1912年とかなってるんで、1944年だけにむりやり押し込むことなかったんじゃ……。

 もっとも、1944年に特化した話になって、「酷評」を伝えるニューヨークポストの一面トップが対日の戦局だったりするもんだから、「1944年アメリカ日常もの」という感触のある作品になってもいて、すずさんが苦労する頃海の向こうではこんなことやっとったんかぁーとしみじみ思っちゃったりもしました。



「ハイCsの殺戮」オリジナル・レコーディング(1937-1951) - フローレンス・フォスター・ジェンキンス&フレンズ
「ハイCsの殺戮」オリジナル・レコーディング(1937-1951) - フローレンス・フォスター・ジェンキンス&フレンズ
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